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津波警報の弱点(限界)を知る

今年も忘れたくても忘れられない時期が近づいてきました。いま一度おさらいして、来たるべき災厄に備えて行きましょう。何より情報を過信せず、おかしいと感じたら行動を起こすことが大事です。

地震の規模はすぐにはわからないのが当たり前

普段、地震から数分で地震情報が発表されるので勘違いするのもやむを得ないとは思います。しかし、あのスピードは「当たり前じゃない」ことを覚えておきましょう。
3.11のMw9.0が求められるまで丸1日を要しました。1960年チリ地震のMw9.5が求められるまでは何と数年を要しました。

マグニチュードが8を超えるような大きな地震では、地震の規模を把握するまでは最短でも15分くらいはかかるとされています。しかし、情報を待っていると津波に追いつかれます。海沿いや河口付近で大きな揺れ、長い揺れに遭遇したら、直ちに行動を始めるよう言われる所以です。

3.11を経て津波警報の出し方も改善されましたが、究極どう行動するかはあなた自身なのです。津波に限らず「警報待ち」「指示待ち」は身を滅ぼすと肝に銘じましょう。

問題は「身近な高い所に逃げる」か「海から遠くへ逃げる」か

では津波からどう逃げるか。これは難しいところです。鉄則として言えるのは、地上で津波に追いつかれないことです。
初期微動継続時間の短い、ガタガタと大きな揺れを感じたら、波源は近く、あまり時間を置かずに津波のやってくる可能性がある。身近な高い所へ避難する。
船に乗っているような、ゆらゆらと長い揺れを感じたら、波源は多少遠くとも、かなり大きな津波がやってくる可能性がある。海からなるべく遠くへ、着実に標高を稼げる所へ避難する。
これはあくまでひとつの理屈です。正解のない、ベターチョイスを続ける必要があります。

断層のズレによらない津波は予測できない

マグニチュードの飽和と同様に津波警報の大きな弱点とも言えます。先日のトンガ諸島での火山噴火に伴う津波(潮位変化)が記憶に新しいところです。他にも例えば海底地滑りによる津波も同じです。3.11でも三陸沿岸を襲った津波の一部は、海底の地滑りによる部分が大きいのではと言われています。
気象庁が事前にシュミレーションしたデータベースにない事象に対しては、現地や途中の島々での観測、つまり後の先を取って対応しているのが現状です。