自分の幸せ

飲み会で、貯金の話になった。

「(生活環境からして)出費は少ないだろうし、貯金もあるんじゃない?」と聞かれた。


そんなにはない。

インフラ面の出費はないが、その分家族での旅行や休日の食事・買い物の際は支払うようにしている。


そんな感じだから、貯金ないです。と言ったら、
「自分の幸せは考えたことある?」というようなことを聞かれた気がする。


自分の幸せと言われると、思いつくのは兄弟の顔だ。

私のなかでは兄弟が一番だから、彼らがよければそれでいい。


「兄弟たちが進学や結婚をして、離れることになってもいいの?」とも聞かれたが、
彼らを自分のところに縛り付けたいとは思っていない。

むしろそういう希望を叶えてほしい。

親の介護とか将来のことを負担するのは私だけでいい。



自分は、ご飯を食べることができて、職に就いていて、屋根のあるところで寝られる今が十分幸せだ。



(思い違いでなければ)「2号ちゃん、死のうとか思わないでね」と先輩から言われたが、

一番死に近い時期はもう過ぎましたから、大丈夫ですよ! と答えた。

もっと不穏じゃない返しはできなかったのかと反省したが。




その先輩は、正直好きだ。

でもお付き合いがゴールになる好きとはまた違う。

転勤が決まっているしそんなふうには思わない。



そういうことを頭の中で考えていたら、
「次に転勤してきた人といい感じなるかもしれないじゃん?」と言われた。


今後も転勤する人とは(そういう感じに)ならないだろう。


なにしろ地元への愛着がすごすぎる。


悩んでもう人生がどうでもよくなったとき、夕焼けとか星空とか、橋から見た町並み、家々の明かりがしみた。

生かしてくれた景色があちこちにある。

その風景を守りたい、と公務員の志望理由に書こうとしたけど、暗い話かなと思って、当たり障りのないことを書いた。
試験は落ちたけど。



東京に行きたがる人は多いけど、私はなんだか調子が悪くなる。




せっかく大好きな先輩と同席できたのに、ほとんど自分のことを考えていた。


帰り道、傘の中でモヤモヤを抱え込み、ますます前を向けなくなった。