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エアコン代をポンと出せる大家さんはすごい、と思って自分が大家さんになった話。

会社員をしながら不動産投資を始めた鈴木様(仮名・45歳)にインタビュー。13年の投資で現在の所有戸数は18戸、諸々の諸経費を差し引いて手取り額でも毎月40万円程度が会社からの給与収入の他に得られるようになっています。数ある投資先のなかで不動産に行きついた原体験は、大学時代の「大家さんの思い出」にありました。投資を始めるきっかけや、物件選定の基準まで含め、赤裸々な投資ストーリーをお届けします。

13年で気がつけば年間1,600万円の家賃収入

——さっそくですが現在の資産状況を簡単に教えてください。

不動産は、全部で18戸あります。金融資産については、12月末時点で持っている預貯金や投資信託、株式なども含めて約3,600万円です。株に関しては、最近では個別銘柄の取引はほとんどしておらず、投資信託や勤務先持株会の積立てなどがメインです。

——ありがとうございます。ちなみに不動産の借入状況についてはいかがですか?

現状では、約1億1,000万円弱のローンが残っています。物件数で言うと9戸分の返済が完了しています。
ローンの返済額だけでなく、マンションを保有している限り必要な費用の支払い総額と家賃収入額を注視しているので、ローンだけ切り出して具体的な返済額は今すぐ回答できないのですが、家賃収入については満室時の場合、月間で約133万円になり、年間にすると約1,600万円になります。そこから、ローン返済分やマンションの管理費、管理代行手数料、固定資産税、空室、修繕費など諸々を家賃収入から差し引くと、手残りは月により増減ありますがならすと約40万円程度じゃないですか。

——凄いですね。純粋な手取り額としては、年間だと約480万円ということですね。

そうですね。ただ、手取り額をいくらにしたいという目標を持って、不動産投資を続けているわけではないのであまり意識してないのですが。

——そうなのですか?

はい。「手取りでいくら欲しい」というよりも、「何かトラブル等があっても耐えられるか、安全かどうか」を中心に意識しています。具体的には「急に金利が上がった」場合や「空室等で家賃収入が一時的になくなった」場合にローンの返済含め、諸々の支払がきつくならないか、どこまでなら耐えられるか、という面での意識が中心です。


始めるきっかけは間接部門への異動だった

——不動産投資を始めるまでの経緯について教えてください。

不動産投資を始めたのは12~13年前です。当時は32歳だったと思います。それ以前は仕事が営業職で、どこの世界でもありがちな話ですが、平日は夜遅くまで、土日も仕事していることが多かったです。そのため、投資や資産運用に興味はあってもじっくり勉強することができず、場当たり的な投資が中心でした。今思えば、それは投資や資産運用ではなく、ギャンブルに近いです。
ところが、あるとき部署異動があり営業職から間接部門に代わりました。異動直後は、「何で自分が営業職から外されるんだ」と納得いかない気持ちもありましたが、実際にやってみると従来とは全く異なる視点から仕事を見つめ直すことができたので、今思えば結果的に良かったですね。
そして、営業職のときと比較すると、お客様の都合に合わせることが無いので、数日先までスケジュールが立てやすい。自分で建てたスケジュール通り仕事が終われば定時に帰れます。そうすると、営業職で長時間働いていた自分からすれば「余った時間で何しようかな?」となりました。
その余った時間で、不動産含め投資・資産運用の勉強をすることにしました。本やネットでの情報収集やセミナー参加もしました。その中の一環で日本財託のセミナーもあったというわけです。
それから「1件くらい買ってみよう」と思い、実際に購入しました。1件だけだったら仮に失敗したとしても手ごろな金額なので致命傷にはならない、と思ったからです。勉強だけをしていても所詮は机上の空論なので、まずは1戸買ってみました。

——不動産投資といってもさまざまな種類があるなかで、鈴木様は中古ワンルームマンションに絞って投資を進めていますよね。他の手法も考えたことはありますか?

1戸目の購入後も様々な不動産投資セミナーに参加して、一棟アパートの物件を実際に見に行ったこともありました。それでも、やはり「身の丈に合わないかな?」と感じることや「これ、本当に大丈夫なのかな?」という不安になるものもあり結果的に購入には至らず、今に至っています。
実は、少し前に問題になった「かぼちゃの馬車」のセミナーにも行ったことがあります。問題が大きくマスコミ等で取り上げられるより何年も前の段階でしたが、セミナーを聞いている最中から明らかに「無理があるのではないか?」と思うことが多く、「長期的には継続できないビジネスだな」と感じたのでやめておきました。

——ちなみに、不動産投資に関してご家族の反対はなかったのですか?

初めて物件を買ったときは独身だったので、誰かに何か言われるということはありませんでした。両親にも相談しないで始めました。私が最初に購入したのは2009年ですが、2008年にリーマンショックがあり、不動産投資をやる人があまりいない時期でした。今思えば、恥ずかしいというか、説明するのが面倒で周りの人に言いたくなかったですね。不動産投資をしている話を友人知人にしても「お前どうせ騙されてるんじゃないか、日本は人口減ってるんだし…」等と言われることが想像できたので、誰にも言いませんでした。

——なるほど。ちなみに、その後にご結婚された奥様は?

特に何も言わないですね。たまに妻と不動産投資の話をしますが、彼女はそこまで興味ないのだと思います(笑)

——物件を買うときの基準はありますか?

一応、購入対象地は23区内にしています。神奈川県の物件の購入比率がやや高かった時期があるので、それ以降、購入する際はとりあえず都内にしておこうと考えています。また、総戸数が30戸以上のマンションにしています。
後は、駅から近いとか、主要駅に通いやすいとか、一般的な基準です。ただ「絶対最寄駅はこの駅」みたいな基準は持っていません。賃貸ニーズがありそうなエリアでしたらあまり細かいこだわりは無いです。

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ごく普通のおじさんが10万円をポンと出した

——不動産に興味をお持ちになったのはいつ頃からですか?

もともと不動産に興味を持ったきっかけは学生時代ですね。私は大学生時代実家暮らしだったのですが、地方出身で一人暮らしの友達もいました。そういう友達の家に行った際に「こういう部屋は家賃6万円かぁ」「風呂なしのこの部屋だと36,000円かぁ」等と、人の部屋と家賃に興味を持っていた記憶があります。

夏に友達のアパートに別の友達と2人で行った時の話ですが、その部屋にはエアコンがありませんでした。暑いので当然窓を開けたままでしたが、夜3人で喋っていたら、同じ敷地内に住んでいる大家さんに「うるさいっ!」と怒られてしまいました。そのときは家主の友達に申し訳ない気持ちになったのですが、後日、大家さんが部屋にエアコンを付けてくれたのです。おそらく、大家さんも「エアコンがあれば窓を閉めるから静かになるだろう」と考えてくれたのでしょう。それを聞いて「俺達がうるさかったおかげでエアコンを付けてもらえたんだ!半分は俺達のおかげだな、感謝しろよ!」と冗談を言っていました(笑)。

——大家さん、優しいですね。そこから何かお気持ちに変化があったのですか?

はい。エアコンを付けるとなると、10万円くらいですよね。学生から見たら10万円は大金です。それを「ポンと出せる大家さんって凄いな(失礼ながら見た目はお金持ちには見えなかった普通のおじさんなのに)。」と思いました。同時に「(学生時代の)自分が逆の立場だったら、とてもじゃないけどエアコン付けるって判断はできないな」と思いました。
その時に大家さんという部屋を貸す側の立場の人は、どういう思考回路で物事を判断するのだろう?と考えるようになりました。それまでは部屋を借りて家賃を払う側の目線でしか物事を見ていなかったので、すごく新鮮な気持ちになり、新たな発見が出来ました。
逆側の目線で物事を考えるのはとても大切だな、と思うきっかけになりました。家を「買う」「借りる」ではなく、「売る」「貸す」側はどうなのだろう、またはスーパーで「たまごが安いな」ではなく「たまごを安く提供できるのは、どういう仕組みなのだろう」と考えるようになりました。
不動産に限らずどんな商売でも、サービスを買う側だけではなく、提供する側の気持ちも考えることで、物事の見方が変わってくることを実感しました。この体験のおかげで、卒業して社会人になる際にも「これから自分は、学生というお客さんの立場から、仕事を提供した対価としてお金を頂く立場に変わるんだ」という意識が持てたので非常にありがたい体験をさせていただいたと感謝しています。

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