「休暇が多いから」は面接NGフレーズではあるが
東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
複数の大学で、日本語教育、キャリア支援、日本人のアカデミックライティングなども担当しています。
就活の志望動機で、「休みが多いから」「給料が高いから」というのは絶対に言っていけないフレーズだとというのは、周知のことでしょう。
休みが多いから御社で働きたいと思いました、と言えば、休みがそんなに欲しければ仕事しない方が休みがあるよね、と言われてしまうのかもしれません。
なぜ休むのか。
それは、いい仕事をするためです。
自然の中で過ごす、家族と、友人と過ごす、趣味に没頭する…そして、仕事に向かう。
過労死するレベルで長時間働いて、いい仕事ができるでしょうか。
休みには、仕事のメールも着信音もオフにして、一切見ない。仕事から完全に離れてしっかり遊ぶ。
これが月曜から始まる仕事の英気を養うために不可欠であろうと思います。
また、仕事と無関係なことに没頭することが、仕事にアイディアをもたらすのです。
私の場合、これまでのさまざまな遊びが仕事に生きています。
一直線ではなく、回り道することが仕事にとっても重要なのではないかと感じます。
例えば、今、そろそろ夏休みが終わろうとしています。学生のみならず、教師にとっても、あ〜、夏が終わる〜ともの悲しく感じるものなのです。
いつまでに〜やって、いついつどこで〜という拘束から自由になれるのが休み。
でも、人間、いつまでも何もない状態でいるのは、物足りなく思うようになるのですね。
そろそろ学生たちに会いたいなあ。
授業に戻りたいなあ。
秋学期はどうやって鍛えてやろうか。
それは、休みがあったればこその、意欲なのですね。
休みを保証してくれる企業は、社員にしっかりとよい働きをしてもらいたいと考えているのだと思います。社員を大事にしているのだと思います。
そのあたりのことを、志望動機でも上手に伝えてみたら?と学生に言うのですが、内定を切望する学生は、皆が皆、言いませんね。
ま、それもしょうがないけれど。
休むこと、遊ぶことは悪であるというネガティブな思考、もうやめましょうよ。
仕事のために人生があるのではなく、仕事は人生にとって大切ではあるけれど、人生の一部に過ぎない、ということは、誰にとっても真理ではないでしょうか。