『異境備忘録』の研究(63) -壮絶悲絶の大犠牲- ●
#00378 2015.10.8
「明治十一年五月二十五日、我が長男、清明と云ふ者四歳にて病死す。その夜、俄(にわ)かに我が子の何れの界に入りたるにやと大に気遣ひして、諸々の界に入りて尋ねけるに、何れの界にても見えざりければ、仏界に入りて尋ねるに、この界の入口の左の川原に松樹数多(あまた)生(おい)たり。そこに童子数十人、血の付きたる白き物を頭に戴きて遊び居たり。この童子の中に我が子は居つらんと一人毎に改め見るに、こゝにも我が子は居(おら)ずて帰りたり。如此(かくのごとく)童子の頭に戴きたる物はこの界にて故ある事なり。
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