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『異境備忘録』の研究(36) -天狗の災い- ●

#00351 2015.4.27

「天狗の災を民家になさんとするには、大空より鳶(とび)の毛に血を付けて、竈所(かまど)の煙出しの穴へ落とし入れるなり。二日の内に火災起こるなり。かゝる類を高津鳥(たかつとり)の災と云へるなり。又、梟(ふくろう)の羽に蝦(えび)の殻を付けて落とす事あり。
 かゝる災を除かんとするには、正月に用ゐたる橙(だいだい)を煙出しに釣り置く時は、諸鳥の毛、風に誘はれて入る事なし。何れの鳥の羽にても入る時は大に悪く、火災なければ家内に必ず口論を生ずるなり。」(『異境備忘録』)

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