【ドイツの中学校】政治経済の授業で模擬選挙
今日、ドイツではEuropawahl(EU議会選挙)が行われ、選挙権のある夫も朝から選挙所である娘たちの通った幼稚園に行っていた。
ちなみに私は国籍は日本のままで変えていないので、永住権はあるけど、選挙権はない。
ドイツ では欧州議会の 720 議席中 96 議席を占めていて、まだ開票結果は出ていないが、事前調査では上記の表のようになっていた。
現在のオラフ・ショルツ率いる連合内閣は、SPD(ドイツ社会民主党)、Grüne(緑の党) FDP(自由民主党)からなっているが、Union(連合)となっているCDU(ドイツキリスト教民主同盟)、CSU(同、バイエルン州での呼び名)が票を伸ばしている。
今の政権に満足していないことの表れだろう。
ドイツは党政治が機能していて、アンゲラ・メルケル元首相はCDUで、その反発でSPDが今回政権をとっている。
ちゃんと国民の声が反映されている政治だ。
その基盤を作っているのが教育だと実感した。
というのは、数日前に次女(7年生、中2相当)が、
「今日、PoWi(Politik und Wissenschaft/政治経済)で選挙したんだよ」
と話したから。
この欧州議会選挙と同じ、ながーい投票用紙が配られ、ちゃんと見えないようになっている投票スペースで記入し、投票箱に入れたという。
但し、事前にどこの党がどんなことを言っているかの説明はなかったそうなので、娘は友達と「どちらにしようかな、天の神様のいう通り」(Ene, mene, miste, es rappelt in der Kiste…)をして、決めたと言っていたw
そしてさっき、学校のEラーニングプラットフォームに結果がアップされていた!
7年生は授業の一環として全員、その他は13年生(高校3、4年生相当)まで任意の参加で合計614人が投票したという。
もちろん、実際の結果とは違うが、CDUの得票数が高いのは興味深い。
そして、こちらがジュニア選挙の結果。
なんと、うちの子の学校だけの取り組みじゃなく、ドイツ全土の多数の学校が参加している。
その数約1450万人!
(右側の薄い色が前回の数値。例えば、緑の党は25パーセント減になった)
実際の事前調査と比較してみると、(大人-生徒 の順、パーセント)
となっていて、かなりいい線を行っている!
恐らく家庭でも政治の話が出て、子どもたちもそれなりに意見を持っていることの現れだろう。
ちなみに「ドイツのための選択肢」は、極右政党。
ドイツのために選択するってことは、外国人いらんとか、EUへの出資止めってことやんというポリシー。
日本でも中学3年生で公民があり、政治の仕組みなどについては学ぶ。
また、生徒会など選挙自体も経験するし、先生によっては、模擬選挙を授業で取り入れることもあるかもしれない。
しかし、日本全国の学校でこのような取り組みをしているだろうか。
また、行ったとして、大人の結果と似たような数値が出るだろうか。
内容の薄っぺらい日本のマニフェストとは異なり、ドイツは各政党がごっついものを作る。
紙でも配布されるし、ホームページでも確認できる。
固定層もいるが、典型的な浮動票の無党派の人も一定数いて、マニフェストで、政党を選ぶ。
選ぶためのサイトもあるらしい。
(質問がいくつかあって、答えていくと、「あなたの希望にあうのは、この党です!」というようなやつ)
日本は結局「おかみ」が決めるから、自分は何もできないという精神のままで、本当の意味で民主主義にはなっていないんじゃないかと思う。
せっかく板垣退助とかが自由民権運動してくれたんだけどね。
ドイツの教育のよいところをもう1つ見つけたEU選挙だった。
(マンガ「サチの黙示録」的にいうと、ドイツに1点加点!)