新宿毒電波通信 第三号 保笑無「川を憎む」
「やめろ」
という声がする
「やめてたまるか」
という声がする
本当であること 嘘であること
個人であること 孤独であること
無自覚であること 作為的であること
無政府主義であること 権威主義であること
それぞれの事情で
赤土混じりの岸壁に亀裂が生じる
幾星霜が過ぎて川ができる
いかにも涙専用に造られたような
最後の血の一滴まで洗い清めてくれそうな
悔しいほどに ムカつくほどに
滑らかで静謐をたたえた川である
「やめろ」
という声がする
「やめてたまるか」
という声がする
本当であること 嘘であること
個人であること 孤独であること
無自覚であること 作為的であること
無政府主義であること 権威主義であること
それぞれの事情で
赤土混じりの岸壁に亀裂が生じる
幾星霜が過ぎて川ができる
いかにも涙専用に造られたような
最後の血の一滴まで洗い清めてくれそうな
悔しいほどに ムカつくほどに
滑らかで静謐をたたえた川である