一冊の本から始まった地獄 世界を変えた「資本論」
社会主義。
社会主義と言っても、いろいろあって空想社会主義、科学的社会主義、社会民主主義、無政府主義、国家社会主義、社会改良主義といろいろあります。
この記事で紹介するのは「資本論」で紹介している科学的社会主義について解説していきたいと思います。 それではどうぞ。
まず、資本論では資本主義について解説しています。
資本主義とは端的に表すと・・・・ 1、労働者を雇い、商品を売りお金を貰う 2,そのお金を基に拡大し、商品をもっと売れるようにする 3,またお金を貰い、どんどん拡大する
という感じです。 確かに、これは栄える人が現れますが、その分労働者はどうでしょう? こき使われて、搾取され可哀想です。
これがイギリスのその時の資本主義です。 マルクスはイギリスに居ましたので、イギリスの歴史を基に「資本論」を造りました。
イギリスの歴史を見るとある法則性があることに気付きます。 イギリスは革命→発展→成熟→革命の無限ループだということに。 さらに革命が起きるごとに資本主義の中でも革命が起きているではありませんか!
絶対主義から自由主義へと移行するときに、同じく商業資本主義→産業資本主義と社会の中の体制が変わるごとに資本主義も変わっていることに。
また自由主義から帝国主義へと変わるごとに産業資本主義から金融資本主義へと移行しています。 とこのように、革命の公式を導き出しました。
じゃあ、帝国主義から?主義へと変わると資本主義もそれに伴って違う主義になるのか? となるとそうではなく。
資本主義は絶頂(金融資本主義)になると必ず 1,労働者の絶対的窮乏 2,階級の2極分化 3,経済恐慌 が起こるようになっている。
そんな辛い社会では革命が必ず起きる。 資本家が起こすプロレタリアート社会主義革命が起きるようになっている。 その革命が起きると社会は全てひっくり返りる。 そこから資本主義と社会主義の過渡的段階が起こり、ゆっくりと共産主義へと移行した後、世の中は差別も偏見も争いも犯罪も支配者も搾取も一切ない「地上のパラダイス」が訪れるだろう。
という感じに。 その共産主義では国家が収入を管理しそれを国民に平等に分配する。 確かに、これなら理想の社会ですが、それは「大事な物」をカットしたのを前提条件とした主義でした。
その「大事の物」とは「感情」です。 マルクス理論は人間の感情を無視した理論だったのです。 これが過ちでした。
人には感情があり、それが歴史を創っていることに。 その感情を無視した理論によりロシアでは革命が起きましたが、その後のソ連では人が人を食い合う地獄の状況になりました。
これもやはり人の感情を無視したために起こった現象でした。 これをまとめるならば、
1,資本主義は市民革命とともに形を変化する 2,そして金融資本主義になったところで資本主義の絶頂が訪れる 3,資本主義の絶頂では必ず階級の2分化、労働者の窮乏、経済恐慌が起きるようになっている 4,なので資本家社会主義革命起きる 5,その革命が終わった後はゆっくりと共産主義に移行する 6,移行した後は「地上のパラダイス」が訪れ、その後は革命なんて無い
ちなみに、「地上のパラダイス」が起こる理由をマルクスは説明してはくれません そこはまあ、根拠はないがそうなる!
と、マルクス理論はご都合主義だらけでした。 しかし、何はともあれ「資本論」が出版されました。 これは世界中で驚愕を持って伝えられました。
まさかこの時は誰も分からなかったでしょう。 この一冊の本によりロシアで革命が起こり、その後人が人を食い合う地獄の状況になっているとは・・・・ 第二次世界大戦が終わった後、社会主義と資本主義という2分化なるとは
この立った一冊の本により世界が大幅に変えられるなんて。 これだから、歴史は面白い。