みんなの日本語第24課・文型分析まとめ(パワポ画面PDF付)
こんにちは【日本語教師になる】ももこです。
この動画は、日本語を教える人のための動画です。この動画では、日本語の教科書「みんなの日本語」の教材分析をします。文型を分析し文型に関する知識、注意すべき点などをまとめ、動画視聴後、適切な教案・教材が作れる知識を得ている状態を目指します。
今回は、「みんなの日本語第24課」をまとめます。
今回の動画は…
● 第24課の概要と学習目標
● 文型
① ターゲットの文型を確認する
② 授受表現ざっくり解説
③ ウチとソトを学習者に説明する
④ 各文型の解説
● この課でできる活動例
● 教師が知っておくべきこと
という内容でまとめていきます。
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みんなの日本語 第24課 概要と学習目標
●第24課の概要
・第7課で既習の物の授受表現「あげます/もらいます」に加え、この第24課で「くれます」を学習します。
・「あげます/もらいます/くれます」のうち、「くれます」は日本特有の文化的背景があるため、初級の学習者にとっては理解が困難な文型の一つです。
・1番、2番の文型は物の授受表現を、3〜5番は恩恵の授受表現を学習します。
・3〜5番は「あげます/もらいます/くれます」を補助動詞として使っています。本動詞「〜て」の部分によって、とるべき助詞が変わりますので気をつける必要があります。
これらを踏まえ、
●第24課の学習目標
・ものの授受について話すことができる。
・恩恵を与えたり受けたりしたことを表現できる。
このように教え方の手引きに書かれています。もう少し使用場面を想起させる学習目標としては…
・友達にあげるプレゼント、自分がもらったプレゼントについて話したり聞いたりすることができる。
・誰かにしてもらったこと、自分がしてあげたことなどについて話したり聞いたりすることができる。
などもよいと思います。
● 文型
① ターゲットの文型を確認する。
・この課で教える文型を確認します。
学習項目一覧でまとめられている文は、
このターゲットの文型を文法説明風に書くとこうなります。
1番と2番の文型は物の授受表現、3〜5番は「もらいます、くれます、あげます」を補助動詞として使い、恩恵の授受を表します。
1番〜5番それぞれ、主語と二格が物や恩恵の与え手なのか受け手なのか理解してもらう必要があります。また、受け手が私かそれ以外かにも注意を向けさせる必要があります。
5番「〜てあげます」は親しくない人、目上の人に対し直接使用すると、押し付けがましい印象を与え失礼になります。使い方の語用面での注意も必要です。
②授受表現ざっくり解説
各文型の解説をする前に、ざっくり「授受表現」について復習しましょう!
・第24課までに学習する「あげます/もらいます/くれます」は授受表現です。
「みんなの日本語」という教科書では授受表現を第7課、第24課、第41課の三回に分けて学習します。他の言語と違い、日本語は授受表現が複雑なため段階的に教えたほうがいいということなのだろうと思います。
・授受表現は文法用語で「ヴォイス」とか(態)と言います。=同じ動作を異なる立場から表現する形式です。
・授受表現は(使役:行かせる、受身:叩かれる)のように既にある動詞を変化させるのではなく、全く別の対応する動詞(あげます、もらいます、くれます)を使い立場の違いを表します。
・「あげます/もらいます/くれます」を単独で本動詞として使用する場合 (〜をあげます等の場合)は「物の授受」を表します。
・ 「あげます/もらいます/くれます」を補助動詞として使用する場合(〜てあげます等の場合)は恩恵の授受を表します。
・日本人は人間関係を重視しており、他者との関わりを恩恵の授受と捉えています。そのため、他者との交流において、授受表現の入らない文を冷たいと感じてしまいます。
例)🧐マイクが花子に英語を教えた。→😊マイクが花子に英語を教えてあげた。
と言いますし
🧐マイクがわたしに英語を教えた。→😊マイクがわたしに英語を教えてくれた。
と言います。
言われてみれば確かに、普段の生活で恩恵の授受を含む動詞を使う場合、補助動詞として「あげます/もらいます/くれます」を使っている気がしますよね。
学習者にとっても、日常生活でよく耳にするので、初級前半でマスターしたい表現です。
・日本語の授受表現は3パターンあります。(あげます系、もらいます系、くれます系)の3パターンです。授受表現が3パターンもある言語は珍しいそうです。
英語に訳すとgive=あげます/くれます receive=もらいます となりますが、「くれます」の理解が難しいようです。
「くれます」を理解するには日本人特有の「ウチとソト」という関係を知る必要があります。
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