一晩眠って出直しだ
─「だめだー!上手くまとまらない もう寝ちゃって明日また考える!」
─「それ、正解だと思うよ」
一晩眠って出直しだ
「一晩眠って頭を冷やすんだな!」とか「一晩眠って出直しといで!」とか、
ちょっと昔風だけど、似たようなセリフを聞いたこと、きっとあるよね。
これは単なる捨て台詞じゃなくって、ちゃんと根拠があるんだよ。
もうだめだーって煮詰まるくらい、頑張っていろいろ考えて一日過ごしたあと、脳の中には「老廃物」、つまり「いらないもの」が溜まっている。
起きている間にわたしたちは汗もかくし、トイレにも行くよね。
そうやっていらないものを体から外に排出しているんだ。
でも、脳は、起きている間にこういうことが出来ない。
覚醒しているときに、体と同じように老廃物を外に出そうとすると、脳の働きの邪魔になるんだね。
睡眠中には「脳せき髄液」が、脳の中の細胞の隅々にまで入り込んで、このいらないものを洗い流してくれるよ。洗い流された老廃物は、静脈に入っていって排出される。
この仕組みは眠っているときにしか働かない。だから、こうやって脳のお掃除をするために、眠りをもたらす力が働いているんじゃないか、とも考えられているんだよ。
もう頭が働かないー!と思ったら、無理はしなくていい。一晩ちゃんと寝て、眠ることで脳の中にたまった老廃物をお掃除しよう。
疲れた脳の神経細胞を修復して、また明日考えることがきっと出来るよ。