
【対照言語】人差し指を何に使うか分かる言語学
「コミュニケーション概論」の授業が昨日終わり、今日はレポートに着手しています。
複数のテーマから選べたので、私は文化との絡みを選んで、一人称、二人称から見た文化的なコミュニケーションから論じてみてる。
つまり、英語はIとYouしかないけど、ドイツ語の二人称は親称Duと敬称Sieがあるとかってハナシ。
欧州系言語は英語以外みんなそうかと思ったら、北欧語とラテン語も二人称は1つしかなかった。
ドイツでは、同僚などははじめ敬称Sieで話す。
最近は会社などでもアメリカ的に、Duで行こうぜ!というところも増えているが、Duはファーストネームで呼び合う間柄、Sieは「苗字+さん」の感じだ。
中学まではDuで、高校からSieになって、今までミヒャエルって呼ばれていた先生に「Herr(Mr)シュミット」とか言われて感動したっていう話も聞いたことがある。
反対に、今までSieだったけれど、「私たち、もっと仲良くなりましょう」となると、Duになった日はお祝いをしに行くほどだったとか。
年上から提案されるまではDuと呼んではいけないと私たち世代は習った。
ま、今は昔で、今は大分フレンドリーだけどね。
かいつまむと、アジアは「私」も「あなた」もバリエーションがあるところがある。
お隣韓国などは日本に準じてたくさんある。
タイは男性と女性で一人称が異なる。
アラブやインドネシアなどは、敬称を男女で分けていた。
欧州が常に「自分」は1つなのに対し、アジアは自分を相手によって変える感じがある。
「自分」は1つでも、相手に親称敬称を使い分ければ、十分にリスペクトを示すことができるのだ。
英語はもちろんとってもシンプルで楽だけど、欧州系言語も悪くないと思う。
アジアの方が複雑なコミュニケーションだよね。
ひどいのは日本www
そんな中でノンバーバル言語も取り上げようとした。
「私」を示すのに、日本人は鼻を指すのがおかしいと言われるからw
タイでは人を指で指すのは失礼で、あごで指すと読んだ。
日本でもドイツでも指で指すのは失礼だよね。
でも、あごも失礼ww
そんな話をしてたら、夫が「アフリカは唇で指すところがあるよ!」とw
いかりや長介は指しやすいことだろう!
ところ変われば、色々な文化があるものです。
色々調べているうちに、そもそも「指す」の「指」に興味がわいた。
日本語では「人差し指」っていうのに、人を指しちゃいけないんだよ!
レポートは文字数もういっぱいなので、ここに書きたい。
ドイツ語
人差し指はZeigefinerという。
zeigenは英語のshowと同じ、指し示すこと。
だから、「指し指」!
英語
Index fingerというらしい!
知らなかった。
インデックス、索引を指でずらずら辿るから?
後付けな感じがする。
First fingerとも。
ドイツ語もそうだけど、親指はThumb(サムズアップのサム)と、別の言葉だから、第一の指なのだろう。
Pointer fingerは「指し指」と似ている。
オランダ語
Wijsvinger。
Vingerが間違いなくFingerでしょう。
古語ドイツ語が現代ドイツ語と、北欧語、オランダ経由の英語になったんだけど、その変遷の中で、ドイツ語のVは英語でFになっていることが多い。
例えばご存知フォルクスワーゲンはVolkswagen。
Volkは民衆、Wagenは車。
英語ではフォルクローレ(folclore)民族音楽に言葉が残っている。
で、肝心のWijsは方法、種類。
??と思ったけど、Wikiを見ていたら分かった。
(多言語を調べるのに、Wikiを使っています)

Wijsは名詞じゃなくて、wijzenという動詞なのでしょう。
(ちなみに1行目は、「Der Wijs-finger ist der zweite Finger von der Meschen Hand/Wijs指は人の手の2本目の指である」じゃないかな。
ドイツ語と英語ができると、オランダ語は簡単らしい。)
それを蘭独で調べたら、weisen証明する、zeigen指し示すということで、こちらも「指し指」で確定。
デンマーク語、ノルウェー語
PagefingerまたはPekefinger。
pekeは英語のPointなので、こちらも「指し指」。
フランス語
ラテン語系に行きます。
なんと、その名も「Index」。まんま~!!
かっこ書きで(anatomie)と入ってますが、杉田玄白先生の「たあへるあなとみあ」と同じですね。
アナトミーは解剖学。
つまり、身体にまつわる言葉ということ。
英語はこっちから来てることが判明。

スペイン語
Dedo índice。
índiceがインデックスくさい雰囲気を出してるぞ!
Dedoは指。
それから辞書にZeheも載っていた!
ドイツ語のZeheは足指のこと。
つまり、スペイン語は足と手の指は日本語同様同じ名前!
なんでドイツ語では呼び分けてるんだろう。
他の言語も調べたいけど、まあ、また今度。
índiceが、案の定インデックス、目録。
多分ラテン語自体がインデックスなんだろうと思ったらビンゴでした。

ポーランド語
スラブ系に行きまして、ポーランド語は、Palec wskazujący。
Palecが指、足指!
wskazującyは、直接訳語がなく、wskazicielで調べると、指示、命令。
おー、あれしろこれしろって。
まあ、指し指だけど、面白いから「命令指」。
トルコ語
İşaret parmağı。
İşaretが描く、サインする、parmağıが指。
「描き指」
なかなか芸術的です。
中国語
お隣中国は、「食指」。
面白い!
さすが食の国。
食べるのに使うのです!
韓国語
韓国は「집게손가락」。
後半3文字が「指」だそうで(長いな、おい)、前半2つの意味は「トング」!
焼き肉食べたい感じ?!
まあ、いわば「挟み指」。
タイ語
นิ้วชี้/níw chíi。
นิ้ว/níwが指、ชี้/chíiが指す。
ベトナム語
Ngón trỏ。
Ngónが指。trỏはポイント。
「指し指」グループにようこそ!
大きくわけて、ゲルマン系、スラブ系、アジア一部の「指し指」グループとラテン系「索引指」グループ、その他に分かれることが分かりました。
世界中の言語を調べて、地図で分布作りたいなあ!
普段何気なく使っている言葉の中にも、こうやって見ると文化が隠れている。
今一番ホットな学問じゃないですか、対照言語学!(私だけ?)
もし、もし修士を取るなら、絶対対称言語学にする!と思う。
でも、レポートもそうだけど、論文って参考文献とかが面倒なんだよね。
Wikiは参考文献にしちゃダメって言われるとさw
次は「足の指」問題(「この「Finger/指」、ぶつけた」ていうと、「それは、Fingerじゃないよー」って笑われる問題)にも取り組んでみたいと思います。