日本で見つけたフランス#2 | パイオニアとして活躍する女性映画監督の映画イベント
『日本で見つけたフランス』シリーズ第2弾!
今回は、一昨日より開催の「フランス映画を作った女性監督たち――放浪と抵抗の軌跡」という映画イベントを紹介します!
現在、フランスには素晴らしい映画監督が大勢いますが、昔から女性監督たちがフランス映画のパイオニアだったことは、初耳です🦻
女性ならではの視点で作った数多くの映画作品が上映されるので、ぜひ足を運んでみてください!
フランス映画を作った女性監督たち
――放浪と抵抗の軌跡
VAGABONDES : CINEASTES ET FRANCAISES Histoire décadrée du cinéma français des pionnières aux nouvelles venues
🏢上映期間・場所
2022年3月15日〜2022年3月27日
国立映画アーカイブ2階 長瀬記念ホール OZU
(〒104-0031 東京都中央区京橋 3-7-6)
※国立映画アーカイブは、2018年に設立された日本唯一の国立映画専門機関です。その歴史は1952年に遡り、国立近代美術館の映画事業から発展・拡充しました。
🎬監督別 上映日程
1 Alice Guy
『アリス・ギイ作品集』50分
無声映画13作品を上映します。
3/15(火) 15:00〜
3/25(金) 19:00〜
Alice Guy (アリス・ギイ)は女性初の監督・脚本家です。1895年にパリでリュミエール兄弟の映画事業に携わり、翌年に初の映画 « La fée aux choux » を発表しました。その後、アメリカに渡り映画スタジオなどを設立した、まさに女性映画監督のパイオニアです。
<Alice Guyへのインタビュー音声>
<Alice Guy の生い立ちなど>
2 Sophie Letourneur
« Énorme » 奥様は妊娠中 101分
3/15(火) 18:10〜
学生時代から制作活動をしてきたSophie Letourneurは、2004年に初めての短編映像を出して以降、映画を作り続けています。2009年には、フランスのBelfortで開催された映画祭で受賞をしている注目の若手監督です。
今回上映されたÉnorme は、Youtubeに予告映像が載っていました!
3 Marie Epstein
➀ « Hélène » 美しき青春 109分
3/16(水) 15:00〜
3/20(日) 15:00〜
➁ « Le Double Amour » 二重の愛 107分
3/20(日)12:00~
3/25(金)16:00~
家族も映画関係の仕事をしていたことから、映画に興味があったMarie Epsteinは、1923年より映画製作の仕事を始めました。兄とも映画を作っており、« La Maternelle » は最も有名な映画になっています。
4 Jeanne Moreau
« L’adolescente » ジャンヌ・モローの思春期 94分
3/16(水)18:20~
3/26(土)12:00~
映像関係の学校に通っていたJeanne Moreauは、1947年にアヴィニョンで開催された映画祭にてデビューし、Comédie Française(国立劇団)に入りました。彼女は、l'Académie des Beaux-arts(フランスの美術団体)に加入した初めての女性でもあります。
Jeanne Moreauに関する記事
5 Euzhan Palcy
« Siméon » シメオン 110分
3/17(木)15:00~
3/27(日)17:00~
Martinique(マルティニーク・フランス領)で生まれ、14歳のころから映画に携わることを夢見てきたEuzhan Palcyは、ソルボンヌ大学などで勉強し « Rue Cases-Nègres »という映画で成功をおさめます。彼女は、初めてセザール賞を受賞した女性です。
<Siméonについて語るEuzhan Palcy>
<Euzhan Palcyへのインタビュー>
6 Nicole Vedrès
« Paris 1900 » パリ1900年 83分
3/22(火)15:00~
3/27(日)12:00~
ドイツで法律と文学を勉強したあと、Nicole Vedrès はフランスに戻りエッセイなどを執筆していました。1947年より映画監督として« Paris 1900 »を発表しました。この作品は、第一次対戦や文化・政治の変化の真っ只中にいた、1900年から1914年のパリの日常を描いています。
<Nicole Vedrèsへのインタビュー動画>
7 Jacqueline Audry
« Olivia » オリヴィア 96分
3/18(金)18:20~
3/27(日)14:30~
芸術の学校で学んだJacqueline Audryは、アシスタントとして働きますが、姉のColette Audryに大きな影響を受け、小説を映画化します。
今回上映する« Olivia » は、イギリスのDorothy Bussy の小説を題材にしており、l'homosexualité féminine (女性同士の恋愛)をテーマにしています。
そんな彼女は、1963年のカンヌ国際映画祭で女性初の審査員を務めました。
<Oliviaの予告動画>
8 Musidora
① « Pour Don Carlos » ドン・カルロスのために 80分
3/19(土)15:30~
3/23(水)18:30~
② « Soleil et Ombre » 太陽と影 53分
3/19(土)13:00~
3/24(木)15:00~
Musidoraは幼い頃から文学に興味を持ち、家族の支援を受けて芸術の学校で学びました。1915年には、« Les vampire » という映画に女優として出演し、一躍有名になります。
さまざまなな活動をしましたが、憧れのスペインに移住し、映画を数作作製しました。今回上映する« Pour Don Carlos »は、スペイン在住中に作製した映画の1つです。
<映画Les Vampireの一部>
9 Germaine Dulac
① « La fête espagnole » スペインの祭り 26分
3/19(土)13:00~
3/24(木)15:00~
② « La souriante Madame Beudet » 微笑むブーデ夫人 43分
3/19(土)18:00~
3/24(木)18:20~
10 Marie Louise Iribe
③ « Le Roi des Aulnes » 魔王 54分
3/19(土)18:00~
3/24(木)18:20~
ダンスや音楽などを学んだGermaine Dulacは、しばらくジャーナリストとして働き、有名人のインタビューや映画の批評をするうちに、映画に興味を持つようになりました。1915年に映画制作会社を立ち上げ、初の映画を発表します。
<Germaine Dulacに関するビデオ>
10 Céline Sciamma
« Bande de Filles » ガールフッド 113分
3/18(金)15:00~
3/22(火)18:00~
2004年に映画製作をはじめ、2007年のNaissance des pieuvresにてデビューすると、この作品がカンヌ国際映画祭に正式出品されました。セザール賞にも何度もノミネートされています。今回の« Bande de Filles » は2014年に発表された作品で、思春期のジェンダーとアイデンティティを材料にしています。
<Bande de Fillesの予告動画>
11 Mia Hansen-Løve
« Un Amour de Jeunesse » グッバイ・ファーストラヴ 110分
3/17(木)18:10~
3/23(水)15:00~
もともとは女優でしたが、短編映画作製にも挑戦し、2007年に長編映画« Tout est pardonné » を発表します。女性ならではの視点で書かれた恋愛映画などで数々の受賞をしている注目の監督です。
< Un Amour de Jeunesse の予告動画>
<カンヌ国際映画祭2021年にてノミネートされた映画>
12 Agnès Varda
« Sans toit ni loi » 冬の旅 105分
3/26(土)15:00~
ベルギー生まれのAgnès Vardaは、写真について勉強した後、映画作製にうちこみました。
今回上映する« Sans toit ni loi »は、1985年にヴェネチア国際映画祭でLe lion d'or(金獅子賞)を獲得した作品です。
惜しくも2019年に亡くなってしまいましたが、フランスのヌーベルヴァーグに多大な影響を残し、他にもセザール賞やベルリン国際映画祭での受賞など輝かしい功績を残しています。
<Agnès Vardaに関する動画>
🎫チケット
必ず前売指定席券を購入する必要があります。
<チケットぴあで買う場合>
チケットぴあにて翌週分のチケットが販売されるので、希望のチケットを購入します。
<セブンイレブンのマルチコピー機で買う場合>
Pコード:551-949を入れて購入します。各回の1時間前まで受付。
<料金> 別途手数料がかかります。
映画のみの場合
一般:520円
高校・大学生・65歳以上:310円
小・中学生:100円
障害者(付添者は原則1名まで):無料
キャンパスメンバーズ・未就学児・優待:無料
(*手数料のみかかります)
生伴奏付上映の場合♪
一般:1,050円
高校・大学生・65歳以上:840円
小・中学生:600円
障害者(付添者は原則1名まで):無料
未就学児・優待:無料
(*手数料のみかかります)
キャンパスメンバーズ(教職員):500円
キャンパスメンバーズ(学生):400円
🎬🎬🎬
多くの女性監督がフランス国内のみならず、世界で活躍し、パイオニアとして新しいものを作り続けているのですね!残念ながら、会場は東京のみになってしまいますが、お仕事・学校帰りや休日に足を運んでみてはいかがでしょうか?
紹介した監督の生い立ちなどを思い浮かべながら、映画を見るのもとても興味深いですね🤔
🎬🎬🎬
🎵おすすめ楽曲🎵
今回ご紹介した「フランス映画を作った女性監督たち――放浪と抵抗の軌跡」の映画イベントにおける上映作品のひとつ、
Euzhan Palcy (ユーザン・パルシー) 監督による『 « Siméon » シメオン』にて流れる楽曲からおすすめを選びました!
Edit Piaf(エディット・ピアフ)の「Hymne à l'amour (愛の讃歌) 」をご紹介します!
この楽曲は、以前ご紹介した「La Vie en rose(バラ色の人生)」と並ぶエディット・ピアフの代表作として知られています✨