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空港でスーツケースが破損/紛失したとき、補償してもらう方法

先ほど、新しいスーツケースが届きました!
支払いはたったの24ユーロ。
大型の新品の布製スーツケースです。

実はマラガに行く往路、スーツケースの延ばす把手(名前は何?)が壊れてしまったのです。
空港で預けるまではOKだったのに、到着して荷物を受け取り、引きだそうとしたら出てこない!
無理やりも、微妙に角度調整しながら、でも全く動きません。

みなさんはこういうときどうしますか?
諦める・・・?

私は、今年もすでに8回(8区間)飛行機に乗り、来年も10区間以上を予定しています。(2回タイ、1回日本、乗り継ぎ便でー!!)
旅行会社に勤めているときは、月5日以上がマストで(残りの日は企画販売)、毎月添乗に出ていました。
学生のころもよく海外旅行をしたし、多分今までのフライトは200回じゃきかないと思います。

そんな私なら、まず荷物受取エリアで乗った航空会社のカウンターを探します。
今回のマラガは小さな空港なので、会社名がずらりと書かれて、2つくらいのカウンターで全社を対応していました。

そこで「壊れた!」と示します。
荷物タグの半券を見せ、名前や連絡先などを伝えると、PIR(Property Irregularity Report)を作ってくれます。
今回は直接運行会社じゃなかったので、それを作ったうえで、「この番号を伝えて、写真とともに、このメールアドレスに7日以内に連絡してください」と言われました。

なくなって分かる有難みというのはよくあるもんで、このときほど、この把手の重要性を実感していませんでした。
滞在先までの歩道が欧州ありがちなでこぼこ舗装だったし、駅から10分大変だった!!

写真じゃ、この把手が出てこないことが分からないと思い、動画も取っておくりました。
何度かのメールやりとりの上、今日うちに来たスーツケースのサイトを見せられ、私の負担24ユーロで、このスーツケースが買えますが、どうしますかということになりました。
スーツケースはそのサイトでは120ユーロだったので、96ユーロ分の非を認めてくれたことになります。

先に振り込めというので、「詐欺じゃないの?! 会社に取りに行くよ」というと、「どうぞ。住所はここ(空港内)で、時間はいつからいつまであいています」と言うので、信じることにして24ユーロ振込。
すぐに発送の連絡があって、今日に至ります。

多分、旅行系の物販と取引があるので、実質会社の負担はもっと安いでしょう。
さらに言えば、航空会社も保険に入っているから、マイナスにもなっていないかも。
保険会社も物販会社も航空会社も顧客も喜ぶ、四方一両得?!

そもそも壊されてしまったスーツケースは、ルフトハンザ航空で車輪を折られ、壊れたのを送ったら、なぜか新しいのが弁償として届いた、というものでした。
つまり、最初の壊れたのを買って以来、20年くらいで、また新しいのを入手!

他のものなら経年劣化とかもあるし、購入年数とかで免責になるかもしれないけど、スーツケースをいつ買ったか、どれぐらい使っているかなんて証明のしようがありません。
だから、年数とか頻度を聞かれることはありません。
補償額を決めるために、メーカーを問われることはあります。

夫は「もうこのまま新しいのを買わないで、このままずっと交換していってもらえるんじゃないか?!」と驚いていました。
わらしべ長者ならぬスーツケース長者です。
そして、「君は旅行業界にいたから知ってるけど、普通の人は知らないよね?!」というので、noteで顛末を書き、他の方も何かのときに対応できるようにしようと思ったのです。

夫のいうように「スーツケース長者」になれるかどうかは分かりません!
というのは、私が頻繁に乗っていたころ(日本発着)は修理が主流だったから。
それこそ何度か修理してもらったものです。
どうしても修理できないようなダメージの場合は、新しいものが提供されることもあったようです。
日本ではその技術があるからなのか、ドイツでは修理が高くつくからなのか分からないけど、毎回新品ゲット!とならない可能性はあります。

それから、LCCだと場合によって、最初から補償対象外となっている場合があります。
先日乗ったタイガーエア(台北発)は、重さを量ったら23キロで、3キロオーバーだったので、免責にサインしろと言われました。
つまり、それで壊れても、航空会社のせいじゃなく、自分のせいだということです。

あとは海外の空港だと、やりとりを英語でするのはハードルが高いということも、団体旅行だから時間がない(添乗員がいれば、添乗員がやりますが、「出口で係員がお待ちしております」スタイルとかで・・・)ということもあるかもしれません。
(この場合、同じグループの人がいたら伝言を頼むなどした方がいいです。
いなければ、緊急連絡先などに連絡。無連絡だとおいていかれるか、係員がとても心配して大変です)

でも、もし賠償してほしいなら、荷物受取場でこのレポートを絶対に作らないとなりません。
家に帰ってから、故障に気付いたというのは対象外になります。
添乗しているころは、まずお客様に「荷物の破損を確認してください!
あとからは賠償されません!」とアナウンスしていました。


さてさて、壊れるのはしょうがないと思ってあきらめる人は多いでしょうが、もし紛失してしまったら?!
それでもPIRを作成することになります。
それこそ、何度も飛んでいれば、「ロストバゲッジ」なんて日常茶飯事です。
私も自分自身だけでもそろそろ両手を超えるくらい経験があるし、お客さんのケアなら足の指を入れても足りません。

このとき、出てきたら送ってもらう滞在先や自宅を知らせるだけじゃなく、旅行であれば、1日あたりいくらかの賠償金が出ます。
まあ、賠償というか、歯ブラシとか下着とか最低限必要なものを購入するお金で、昔は1日50ドルくらい出ていたんだけど、最近はどうかなあ・・・
でも、これも交渉しないと出てきません。
だから、「荷物にこれこれが入っていて、ないと不便! 買いたいからお金頂戴!」と言わないとならないのです。
もちろんこれは数日後に出てくる場合で、出てこない場合は別の補償になります。

荷物のタグの半券は、昔は成田でも出口で照合してくれたけど、今はどこでもやってない。
それなら要らないじゃないかと思うけど、実はここで必要なのです!
だから、無くさないようにお気をつけください。

そういう意味で、言葉に自信がない人、フルサービスを受けたい人は、LCCでない、日本の航空会社、JALとかANAを使うのは金銭に見合った価値があると思います。
日系の会社は外国の空港でも、必ず日本人スタッフをベルトコンベアに一人配置します!
すごいよねー、日本のサービス。
感激ものです。

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