私の嫌いな国語単元/光村図書
夏休み。
朝から中1の次女が音読の宿題を毎日している。
ちょうど単元が「大人になれなかった弟たちへ」。
毎朝、毎朝、憂鬱な気分になる。
この話の嫌いなところはたくさんある。
弟の食べ物はそれしかないと分かっていて、配給の粉ミルクを飲んでしまう「僕」。
もちろんそこまで飢餓的になっている状況。
疎開の相談に行ったのに、食べ物をねだりに来たと思われて、むかついて帰ってしまう母。
そんな母を「僕たちを守ろうとしている」と勘違いしている「僕」などなど。
もちろん戦争自体もいやだ。
もう補習校では教えていないが、日本人家庭の子女の国語授業はしているので、海外子女財団採用の光村教科書とは縁が切れない。
通常の教科書は、各自治体が決めているが、日本人学校、補習校などの海外の学校、日本から赴任する人、外地に住んでいて補習校などに通っていない人の教科書は、自治体がないために海外子女財団が取り扱っている。
そして、その財団指定が光村図書。
満遍なくどの学年にも私の嫌いな話が乗っている・・・
小1「ずっと、ずうっと、大すきだよ」
飼い犬が死ぬ。
小2「スーホの白い馬」
飼い馬が死ぬ。
欲を出して、競馬なんかに出なきゃよかったのに。
小3「ちいちゃんのかげおくり」
戦争で家族全員死ぬ。
小4「一つの花」
出征する父親のためのおにぎりを全部食べてしまう娘。
それを与えてしまう母。
父親は戦争で死ぬ。
「初雪のふる日」も好きじゃなかったけど、マシになってきた。
小5「やなせたかし-アンパンマンの勇気」
これもテーマは戦争のひもじさ。
伝記なので、やなせたかしは最後には亡くなる。
改訂前の「百年後のふるさと」を守るのがよかった。
こっちのが人はたくさん死ぬけど。
(他に戦争モノとして「たずねびと」 原爆の話)
小6「やまなし」「イーハトーヴの夢」
こちらも伝記なので、宮沢賢治は最後亡くなるけど、それ以前になんか暗い雰囲気がいや、
やまなしは意味分からないし。
「海の命」も嫌いだったけど、受け入れられるようになった。
中1「大人になれなかった弟たちへ」
中2「走れメロス」
メロスが単細胞でバカ!
中3「故郷」
誰も死なないけど、体制という理不尽さを感じる。
小1は老衰だけど、それ以外の死の多くは戦争などによって生を全うできない。
それから、もちろん故意的に道徳教育も兼ねてこういうラインナップにしてるんだと思うけど、その押しつけがましい感じが好きではない。
いや、もちろん子どもたちはもう身近に戦争体験をした人なんていない世代だから、こういうことを通じてしか学ぶチャンスのない人も出てくるだろう。
私の祖父母は戦争を体験しているけど、「話したくない」と語ってくれることはなかった。
それだけでその悲惨さが分かるけれども。
意図は分かるけど、自分が教員側で取り扱いたくない。
範読してるときに泣いちゃうし。(だから範読しないw)
子どもたちが戦争を経験しないためにも、語り継いでいくことの大切さは分かる。
分かるけど、それは「好きだ、やりたい」にはつながらない・・・
もっと楽しい話が長期休みの宿題だったらよかったのに、毎日つらい話から始まるので、ちょっと愚痴ってみました・・・