台詞 掛け合い『君が好きッ!!』

やあ、また来たのかい?こんなとこにいつもいつも。暇なの?

それは暇の定義に依ります。仕事と仕事の合間を暇だと言うのならそうなのでしょう。良かった。元気そうで。

忙しいなら無理なんてしなくて良いのに。それと元気な訳ないだろう。こうして入院してるんだから。

本当は嬉しい癖に。無理して強がっちゃって。

あと先短い私にかまけてないでもっと今ある時間を有意義に使いたまえよ後輩。

今の自分があるのは先輩のお陰ですから。
あ、綺麗な花。先輩には似つかわしくないですね。誰かお見舞に来たんですか?

来る訳ないだろう。私に見舞いなんて。

御両親は?

ああ、あれは来てるけどいつも寝たフリしてやり過ごしてる。だからノーカウント。

なんでです? 優しそうな御両親なのに。

優しい事と愛してる事は違うんだよ。
あの人達は自分の子供である私を愛してはいるけれど私個人と言う人間に対して関心なんてないのだから。

なんか思春期真っ只中ですね。

自分でもそう思う。二十歳越えた大人が言う事ではないってね。だから言わない。寝たフリをしてる。まあ、もう少し利口であったなら安い笑みでも浮かべて“お見舞ありがとう”なんて感謝の一つでも言えば良いんだろうけど。

先輩が愛されないのはその偏屈さが原因なのでは?

思慮深いと言ってくれよ。

自分で言っちゃうんだ(笑)

まあ、別に今となってはたいした問題ではないよ。私はもう知ってるんだ。血より濃い繋がりあるとすればそれは想いなんだ。私は君に出会えて良かった。良い人生だった。だからありがとう。私と一緒にいてくれて。本当の私を見てくれて。

弱気に、ならないで下さい。

強がるなと言ったのは君の方だろう。それに私の心配はしなくて大丈夫。私のような優秀な人間ならきっとすぐに閻魔の片腕くらいにはなってるだろうさ。そしたら君が死んだ時天国に行けるよう口を利いてあげる。頼もしいだろう?

だからそういう事……。

私の人生は幸せだった。合格点だった。まさに大金星。君はどう? 君の人生は今、幸せ? まさか私がいなくなったから不幸だなんて言わないで。

こんな辛い気持ちになるくらいなら出会わない方が良かった。そう思う。

私といた時間は不幸だった?

それは、ズルい聞き方です。

君は良い奴なのにモテないのが悩ましい所だよねぇ。奥手過ぎて君の良さが中々表沙汰にならない。

それは、別にどうでも良いです。

私はあまりに美人だからきっと薄命なんだねぇ。美しさは罪とは良く言ったものだよ。

いえ先輩はきっと日頃の行いが悪いだけですよ。偏屈が祟ったんです。

私は人よりちょっぴり素直なだけさ。イヤなものはイヤだ。キライなものはキライ。それが大人になりきれないって事なら私は大人になんかならなくて良いしそんな自分を誇りに思うよ。
だから言うんだけどね、私はーー(例えばここで短く息を吸う等)


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