へんなの / 国崎☆和也
敬愛する国崎和也氏が、エッセイ本を出した。
『へんなの』
氏は、クイック・ジャパンWeb(以下QJWeb)でエッセイを連載されており、私はその愛読者である。
とはいえ、はじめは本を買うつもりがなかった。
QJWebでの連載は、インターネットサイトという紙ではない媒体の仕組みが十分に活用されていて、非常に見ごたえ(読みごたえ)があった。
その異常な満足度に、わざわざ本を買う必要性は感じていなかった。
ところが、本の出版が発表されたあと、ちょっとあとに更新されたエッセイには、どことなく終わりの雰囲気を感じた。
予期せぬ展開にズッコケながら、「買うっきゃないなこれ〜!」と、エッセイから飛び出た文体そのままに、本屋で買うことを決めた。
氏をイメージしたのか黄色の装丁は、想像していたよりかは落ち着きがあり、本屋の並びに見事に調和していた。
でも、すぐに見つけることができた。
嬉しさのあまり、本屋を回りながら何度も表紙を撫でた。
汚れないようにブックカバーをかけてもらった。
家に帰る道中、空き時間にそっと読み始めた。
いつも読んでいるエッセイとは書く方向もフォントも違っていて、
ああ、やっぱりあの感じがよかったのか、とも一瞬思ったが、また縦書きというのは、なんだか年表を彷彿とさせるようで厚みがある。
これもまた一興か。
そういえば、とばさないで読んでねと、理由は分からないが、著者がコメントを残していた。
いつもはパラパラと読みがちだが、最初から読もう。
…なんだか、閉じた状態でも見えている中紙の色は、コメントを踏まえるとネタバレな気もするぞ…
うっすら予想ができたが、そこには目を伏せておく。
インクとして紙に固定された、国ちゃんのギュッと詰まった日々。
青春とはかくあるべきか。
そして今、最後まで読んだ。
でも、やっぱり へんなの !