アマチュア将棋研究家の地位向上
今回はアマチュアによる将棋研究者の立ち位置についてです、我々アマが定跡本を出す場合に直面する大きな問題があります。それは…
俺より弱いやつが書いた本なんか読まないよ問題
これはね、分かります。私もアマ初段が書いた本を読む気になるかというと自信がないです。
そんなに強い人の書いた本が読みたいなら「羽生の頭脳」だけ読んどけ!といいたいところをグッとこらえて、弱い人が書いた棋書の問題点を挙げてみます。
弱小アマが書いた棋書の問題点
①電子書籍は立ち読みができない上、どこの馬の骨とも知らない人の書いた本は内容や質の担保がなく、購入にギャンブル性がある。
②研究手順や進行が妥当なものか怪しい。
③ソフトを用いていれば手順や進行の質は保証されるが、その手順の意味を著者がきちんと理解して記述できていない可能性がある。
①に関しては地道に実績を積み上げていくしかないですね。出版実績と棋力の担保(大会実績、24のレーティング等)を両方積み上げていればベストなのですが、棋書執筆者の棋力の向上は難しいです。「執筆するほど研究してるんだから棋力も強くなるのでは?」と思うかもしれませんが、そうでもないです。
序盤研究家の棋力が向上しない理由
①そもそも研究に時間を取られて将棋を指す暇がないのでレーティングを上げる時間がない
②勝つための研究(自分のレート帯で出現確率の高い局面の研究)をしているとは限らないため、そもそも研究通りにならない
③執筆しているからといって全部の手順を覚えているわけではなく、普通に研究をど忘れして負ける(そしてあとから自分の書いた棋書を読んで思い出す)
④終盤が弱い
書いてて悲しくなってきました。
アマチュア研究家が目指すべき方向
話は変わりますが、詰将棋の世界ではアマチュアとプロの垣根はほとんどないといって良いですね。日本将棋連盟とは別に全日本詰将棋連盟が存在し、詰将棋解答選手権を開催しています。プロ棋士の詰将棋作家もいますが、アマチュアもたくさんいます。藤井二冠や斎藤八段は、自分より弱い人の作った詰将棋をウキウキしながら解いてますね。
アマチュアの序盤研究家もこれを目指したい。在野のアマチュアの研究本を藤井九段が読んで「ほー、これ面白いじゃん。絶品チーズバーガー」とか言われたいです。