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【日本語授業より】ポストカードの書き方から知る日本
大学で使用している教科書はGenkiで、第6課読み書き編に葉書が登場する。
今どき葉書を書くかなあという疑問もあるけれど、活動としては面白いので取り上げ、実際に葉書を書いてもらうことを宿題とする。
(評価をするのが大変なので、点をつける宿題はゼメスター中にプレゼンテーション2回と書くもの2回だけ)
今回は例年になく、お手製のものや実際のポストカードがたくさん提出された!
時間をかけてくれたことがうれしい。
(かけてなくてもいいのだけど。点数はフェアに)
登録より人数の減りも例年より多いものの、残っている人はみんな力もあって、やる気もある!
来ゼメスターで、この上位クラスを持つので、続けてくれるなら引き続き私のクラスだよ!
英語を習ったときも、確かに手紙の書き方というようなのが出てきた。
葉書や手紙は書かないかもしれないが、ひょっとしたらちょっとしたメモを書くことはあるかもしれない。
なので、エッセンスとして知っておくのはいいと思う。
日本語の手紙類で一番の大きな特徴は敬意の表し方だと思う。
普段「太郎」とか「たろうくん」と呼んでいても、手紙の宛先では「山田太郎様」のように「様」をつけることが普通だ。
しかし、文中では、また「太郎君、お元気ですか」としてもいいので、まあ形式的と言える。
また、自分の名前は縦書きなら下ぞろえ、横書きなら右ぞろえで書くというのも、相手を上として立てる行為だ。
これは授業中に言ったはずなのに、それでも上や左に書く学生がいる。
そう慣れているのだろうけど、だからこそ「違い」を知ってほしい。
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日づけの表し方も学習済ではあるけど、年、月、日の順番を再確認。
もちろん住所や姓、名の順の名前の書き方も確認する。
縦書きの場合、数字は原則的に算用数字ではなく漢数字を用いる。
特に住所を書くときに「1-1-1」を縦で書こうとすると、何がなんだか分からなくなってしまうが、漢字を使えばすぐに分かる。
まあ、マイナス記号の代わりにカタカナの「ノ」を用いるという方法もあるけど。
でも、横棒は縦書きのときは縦にひくというのを確認しておかないと、カタカナの伸ばす音も、横書きのまま書く人がいる。
(今回も注意したのにいた!!)
それから、私に書いてねという指定なのだけど、呼称が「さん」になっている人もいる。
自分に「先生」をつけてというのは口はばったいのだけど、いつか他の先生に対しても「〇〇さん」と言うのを避けるためにも、教員には「先生」をつけるというのを理解、実践してほしいと思う。
授業中に理由を合わせて注意事項を説明して(しかもドイツ語)の宿題なんだけど、誤りがあると、私の説明がいけなかったんだろうなあと反省する。
もちろん、ちゃんとできている人もいるのだから、理解力の差なのかもしれないけど、どんな相手にも理解してもらえるように説明するべきだと思う。
添削をして返却したけど、実際にそれを見て気付くかどうか。
多分気付く人は最初から誤りをしない人だろう。
一応、授業でもう一度注意点を伝えるつもりだけど・・・
基本的に私の今のスタンスは間違ってもいいから、どんどん行け!なので、細かな誤りは直さないようにしている。
それでも、相手に敬意を示すといった日本の神髄に通じるところは、これからもずっと出てくる。
第一課から「お名前は?」「私の名前は・・・」って出てくるんだから!
なんで聞くときは「お」をつけて、答えるときにはつけないのというから、ずーっとつながっているところだ。
言語を通して、ぜひ文化や気風を知ってほしいと思う。