会津若松で開催された日本遺産フェスティバルの魅力を振り返る!
2024年10月26日(土)・27日(日)、戊辰戦争の舞台として知られ、赤瓦の天守閣が特徴的な鶴ヶ城がある福島県会津若松市で、「日本遺産フェスティバル」が開催されました。今回は、その様子をお伝えします。
日本遺産フェスティバルとは?
日本遺産フェスティバルは、年に一度、全国各地の日本遺産が一堂に集まる祭典です。前年は八王子で開催され、今回が初の東北開催となりました。
会津若松市の玄関口である会津若松駅には多くののぼりが立ち、無料シャトルバスも運行されたことで、会場には多くの来場者で賑わいました。
今回、日本遺産普及協会の理事、プロボノ・インターンメンバーも日本遺産フェスティバルに参加しました。具体的な活動内容などについては、以下の記事で紹介しています。
全国各地のブースが集結!
全国にある約90の日本遺産のブースが会津に集結しました。それぞれのブースでは、地域の歴史や文化、伝統工芸、自然の魅力を生き生きと紹介し、来場者にその土地ならではのストーリーを伝えていました。地元の特産品や工芸品の展示、体験型のワークショップも行われ、訪れた人々は日本遺産の多彩な魅力を体感することができました。
京都府南部の山城地域をテーマとした日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」のブースでは、日本茶の歴史や文化が紹介されました。この地域は茶道や茶の湯の発展を支え、「抹茶」「煎茶」「玉露」といった日本茶を代表する製品を生み出した地として知られています。ブースでは、誰でも簡単に美味しいお茶を淹れられる「回転式緑茶ドリッパー」の展示が行われ、来場者は試飲を通じて日本茶の魅力を体験し、多くの人で賑わいました。
徳島の日本遺産「藍のふるさと 阿波〜日本中を染め上げた至高の青を訪ねて〜」のブースでは、関連する日本遺産との地域連携展示として、「かかあ天下-ぐんまの絹物語」「山寺が支えた紅花文化」「霊気満山 高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都物語」とのコラボレーションが行われました。それぞれのストーリー紹介に加え、彩りや織に関する伝統工芸の技術が紹介され、製品の展示や販売も行われ、多くの来場者で賑わっていました。
また、会場には、日本遺産『「鮭の聖地」の物語~根室海峡一万年の道程~』のストーリーに関連し、今回の会場である会津地域とも深い関わりを持つ『標津番屋屏風』など、貴重な2隻の屏風が展示されていました。遠く離れた2つの日本遺産が、点と点を線で結ぶような魅力的な展示となっていました。
勉強会でより詳しく日本遺産を知る
このほか、各日本遺産のストーリーに込められた歴史や文化、地域性などをテーマにした公開講座も開講されました。2日間で計30コマの講座が開催され、参加者は各地の日本遺産が持つ深い背景や、それにまつわる独自の伝統について学ぶ貴重な機会を得ることができました。関係者による専門的な解説や、地域の文化を深く掘り下げる内容は、参加者にとって非常に有意義で、学びの場として多くの人々に好評を博していました。
ご当地グルメもたくさん!
お昼時に会場を盛り上げていたのは、やはりグルメ・マルシェブースでした。会津の地域性を感じられる食の魅力が一堂に集まり、多くの来場者が賑わっていました。せっかくなので、会津名物のカレー焼きそばとソースカツ丼をいただきました。
カレー焼きそばは、地元の食堂「トミーフード」が焼きそばにカレーをかけて提供したことが始まりとされています。その安さとボリューム感が特に若者の間で人気を集め、徐々に他の飲食店にも広まりました。基本はソース焼きそばをベースにし、その上にカレーをたっぷりとかけた一品です。店によっては、カツや目玉焼きといったトッピングを加えることもあり、それぞれの店で少しずつ違ったアレンジが楽しめます。
一方、ソースカツ丼も会津の名物として欠かせません。特に会津がソースカツ丼に最初にキャベツを入れた町として知られています。キャベツのシャキシャキとした食感が、ソースカツ丼の濃厚な味わいを引き立て、他の地域のカツ丼とは一味違った魅力を放っています。このソースカツ丼は、日本遺産グルメ情報マガジンにも紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
会津観光も満喫!
このフェスティバルに関連して、会津の周遊スタンプラリーも実施されていたため、多くの参加者が会津観光を合わせて満喫したようです。
中でも有名なのは、市内にある会津さざえ堂こと「円通三匝堂」です。参拝者はこのお堂をお参りすることで三十三観音参りができるとされています。また、このお堂の特徴的な点は、上りと下りの通路が全く別々で一方通行の構造になっていることです。この構造により、たくさんの参拝者がすれ違うことなく、安全にお参りできるという、世界でも珍しい建築様式が採用されています。そのため、参拝者はまるで不思議な気分を味わいながら、心静かにお参りを楽しむことができます。
南会津郡下郷町の大内宿では、葉が色づき始め、秋の風情が広がり、多くの人々で賑わっていました。この地域は江戸時代に会津西街道の宿駅として栄え、旅の要所として重要な役割を果たしてきました。整然とした屋敷割や本陣、脇本陣など、当時の面影を色濃く残し、現在は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
街道沿いに並ぶかやぶき屋根の家々は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせ、訪れる人々にその時代の息吹を感じさせます。
日本遺産フェスティバルの魅力
なんといっても日本遺産フェスティバルの最大の魅力は、全国の日本遺産が一堂に会し、それぞれの地域の特色を生かした展示や体験が一つの場所で楽しめるところです。各地の歴史や文化、伝統が集まり、来場者はその土地ならではの魅力を感じながら、学びや発見を楽しむことができます。特に、地域ごとの特色あるブースや、地元の食文化を体験できるグルメコーナーは、大きな見どころです。
今回参加できなかった方も、ぜひ来年は参加して、全国の日本遺産が織りなす一大イベントを体験してみてください。きっと、新たな発見や感動が待っています。
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