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母の日ポスターの違和感の理由
「ずっと小児」 グランスタ東京の“母の日広告”に賛否…… 運営会社が撤去「違和感覚える方もいた」
記事を読むと、「小児」の表現に違和感があるなどの意見があり、JR東京駅の商業施設のポスターが撤去されたということだ。
私もこの「ずっと小児」に違和感を覚えた。
もちろん意図したいところ分かる。
キャッチコピーが「子どもに帰ろう」だから。
では、なぜ違和感を覚えるか。
それは対義語を考えるとすぐに分かる。
小児の対義語は「大人」だ。
一方で「子ども」の対義語は「親」なのだ。
ここでは、「何才になっても、人が誰か(親)の『子ども』であることに変わりないのだ」ということを訴えたいのであろうから、「子ども」という言葉は正しいが、「何才になっても『小児』でいる」というのはおかしい。
運賃などで使われる「小児」は小学生(12才)までのことを指す。
いい年のオジサンオバサンが「いつまでも10才!」って言ったら、単純に気持ち悪いであろう。
この「ずっと小児」を「ずっと子ども」にしておけばよかったのに、運賃とかけて小児としてしまったところが、失敗の理由だ。
いいアイディアだと思っただろうに。
ちなみにドイツ語でも、親の反対の子どももKind(複数形Kinder)であり、大人の反対の子どもも同じくKind(複数形Kinder)である。
しかし親はEltern、大人はErwachseneという。
日本語の考え方と同じだ。
世界中で、自分の子どもはいつまでたっても「子ども」だと親が思ってきた証拠なのかもしれない。