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【日本語授業】雑談の練習

先日、計量言語学で、会話コーパスの内容を見てみたら、日本語では1対1の雑談が多いということが分かったという内容があった。
コーパスは、書籍や新聞などの書き言葉の他話し言葉を大量に集めたデータベースのこと。

私のように授業をしている場合は例外だろうが、確かに仕事で会議やプレゼンをするよりは、家族や同僚との雑談の方が多そう。
雑談でももっと、複数人数の方が多いかと思ったけど、自分を考えてみても、確かに家族全員で話す時間よりは、上の子と、下の子と、夫と、というそれぞれの累計の方が多そう!

ということで、日本留学希望の女子高生との授業で雑談(スモールトーク)から特にリアクションを取り上げてみた。
私もドイツに来て、ドイツ語が今ほどできなかったときは、自分が話すことよりも、聞くことの方が多かった。
聞くといっても、無言でいるわけではなく、もちろんリアクションをする。
日本語はとくに相槌などのリアクションも多い。

1つ目のリアクションとして、モノを見たときに何というかを考えてもらった。
絵カードを使って、何か言ってもらう。
ドイツ語しか出てこない場合は、一緒に翻訳を考える。
例えば
はさみ→いいはさみですね!/いいですね!
りんご→おいしいりんごですね!/おいしいですね!
花→きれいな花ですね!/きれいですね!
など。
主に形容詞の復習となった。

次のステップとして、実際に体験していないものは、「~そう」を使うことを説明し、実践。
はさみ→よさそうですね!
りんご→おいしそうですね!
遊園地→楽しそうですね!
など。
ドイツ語では、食べる前のものでも「Lecker!(おいしい)」と言えてしまう。
もちろん、「~に見える」という言いまわしもあって、私は日本語の影響で、常に「おいしそう/よさそうに見える」と言うが、多くの人はただ「おいしい!」という。(私には違和感!!!)
これは継続的に練習した方がよさそう

さらに2文目としては、多く質問を挟むのではないかと思い、質問を色々考えてもらった。
例えば
-どこで買いましたか。
-高かったですか。
-どれくらい<使っている/住んでいる 等>ですか。
など。

再び絵カードを使って、リアクション(褒める)+質問の練習。
慣れてきたら、質問は1つではなく、複数にしてみた。
それから、質問の答えの間にも「そうですね」とか「いいですね」など、当たり障りのない相槌も入れさせた。
時間がなくて終了だったけど、友だちとの会話であれば、「です」を抜いたり、普通体にすれば、内容は一緒で構わないことを伝えた。
「おいしいね! どこで買ったの?」

高校生継承語クラスでもやるが、大人になっていくと、友だちでも何でもない人と、話をしなくてはいけないシチュエーションというのが出てくる。
当たり障りのない話で、テーマも自由だ。
そういうときに、自分が語れるのであれば、それで問題ないけれど、多くの生徒は日本語での自分語りは得意でないと思っている。
実際にはそうではないはずなのだが、気後れしている。

そういうときは、自分が質問者、司会者?になって、その場をハンドリングするのが一番楽なのである。
質問と反応さえ続けていけば、相手が話し続けてくれる!

もうちょっと練習は必要だけど、これがいつか役に立つ日が来るといい。

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