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演説の天才!!ミュンヘン一揆の裁判

これは前回の続きです。

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ミュンヘン一揆 

ムッソリーニのローマ進軍に伴って起こした反乱でした。                  しかしその成功方法の条件には                                ・バイエルン州の協力                                     ・ルーデンドルフの協力                                 が不可欠でした。

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しかし、仲間にいたルーデンドルフが人質を解放するという大ポカをやらかし、見事に失敗しました。                              ここでヒトラーはおしまいか!

と思いましたが、歴史は大きく動きました。                        さあ、ここ反乱の責により被告に問われているヒトラーの姿がいました。 

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1924年、2月26日裁判が行われました。                          反乱は問答無用で死刑、いや軽くても重罪。                        絶体絶命。                                       しかし、ピンチはチャンス。                                ヒトラーはこの状況をチャンスと見ていました。

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何となれば、この裁判はドイツの全国民に放送されているからです。             これは我が演説を生かすチャンス!!

裁判長「被告人、何か言いたいことはあるかな?」

裁判長(と言っても、どうぜ無罪をまくしたてるだろう。今からあいつの哀れな弁明が始まるぞ!)

ヒトラー(被告人)「私は有罪です」

裁判長「!?」

裁判長だけではなく、その場にいた全員。               いやこれを見てるドイツ人が驚きを隠せませんでした。              ヒトラーは絶対、無罪をまくしたてるだろうと思っていたからです。                  

しかし、状況が変わりました。                    さあ、全国民が注目しました。                        ここからヒトラーの天才演説が入ります。

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ヒトラー「第一次世界大戦、前線ではドイツは勝っていた。                                         しかし、政府はユダヤ人や社会主義者と結託して敗戦に導きウェルサイユ条約という卑劣極まりない条約に調印した」

ヒトラー「そのせいで、我が高貴なるドイツ人は名誉、誇り、財産、栄誉を奪っていった。奴らこそが反逆罪として問われるべきだろう!?」

ヒトラー「なので、私はドイツ国民に名誉と誇りを取り戻そうとしただけだ!私の罪状は『ドイツに名誉と誇りを取り戻そうとした罪』により有罪なのだ!!!!」

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本当に第一次世界大戦にユダヤ人や社会主義者と結託して敗戦に追い込んだか分かりませんがこの演説によりヒトラーは一躍有名に。                新聞でもでかでかと飾られるようになりました。

またそれに比例しドイツ人の評価も・・・・

ドイツ人「ヒトラーは真の愛国者だ、絶対に潰してはならない」

ドイツ人「彼を大統領に!!」

当時のドイツ人は現政府に不満を抱いていましたが、その不満をすべてぶちまけたヒトラーに「よくやってくれた!」という気持ちでいっぱいだったでしょう。

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24日間ずっと演説を出し、完全に世論を味方につけ裁判に臨みました。          その結果・・・・                                   ・ルーデンドルフは無罪                                    ・罰金200金マルク                                       ・禁固5年                                            ・仮釈9か月

本当に軽くしたとはいえ、無罪を期待していました。                      それが金はいいとして、5年もいるとは。                           しかし、裁判長はこれに付け足ししました。                        ・ただし、刑執行の9か月に仮釈放の権利を与えるものとする

これは実質的に無罪に近い結果となりました。                        刑務所内では日当たり良好の部屋が与えられ、隣には秘書のヘスが付き。             接見、差し入れ、散歩自由。

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何という待遇。                                      ここでヒトラーが言ったものをヘスが書いたものが、あの有名な『我が闘争』です。                                  ここからヒトラーの再興が始まります。

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歴史を見る限り、演説が天才な人は正しいことを言っている人ではありません。                                      『思い込みが激しい』人です。                             大衆というものは物事を正しく判断できる頭を有していないため、こういう危機状況には過激な組織が活躍するものです。

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そういえば、いま日本は危機的状況になる寸前。                     近いうちに財政破綻みたいなことをして自爆か、中国が攻めてきて占領か。              まさに苦難な状況になるのだけは言えるでしょうね。               しかし、そういう時に活躍できるのは過激な組織。 

皆さんもヒトラーのように歴史舞台に赴けるかもしれません。                


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