
ボド祭対談【後編】
当記事は、2022年6月4日、5日に内野づくりまちづくりセンターにて開催された「新潟ボードゲームまつり2022」について代表のうすいさんと副代表のナポポラさんに対談してもらったものを、広報のむらいが書き起こし・編集した記事の後編です。
前編↓
主に今回協力していただいたスタッフや関係各位、力を貸していただいた方々に向けての内容です。
イベントの詳細は先日公開したこちらの記事↓にて詳しく記載しています。
前回の続き
う 大変さは例年の3倍くらいあったな。まあ毎回大変なんだけどさ。今思うと初年度なんであんなに大変だったんですかね(笑)
ナ ゼロからのスタートだったからね。でも2019年の時のことあんまり覚えてないな。
う 俺も2年目って全然覚えてない。立ち上げの時のことは覚えてるけど。そこまで苦労した記憶もないし。
ナ ブースが増えただけでほとんど一緒だしね。
む わりと前年から流用できたのかな。
ナ あとは1年越しだから、スタッフがまだ去年のこと覚えてたのも大きい。
新設ブースについて
む 今年新たに増やしたブース(※1)についてはどうですか?
(※1=マーダーミステリー、TRPG、人狼、周遊型謎解き、ポーカートーナメント、トートバッグ制作、同人ゲーム販売、ファミリー向け試遊)
う (指折り数えて)8ブース(笑)
む ほぼじゃないですか。
う 単純に2日になったってことをこういうとこで知るよね。8つも増えてるんだと。
む 開催後記ブログを書いてみて思ったけど、どのブースを見ても盛り上がっていたし、しっかり熱量を感じましたね。いわゆる「捨てブース」みたいなのは1つもなかった。
う スゴかったよね本当に。やっぱり「お祭り」だなって思った。縁日感というか。2日間だと、次の日には別の出店(ブース)が出てるっていうのがよかった。

スタッフに対して
う まあでもとにかく大変だった、大変しか出てこないから「大変」は封印するわ。
ナ (笑)
む じゃあちょっと別の話…スタッフの方はどうでしたか?
う (スタッフには)申し訳ない!
む「申し訳ない」?もっと他にあるだろ(笑)
う 「ありがとうございました」か。
む 最初に「申し訳ない」が出ましたね(笑)
う (ナポポラさんは)どう思います?
ナ まあでも、意外とスタッフやりたいって言ってくれる人は多いと思いますよ。参加者側でいたいっていう人ももちろんいるんだけど。文化祭やりたいって人は結構いるよね。優しい人が多い。
う 優しい人多いね。本当に。
む まあでも自分のためでもあると思う。私はそうだし。
う 自己表現の場としてね。そういう形になってくれたらいいなってずっと思ってる。結局、構図的にはやりがい搾取でしかないから。
む それは確かにそう。(笑)
う だから、やりがいだけだよって声かけてるんだから、そこにやりがいを感じて自分の表現の場にしてくれるなら、ありがたいなあって思う。
やっぱりインストスタッフとかってなかなか普段できなかったりするじゃん。ポーカーディーラーとか、イベント運営とかも。あんまりやるタイミング無かったりするでしょ。
そういう体験を楽しいって思ってくれたら一番嬉しいよね。
まあ友達だから付き合ってやるかって人も、山ほどいるんだろうけど(笑)
ナ (イベントの)始めはそこからだからいいんですよ。
う そうだね、始めはやりがいっていうより、「うすいがなんか言ってるから付き合ってやるか」って感じだったもんねみんな。
いや、やっぱりみんな優しいよ。どう考えても。(笑)
ナ ふふふ(笑)
う だって苦労するじゃん、どのタイミングでも。負担が少なからずある。プレッシャーだったり、心理的なものから肉体的な部分まで。スゴイなあと思う。
俺の一番はスタッフみんなの「楽しそう」の熱量に応えなきゃって思いだね。
だからイベントの成功がみんなの「楽しい」につながると思っていて。
俺が一番嬉しいのは打ち上げでみんなが楽しそうにしてくれてることなのよ。
それが俺にとってのボド祭のピリオドというか。だからそれを見るまでは気が休まらない。

次回以降の話
む あとはなんかありますか?
ナ まあ、次回以降の抱負ですかね。
う 来年やるかどうかは分からないけど、もしやるなら。
ナ アンケート結果を見ると、「フリマ2日間やってほしい」っていうのと「ファミリーブースの規模拡大」という希望が多かったですね。
う まあより広い層に来てもらいたいというのは常にあるよね。
ナ 本当は子どもとかファミリーとか、たくさんの人にボードゲームを遊んでもらいたいけど…(現状は)手が足りない!(笑)
う そうだね…。
ナ あとは企業コラボとかもしたいですねえ。
む ゲストも呼びましょうよ。
う どのくらいの規模になったらメディアは見てくれるのかね。
ナ 1000(人)でしょ。
う そうだよね、そういう世界になってきてるのでいよいよ、個人のものじゃなくなってきてるんじゃないかなって。仕事のようになってきてるんだよね。そこをどうバランスを取るかなんじゃないかな。
「ボド祭」の未来
う 個人の趣味のイベントからスタートして3年やってみた結果規模が拡大してきて、「趣味」とは言い切れないけど「仕事」でもないという。
拡大していくイベントの立ち位置がすごく曖昧で、友人同士の文化祭なのか、社会的なものなのか、楽しさと責任をちゃんとみんなに説明できていなかった。それで困ったスタッフが多かった気がする。
もし来年以降やるんならそこは明確にしていかないといけないなってすごく思う。
今がほんとに分岐点で、現状は趣味とするには求められるクオリティが高すぎる。仕事とするには足りないものが多いし何より当初の思いからかけ離れてく。けどもしかしたらそれで新しい何かに手が届くようになるのかもしれないし。
新潟ボードゲームまつり自体をどこに持っていくのか。大事なものは何なのか。原点に立ち返ってグレーなところをはっきりしないと、関わってくれる人がたぶんすごく困る。
今回はたぶんそれだったんだと思う。仕事でも趣味でもない。個人でも公的な何かでもない。各々の受け取り方に委ねてしまっていたから、困る人が出てきたのかな。
…ということを今、喋ってて思いました。(笑)
ナ (笑)
む スゴイ。ちゃんと意味のある対談になった。
う すごく納得できるでしょ?
ナ 私は仕事です。(笑)
う アナタは仕事だね。
でも人によっては思い出作りとか…俺も最初はそうだったもん。
でもここまでになってくるとそうも言ってられないみたいな。
責任とのバランスが取れなくなってくる。
俺にとってももう仕事だけど。
だからそこをはっきりさせないと、次のことは決められないなと。
最初のコンセプトを大事にするなら規模縮小ももちろんあり得るし。広く大衆にということであれば大きくするかもしれないし。どっちにも舵を切れる今のタイミングだからこそ、一回ちゃんと決めとかないとなって自分自身思いましたね。
む なるほど。
う いい反省の時間だったなぁ。なるほどね。俺の手から離れ始めてるんだな。今わかった。(笑)
俺のやれる範囲でやるのか、離すのかを考えないといけない時期なんだな。
今年の総評へ
む 総合的に今年はどうでしたか?
う 今年は判断がすごく難しい。イベントは大成功だったし来場者アンケートも、ものすごく良い評価をいただけた。ボードゲーム初めてですって人が「楽しかった」って帰っていくのってすごいことだと思うし。
イベント自体の総評としては文句ないですね。

う 反面、スタッフのみんなの満足度は、というと、どうなんだろうって思ってる。
毎年、「今年でやめていい」と思ってやってて…周りの人は来年の話とか、反省点とかたくさん出してくれてありがたいし、次へのエネルギーになるけど。(スタッフを)疲弊させてまではね…
今年はイベント自体は間違いなく大成功だったんですよ。
イベントを成功させて、お客さんに楽しんでもらって、みんなの「やったぞ!」感が満足度に繋がると思ってやってきたんだけど…みんながみんなそうはならなかった。課題が残ってしまって悔しいね。
む ナポポラさんはどうですか?
ナ うーん。そういう想いを持ってやりましたっていうのが一番大事だと思うけど。ダメだったものはダメでしょうがないから。
新潟にボードゲームを広めたいっていう目標と、スタッフや協力してくれる人たちにもイベントを楽しんでほしいっていう2つの目標があって、そこを目指してやってはみたけど、2つ目は上手くいかないところもあった。
迷惑かけたり、大変な思いをした人もいるかもしれませんが…完璧なイベントっていうのはないからね。
う うん。
ナ 今年の反省を踏まえて今後改善していきたいから、(うすいを)どうか見捨てないでくださいと。
む 素敵ですねぇ。
う でも、嘘はついてないと思います。カッコつけようとかなくて。一番は協力してくれたスタッフに報われてほしいって思います。
ほんとみんなお疲れ様でしただよね。
うすいの道楽に付き合ってくれてありがとうございました。ほんと(いい意味で)酔狂な人たちだよね。ふふふ。(笑)
ナポポラさんは?やっぱり辛いでしょ?
ナ 俺はもう辛いとかそういう次元じゃない(笑)そこはとっくに超えてる。
う (義務感で)やんなきゃいけないみたいな話になっちゃったじゃん。(笑)ナポポラさんはなんでやってんですか?
ナ 新潟のためですよ。すべては。
む おおぉ〜〜。
う 想いがあるからね。君には。
ナ 新潟のボードゲーム人口が増えてほしいっていうのはずっとありますよ、俺の中に。
う そうだね。その想いでやってるからね。

対談を終えて
ボリュームたっぷりすぎる「ボド祭対談前・後編」をここまで全て読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。
これで広報のお仕事は全て完了です。
今回記事にしたおよそ1時間の対談は、ボド祭の2週間後に行われました。
こうして区切ってみると、前編と後編で明らかにテンションが違う気がしますね。話すことで思い出せたり整理できたりした部分があったのかもしれません。
ちなみになぜブログを「開催後記」と「対談」に分けたのかと言いますと、「スタッフ向け」とすることでより深くマニアックな話もできるし、対談なら目線や論調が偏りづらいだろうという理由からです。
もちろん、単に面白そうだからという気持ちもあります!
このブログを残すことで、また次回のボド祭に何か少しでも引き継げるものがあればいいなと思います。
それでは、ボド祭2022に関わってくださった『アベンジャーズ』なみなさま、来てくださった方、次は行きたい!と思ってださっている方。
またいつかお会いする日まで、ごきげんよう!