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レポート:TOTAL MUSIC CONTACT PARTY Vol.4

わがままな音とにぎやかな風 vol.01から1カ月。

我々(※注)は埼玉の地に降り立った。

目的地は、川越DEPARTURE。
わがままな音で、新潟に新たな文化活動を運んでくれたNPO法人jogoが主催するTOTAL MUSIC CONTACT PARTY Vol.4に参加するためである。

新潟で、本格的に音楽活動を進めていくための武者修行。
福祉施設が、ライブハウスでイベントを主催するということはどういうことなのか。くじらのメンバーBも言っていたが想像がつきにくいと思う。
LIVEを楽しむとともに、様々なことを吸収して帰りたい。

2024年12月21日(土)
会場:Live House 川越DEPARTURE (川越市東田町6-8 B1)
OPEN 16:45 START 17:15
チケット: 1,500円+1ドリンク(介護者1名まで無料・要1ドリンク)
※介護者同伴の場合は事前に info@headmusic.co.jp までご連絡ください。
出演:SideWinDer/ポパイ座銀河団/THE GROOVIN'S/REALIZE
   SONORAS/夜行星
お問い合わせ:HEAD MUSIC合同会社

企画制作は、HEAD MUSIC合同会社の諏訪さんが担当。
舞台監督として、会場や出演者との調整、プレスリリース、タイムキーパー、打ち上げ会場の選定の他、カメラマンの手配も行っていた。

明るい時間に着いたのだが、会場に続く階段は薄暗く独特の雰囲気を醸し出していた。誰も煙草を吸っていなかったが、煙のにおいがする。

重厚な扉を開けると、ポパイ座銀河団がリハ中であった。ポパイ座銀河団は愛知県名古屋市に拠点を置く認定NPO法人ポパイに所属する東海・北陸ブロックを代表するバンドである。新潟とも縁が深く、2020年に公演してもらう予定であったがコロナ禍で幻となった経緯がある。

jogoの石井さんの話だと、主催するLIVEに県外のアーティストを呼ぶのは今回が初とのこと。またポパイ座銀河団を招聘するために埼玉文化振興基金の申請にチャレンジした。
見事採択され、イベントに新たな色が加わった。

「うちらは、自分たちの力でライブイベントはいくらでも開催できる。助成金を活用する意義を考えないと。もともとやっていたことの補填はNGだね。今回助成金を活用した目的は2つあって。1つは、他の地域とどんどん交流しないと。埼玉に色んな方から来てもらって、どんどん新しいもの・良いものを作っていく。そして、埼玉に来てくれた人が自分たちの地域で埼玉から持ち帰ったものを広げてもらう。もう1つは、この取り組みを広げていくこと。そのために今回、スワッチ(諏訪さん)に入ってもらった。広げるためには、良いものつくらないと。今まではイベントの準備をしながらライブをやっていた。だからパフォーマンスに集中できなかったのは事実。そして、広報。これもめちゃくちゃ大変。これもスワッチがやってくれたから、より広く情報が届いた。自分たちは自分たちで、色んな人や団体に声掛けしたけどね。反応は良いところもあれば、まあ、なんと言うか。音楽は専門外みたいな。色んな反応があったけど助成金をもらった以上、それ以上のパフォーマンスを見せないとカッコ悪いでしょ。」

石井さんから、助成金の申請に対するコメントをもらった。
支援センターにも財源に関わる相談は多い。内容は既存の活動の継続費用の確保が多い。あまり外に開かれた相談はなく、今回の助成金の使われ方はとても適切だと感じた。金額までは聞いていないが、後述する様子を見るとそれ以上の効果はあったのでは思う。
ライブハウス入り口の一番分かりやすいところに募金箱が設置されていた。もしかしたら、会場に来られた方も初めて目にしたものかもしれない。


夜行星の音から、PARTYが始まった。


とてもとてもキラキラしている。
くじらメンバーCは、心臓がきゅんきゅんして何とも言えない気持ちになったようだ。
今すぐにでも、新潟のライブハウスでイベントをやりたいと凄い意気込みである。
夜行星は、高校生バンド。jogoのスタジオで日々練習しているらしい。おそらく福祉施設に行っているという感覚はなく、自然と音楽を通じて色んな方との接点を作っているのだろう。

THE GROOVIN'S。
ひたすらロック。ロックすぎた。
近藤さんの目指す、わがままな音に近いかもしれない。
突然のシャウト、始まったかと思うと大きくバツ印を掲げ演奏中止のサイン、色んな人の手に渡るタンバリン。
わがままなんだけど、なぜか調和がとれている。
出演までのサポートも細かにされてきたことが想像できる。
やはり、埼玉は凄い。
楽(らく)団担当者は、高校生も一般バンドも福祉施設も関係なく、ステージが成立していることに驚いている。このPARTYがどんなイベントなのか説明は必要ない。

そして名古屋からかけつけたポパイ座銀河団。
何度か、ライブを見たことがあるが超絶パワーアップしていた。
1人ひとりの存在感が、凄すぎる。
曲ごとのリズムに会場全体が動いていた。
埼玉に間違いなく、爪痕を残したと思う。

そして、SideWinDer。
石井さんに次々にアルコールが渡される。
始まる前に、この歓迎は凄いな。

始まったら一瞬だった。
Do It!!ともわがままな音とも違う、SideWinDerのパフォーマンス。
県外で出演する時は地元のバンドをリスペクトし、ホームでは本当の姿を見せる。言い換えると、会場、観客、他の出演者を含めての本当の姿かもしれない。
誰がステージに立ってようが関係なかった。
誰がステージを観てようが関係なかった。

おめ~ら、飛べ
声、出てんのか

両サイドから写真を撮ろうと思ったが、右は密度が高すぎて無理だった。
ワンドリンクで済んだ観客は殆どいないのではないか。
この場がどうだったかということは、中々言葉にし難いため当日のレポートはこのあたりで終了したい。そんな時間であったことは間違いない。

くじらメンバーCは、新潟で、ライブハウスでのイベントを実現するためにチケットノルマなどノウハウを色々聴きたいと前向きになった。

後日談(と言ってもほぼ翌日)

石井さんと諏訪さんから、早速振り返りのお話があった。

【舞台監督の役割】
・今回、より良いステージをつくるために諏訪さんが舞台監督に入り、石井さんはステージ集中できた。運営に関わるストレスが軽減され、気持ちよくパフォーマンスができ、観客もより質の高いステージを楽しめた。
・ただ僕らが、このイベントを助成金を活用して行う意義はもっと考えなければならないことが分かった。階段の上り下りや、トイレ利用時のスペース確保、ライブ時の空間、控室周り、板に乗る時のサポートなどは考えなければならない。この部分ができるようになると、通常の舞台監督ではできない価値だと思うし、より助成金を活用する意義があると思う。

【会場全体でのサポート】
・出演者、観客とも様々な配慮が必要な方が多かった。特に出演者は、その配慮も行いつつリハや本番を迎えなければならない。やはり大変だし、見ていて手が回らない様子だった。他の出演者のパフォーマンスを見てもらいたいという思いはあるが、様々な事情で一旦外に出るのはもったいないなと思った。
・改善策として、次回は出演者の顔合わせ&伝達事項の時間を作ろうと思う。それぞれが最高のパフォーマンスを発揮するために、一緒にやれることを見つけたり、他のグループが工夫していることに気づけるかもしれない。また、そこまでいって本当のつながりづくりなのかもしれない。

【支援センターの関り】
・今回のイベントでいえば、基本的にはチケットノルマ制で出演者だけでやるのが良いと思う。ただ配慮の部分の調整、今回でいう諏訪さんの役割を自分たちだけで行うのは難しい。パフォーマンスにも響くと思う。
・この必要な配慮は支援センターが費用負担するなど対応していくというのは非常に意義のあること。そこは福祉という下駄を履くべきだと思う。
・チケットノルマ達成のために集客や他のバンドとつながる力をつけていきたいという福祉事業所と組むことは、人材育成という面でも支援センターとして良い事業になるのでは。

【ライブハウス】
・やはり場所の神聖性はあると思う。一緒に騒いで、酒飲んで。いつの間にか、人と人とがつながっているもんね。クジラのメンバーCは危ない発言をするお姉さんから酒を奢ってもらってたし。やはり文化施設だと思う。
・イベントという作品を作ってくれる。丁寧に音や照明のチェックをしてくれて、会場には本当に感謝。借り手と継続して、関係性をもてる施設ってあまりないと思う。公共施設は異動とかあるし。そこも含めて特別な空間。
・あとバリアフルだからこそ、本当のバリアフリーが分かると思う。観客含めて手伝うこと、手伝い方を切り出すことが出来ると思う。色んな経験ができると思うよ。


NPRHS

N•••ナチュラル(新潟県アール・ブリュット・サポート・センターNASC)
P•••パーフェクト(ポパイ座銀河団)
R•••ロイヤル(楽(らく)団)
H•••ハーモニー(HEAD MUSIC合同会社)
S•••サービス(SideWinDer)

TOTAL MUSIC CONTACT PARTY Vol.4を通じて、PとRが加わった。
NPRHSに興味のある方は、ぜひお声がけください。

※注 楽(らく)団担当者、くじらメンバーC、支援センター(坂野)の3名

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