YOHKOとめぐる旅㊻ マスクとめぐる旅①
※本人に承諾を得て掲載しています。
Y:YOHKO N:NASC
11月9日(月)。
新潟県障害者芸術文化祭の準備。
会場は新潟ユニゾンプラザであった。
第18回目を迎える祭典。
今回からNASCも設営・運営をお手伝いすることになった。
NASCのメンバーの他に、学生スタッフ2名。
そしてYOHKOさん。張り切って頑張るということだったので仕事をお願いした。
会場に入ると、11月だというのに半袖・ミニスカート姿でYOHKOさんが待ち構えていた。
口元を見て、私はムカっとした。
私の基準でしかないが、着用しているのはマスクとは到底よべないものだと感じた。薄っぺらい黒い布を垂らしているようにしか見えず、しゃべるたびに口元があらわになる。
N『ちゃんとマスクしてくださいよ。』
Y『してるじゃないですか。』
今回、運営スタッフの仕事をYOHKOさんが受けるにあたって条件が一つあった。それがマスクの着用であった。これは事前に主催者から実行委員・協力団体に感染予防を徹底するよう説明があり、もっともなことだった。
実際、他のスタッフはマスクはもちろん薄手袋を着用するなど感染予防は徹底していた。
YOHKOさんにも、マスクをちゃんとしてくるよう何度も伝えた。マスクの形状まで指定しないとダメなほど話の分からない人ではないじゃないかという思いがこみ上げてきた。これは確信犯。
N『そんなのはマスクと認めないので、帰ってください。』
Y『私からすると全然マスクなんですけど。』
N『私からするとマスクじゃないので。普通のマスクをしないなら帰ってください。』
Y『これがマスクだという人も多いと思いますが。』
N『そうかもしれないですけど、帰りますか?』
Y『そんな頭ごなしに言わなくてもいいじゃないですか。怒ってますか。』
N『怒ってます。帰ってください。YOHKOさんはスタッフなんだから。参加者気分でいちゃダメですよ。』
Y『ちゃんと仕事はしますよ。それを見ててくださいよ。』
N『仕事以前に、マスクをしなければ帰ってください。』
Y『だから、マスクしてるじゃないですか。』
N『スタッフとして決められたルールを守れないならここでさよならです。』
結果としてYOHKOさんはブツクサ言いながらも私の渡した普通のマスクを着用した。
いくつかマスクのバリエーションを見てほしかったなど言っていたが、私は受け付けなかった。
仕事は、誘導班としてしっかりやっていた。
これがマスク論争の幕開けだった。
たぶん続く(不定期連載)
YOHKO
パフォーマー。2017年に開催した当センター主催のパフォーマー公開オーディション事業「あしたの星☆」、2018年度の「あしたの星☆2」へ出演。2019年アースセレブレーション(佐渡市)のフリンジや、同年りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館のワールドダンスコンペティションに参加。新潟市内を中心に活動している。