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初級の授業準備を楽にしてくれる本 ①【日本語教師】

私「ももこ」は現在、法務省告示校の日本語学校で非常勤として働いており、初級から上級まで教えています。初級のクラスでは、「みんなの日本語」を使って日本語を教えており、日々、文型を分析し、どう教えたらいいか試行錯誤を繰り返しています。

その試行錯誤の過程で学んだ文型についての知識をまとめたものが、緑のサムネ動画「みんなの日本語文型分析まとめ」という動画になっています。

以前の動画で、「みんなの日本語」を使った授業案を作るとき、そして、緑のサムネの文型分析まとめの動画を制作するときに私が使っている本、厳選5冊を紹介しました。

以前の動画でご紹介した5冊は基本の「き」である、教える文型を理解するための本でしたが、今回はさらに一歩進んで、教える場合の授業のアイデアにつながる実践的な内容を多く含んだおすすめの本を紹介します。

今回紹介する本はこれです!

日本語教育のための文型コロケーションハンドブック 1,980円(くろしお出版)

残念ながら、案件ではありません。
が、日本語教育系の本はたくさん愛読していますので、出版物関係の案件お待ちしていますので、出版社関係の方が見ていらっしゃったら、ぜひご連絡ください。笑(なんちゃって!)

教案を書くためのアイデアが思いつかなくていつも困ってる!という方にとって、かなり参考になると思います。
上のリンクから購入できますので、ぜひ、即ポチで購入してください

では行きましょう!



日本語教育のための文型コロケーションハンドブック 1,980円(くろしお出版)

「みんなの日本語」の出版社は「スリーエーネットワーク」で、私はスリーエーネットワークの本をよく読むのですが、それと同じくらい読んでいるのが「くろしお出版」の本です。

くろしお出版の本は、知識を広く深くガッチリまとめてくれているコスパのいい本が多い印象で、頼りになる出版社です。

今回ご紹介する「日本語教育のための文型コロケーションハンドブック」も、かなりコスパがいい本です。

この「日本語教育のための文型コロケーションハンドブック」がどんな本かとういうと…

日本語初級を教える時に扱う93の文型に関して
① 基本的な意味と接続(ざっくりいい感じのまとめ)
② 日常で実際にどのような動詞と一緒に使われることが多いか
   (コーパスデータからのランキング)
③ 日本語の教科書ではどんな動詞と一緒に提示されていることが多いか
   (教科書上のランキング)
④ ②と③を踏まえて作られた例文の紹介
   (板書計画のアイデアになる)
⑤ そのほか、文型に応じて知っておいた方がいい情報
   (教える時の注意点とも言える)
がまとめられています。

で、それらを読んだら何がわかるかって?
その文型を教えるときに優先で教えたい動詞との組み合わせがわかるので、例文を作るのが楽になるんですよ。

理解させるための効果的な例文って、考えるの大変じゃないですか?それが一発でわかるっていうわけです。
しかも使用実態まで反映させて例文の例まで提示してくれる…至れり尽くせりです。

文型の使用実態がわかるので、学習者に伝えるべき注意点も自ずと見えてきます。
もちろん、そのまま自分の学習者に教えられるわけではないですが、調整するもとの部分を本から得られるので、授業準備で使う脳のリソースがかなり節約できます

例えば…

「〜たほうがいい」前に来る動詞(コーパス)
1位 する
2位 やめる
3位 行く
4位 言う
5位 考える

日本語教育のための文法コロケーションハンドブック

このデータを見ればすぐに
早く宿題をしたほうがいいですよ。
タバコはやめたほうがいいですよ。
病院に行ったほうがいいですよ。
この3つを教えてはどうか?というアイデアがすぐに浮かんできます。

文型によっては、例文とともに「この言い回しはよく使うので、そのまま覚えるよう伝えた方がいい」などのアドバイスや、「この文型は、読む、書く、話すなどの、言語に関する動詞と使われることが多い」のようなアドバイスとも取れる分析結果が書かれています。

これらの分析は莫大なコーパスデータからわかったコロケーションであり、数字から導き出された、裏付けのあるアドバイスなのです。

これまで悩んでいた授業準備の闇に、一筋の光が差し込んでくる感じがしませんか?

さらに、こんなところもすごい!という例を挙げると…

「⑤ そのほか文型に応じて知っておいた方がいい情報」なんですが、この部分がすごくいいんですよ。
例えば!

「のだ・のです」の後ろの形
「〜んです」の後ろ
  +が=    「〜んですが」63.5%
  +けど=「〜んですけど」26.2%

  +けれど=「〜んですけれど」1.2%
  +けれども=「〜んですけれども」9.1%

「〜のです」の後ろ
  +が=「〜のですが」96.7%

「〜んだ」の後ろ
  +が=    「〜んだが」16.3%
  +けど=「〜んだけど」75.7%

「〜のだ」の後ろ
  +が=    「〜のだが」88.6%
  +けど=「〜のだけど」4.7%

日本語教育のための文法コロケーションハンドブック

この分析結果から、どの組み合わせを優先的に教えるべきか、一目瞭然ですよね!

もう一つ例を挙げます。

「〜ておく」の3つの意味
・準備(米を炊く前に水につけておく)
・効果持続(この単語は覚えておきたい)
・放置(そのままにしておく)

この3つがどのような割合で使われているかが書かれています。

・準備(米を炊く前に水につけておく)35%
・効果持続(この単語は覚えておきたい)46%
・放置(そのままにしておく)19%

日本語教育のための文法コロケーションハンドブック

そこそこ全部大事じゃん!ということが、数字からも実感できました。

これらはあくまで一例です。
こういう自分じゃできない分析も含めて、ご丁寧に文型93個分もやってくださってるんですよ!
信じられますか?
これがたったの 1,980円 買わないと後悔します。
授業準備を楽にしたい人は即ポチしてください。

ちなみに、93の文型は以下の通りです。

あいだ /う・よう /うちに /お~する(謙譲語) /お~になる(尊敬語) /終わる・終える
か /が /かもしれない /から /けど /ことがある /ことができる /ことにする /ことになる
させる・せる /し /ず・ずに /すぎる /そうだ(伝聞) /そうだ(様態)
た後・た後で /たい /たことがある・たことがない /たほうがいい /たまま /ために(目的) /たら /たり /だろう /つつある /続ける /つもり /てあげる /てある /ていく(時間的用法) /ていただく /ている /ているところだ /ておく /てから /てください /てくださる /てくる(時間的用法) /てくれる /
でしょう /てしまう /てはいけない・てはいけません /てほしい /てみる /ても /てもいい /てもらう /
てやる /と /と思う /とき(~るとき・~たとき)
な/ないか/ないで/ないでください/ながら/なくて/なくてもいい/なければいけない・なければならない/なさい/なら/にくい/にちがいない/ね/のだ・のです/ので/のに
ば/始める/はず
前・前に/ましょう/ましょうか/ませんか/まで・までに/みたいだ
やすい/やむ/よ/ようだ/ようにする/ようになる/よね
らしい/られる・れる(受け身)
形容詞+て+動詞/命令形

くろしお出版HPより

👆の文型を教える前に読んでおいたら準備が楽になりますよ〜!

次回予告

そのほか近いうちに👇の本も紹介したいと思います。
この👇の本も素晴らしく授業準備を楽にしてくれます。

 おたすけタスク初級日本語クラスのための文型別タスク集 3,080円(くろしお出版)

イメージでわかる!日本語の助詞 1,760円(株式会社アスク)



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