蝉の声が大雨のように降り注ぐ道を歩いていると、どこからか1匹くらい落ちて来ても不思議はないなと、背を縮こませながら早足で駆ける、夏。
読んでいた本に【鈍麻】という言葉が書いてあった。【鈍く麻痺する】と書いて【鈍麻】 これはもう何十年も前からだけれど、私もそうだ。色々な事が起こりすぎて、心を守るために鈍麻していった。嬉しい事にも悲しい事にも心が動かない。 それ自体が悲しい事かも、私にはもう分からない。
感情の制御が出来ずに人が多くいる場所で喧嘩をし、クールダウンを兼ねて別行動をするも心がグシャグシャになってしまい、一人山の中で叫びそうになって。嗚呼どうしてこんな人間になってしまったんだろうと涙が出た。本当に今日はなんて酷い一日だと思って言葉を探したけれど、酷いのは私一人だった。