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霊魂の研究(5) -霊魂治幽の神政- ●

#00646 2020.3.26

 こゝに疑問者あり。魂・心・気の弁は粗(ほぼ)これを聞けり。然るに神賦の魂にして、悪行の為に死し、或は怨み結んで死後迷魂となりて人に災いを為すあるは如何(いかん)。 #0368【『異境備忘録』の研究(53) -神法道術の限界-】>> #0502【扶桑皇典(32) -亡霊・上-】>> #0503【扶桑皇典(33) -亡霊・下-】>>
 余(よ)、これに答へて云はん、凡そ天地の間、造化の真理なるものは幽顕その界を異にし、動物・植物とその種を分かつと雖(いえど)も一つにして、神界冥々の中(うち)も眼前の事物の上に知らるゝところあり。
 前にも弁じたる如く再び草木を以てこれに例へんに、こゝに一本の大木あり、根・幹・枝・葉最も繁茂せり。然るに大風の為に枝葉の動くこと甚だしからんに、根は土中にありて直ちにその風を受けずと雖も、連日大風の枝葉を動かすこと甚だしき時は、その動揺幹に及び、根も又枝葉の為に土中に安んずること能(あた)はず、終に斃(たお)れて土を離れ、根・幹・枝・葉と共にその依る所無きに亘る。

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