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みんなの日本語第18課・文型分析まとめ(パワポ画面PDF付)

こんにちは【日本語教師になる】ももこです。この動画は、日本語を教える人のための動画です。この動画では、日本語の教科書「みんなの日本語」の教材分析をします。文型を分析し文型に関する知識、注意すべき点などをまとめ、動画視聴後、適切な教案・教材が作れる知識を得ている状態を目指します。

今回は、「みんなの日本語第18課」をまとめます。

今回の動画は
● 第18課の概要と学習目標
● 文型
 ① ターゲットの文型を確認する。
 ② 各文型の解説
● この課でできる活動例
● 教師が知っておくべきこと
という内容でまとめていきます。

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みんなの日本語 第18課 概要と学習目標

●第18課の概要

第18課では辞書形を学びます。辞書形を使った文型として
 ⒈ 〜ことができます。
 ⒉ わたしの趣味は〜ことです。  の2つの文型を学びます。
⒈ 〜ことができます。では同じ形でも「能力可能」と「状況可能」という、意味がちょっと違う2つの使い方を勉強します。

また、第18課では趣味の話題が出てきます。今さら趣味の話題がでてくるの、遅いんじゃないか?と思うかもしれません。確かに誰かと仲良くなる時って、趣味の話は確実にしますよね。ですから、毎度、引き合いに出している 「できる日本語」という教科書では、第1課で趣味についての話題が出てきます。ただし「旅行です」「読書です」「水泳です」のような名詞で言えるもののみに限って教えます。さすがに「私の趣味は〜することです。」という辞書形を使った言い方は難しいので教えません。でき日では、あらためて、第9課で「私の趣味は〜することです。」を学習するようになっています。と言うことは、趣味の話を2回に分けて学習することになり、思い出したり、関連づけたり、人によっては面倒かもしれません。
そう言う意味では1度でスッキリ趣味の言い方について学ぶことができる「みんなの日本語」は、教えるタイミングがちょっと遅い気がしますが、仕方がない…と言えるのかもしれません。

今回学習する辞書形ですが、これまでに学習した「て形」「ない形」の時と同様に、辞書形の活用を覚えられるよう、何度も言わせたり、フラッシュカードを使ったり、パターンプラクティスが必要になってきます。学校で用意がない場合、別途、フラッシュカードを作る必要があるかもしれません。

今回、辞書形のほか、「〜まえに、〜 」時間的前後関係を表す表現を勉強します。辞書形という「動詞」に注目した後に「〜まえに〜」という、文のつながりに目を向けてもらう必要があるので、話の持っていき方に工夫が必要です。

これらを踏まえ、   

●第18課の学習目標


・できること、できないこと、趣味について簡単に話せる。
・行為や出来事の時間的な前後関係が言える。
     …と、教え方の手引きには書いてありました。

「できること、できないこと、趣味について簡単に話せる。」でも、まあ、悪くはないのですが、もう少しだけ場面が想像できるような要素をくっつけてみましょう。

・知っている情報や見た情報をもとに、できることやできないことについて話すことができる。

こんな感じでどうでしょうか?

皆さんはどんな学習目標がいいと思いますか?「こんな学習目標を考えました!」という、みなさんからのアイデアも教えて欲しいです。ぜひ、コメント欄で教えてください。お待ちしています! 

● 文型

① ターゲットの文型を確認する。

この課で教える文型を確認します。 教える文型は練習Aにまとめられています。
学習項目一覧でまとめられている文は、
⒈ 辞書形活用表
⒉ ミラーさんは にほんごが できます。
         かんじを よむことができます。
⒊ ここで コピーが できます。
      きっぷを かうことができます。
⒋ わたしの しゅみは スポーツです。
            どうぶつの しゃしんを とる ことです。 
⒌ ねる まえに、ほんを よみます。

このターゲットの文型を文法説明風に書くとこうなります。

⒈ 終止形・連体形
⒉ <名詞>/<辞書形>こと が できます。 
⒊ <名詞>/<辞書形>こと が できます。 
⒋ 趣味は <名詞>/<辞書形>こと です。
⒌ <辞書形>/<名詞>の/<期間>まえに、〜

この課では、学習者は「辞書形」という新しい活用形を覚えます。辞書形は国語文法でいうところの終止形と連体形です。国語文法では後続の語が違うことから、終止形と連体形は別物であり、それぞれ「終止形」「連体形」と呼びます。でも、終止形と連体形は同じ形をしているので、日本語文法では「終止形」「連体形」を2つに分けず、まとめて「辞書形」と呼びます。

第14課のて形、第17課のない形の時も言いましたが、教科書ではあとで見返すことを考えて1番上のA―1番に活用表が掲載されています。教えるときは、いきなり「辞書形」の活用の話をするのではなく、先に場面設定とA -2番の文型の提示をしてから、「辞書形」の存在を示し、その上で、活用表の確認をしてください。

A―2、3、4番は「辞書形」を使った文型ですが、A―5番は辞書形のほか、「〜まえに」という前後関係を表す語にも注目してもらう必要があります。突然、勉強する内容がプラスされ学習者の混乱が予想されるため、うまく移行する必要があります。A-2、3、4の学習からさりげなく移行する流れを後ほど紹介します。

翻訳文法解説に「〜まえに〜」について解説されています。学習者が理解できない場合には参考に読んでもらうといいと思います。

② 各文型の解説

ここから、この課で学習する各文型について確認していきましょう。

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