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ブラック企業攻略戦 嫌われる覚悟で得たもの
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ブラック企業攻略戦 嫌われる覚悟で得たもの
こんなこと言うと上に疎まれるかも、経営陣に嫌われるかも、総務に異動してから、勇気を持ってたびたびいろんな事を「相談」して、得たもの。
情報、各人の考え方。
私では荷が重いこと。
こうあって欲しかったものが、そうではなく、傷付いて、けど、自分で自分の立ち位置を確認する作業には、どこか爽やかなものがあります。
社外の人に相談したとき、辞めた方が良いと言われるのが、軽々しく感じて嫌だったけど、対して社内の人に言っても、問題の過小評価や個人間の問題として矮小化されてしまい、虚しかった。
元をただすと、社員の労働時間を管理するという職務の総務課長が、積極的にサービス残業してしまう。下に続く者は、そんな働き方を求められても困るっていう、極めて単純な問題だったはずだけど。
そこから、いろんなことがあった。
分かった。
保身の部長代理、労基法に詳しいわけではないのに、人をナメている。
お姫様の課長、こだわりが強く自分の思う通りにしようとするあまり他者の仕事を蔑ろにするけど、衝突は好まない。
人を煽る係長。現状への不満を誰より溜めているのに、自分では、ほとんど動かない。
面倒事を人に押し付け有耶無耶にする経営陣。
尊敬していた元上司は、私が理想にしていたような人ではなかった。
真摯で誠実なだけで、他部署をどうにかできる力は無い。むしろ係長が嫌いすぎて、「私は係長の言いなりになっている」みたいに映るらしい。
お世話になった人なので、それで嫌いになることは決してないけど、自分は「理想の上司」のフィルターをかけていただけと分かった。上司にはこういう苦労も、まとわりつくみたいだ。
労働組合についても、「自分を守るため」に調べ実践する知識ではなく、昔の「当社に労働組合があった」時代、アップデートしていないイメージで、「どうにもならないだろう」という諦めの結論が先に来ているから、私の方では説得も何もない。
加えて、二尋さんも専門家ではないから当社で聞き齧ったこと元にしたフワフワとしたイメージで動こうとしているという、先入観もあるのだ。
私がどうこうではない。
「労働組合とは何か?何をして、何ができるのか?何ができないのか」
組合法や事例収集、中小企業のための労働組合、現実的に費用を工面でき、知見を与えバックアップしてくれるユニオンというものがあることを、そもそも知らない。
だから 私がそこの説明を省き「支部作り」ということばを使った時に、お世話になった上司ですら「過去に支部を作った人はいた」と、労働組合と混同した発言が出てきた。
どこまで行けるのか。
幽霊のように、危ない、怖い、胡散臭いという感情を、ことばによって変えられるか。もはや哲学の域。勝ち目は薄い、
工場に戻りたいという気持ちの全てが無くなったわけではなく、工場に戻れば課長の下である程度庇護され、穏やかに仕事ができるだろうけど、当社のヤバさは何一つ変わらないだろう。
愛想がつきて、辞めたいという気持ちが大きくなった。それで、どう思われようと、どうでも良くなった。どちらかというと、当社で踏ん張っている人たちの方が、御愁傷様…と感じる、そんな心情と紙一重。
けれど、組織は個人では無い。
まだ、私なりに当社のために動こうという気持ちの全部が潰えたわけではない。