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KANA-BOON『恋愛至上主義』

KANA-BOONのニュー コンセプトアルバム、『恋愛至上主義』10th Anniversary Editionが届いた。


早期予約特典の赤いラバーバンドに惹かれて、それをライブにつけて行きたくて買った。

そのラバーバンドには「未来に恋せよ」と書いてある。
ボーカル谷口鮪の筆跡。とてもいい。

先着購入特典のジャケット絵柄ステッカーも、いい。


早速CDをスマホにとりこんで、曲名の編集がてら聴く。

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KANA-BOONといえば、『シルエット』とか、ポップロックでキャッチーなアニメ主題歌が有名(だし、私も好き)。

困難に立ち向かっていくヒーローの雰囲気をそのまま体現したような、ポジティブなメロディーラインと牽引するギター。ビートを作るドラムとベース…(ほれぼれ)



ただ、今回のはぐっと日常にフォーカスして、恋愛がコンセプトとなっている。

そこには助けてくれるヒーローはいなくて、一人で乗り越えなきゃいけないんだけど、曲を聞いている間はひとりじゃない気がした。

「これこそ、これもKANA-BOONの ど真ん中だ!」と思った。

底抜けに明るいわけじゃなくて、物に光が当たれば影ができるように、光の当たっていない面というのは必ず人生にあることを、よく分かっている(という気がする)。

そこをすくいだすことこそ、彼らの良さだと思う。

そういうのは、ボーカル以外にも、ギターの音色やベースライン、ドラムに込められた気持ちから伝わってくる。



私が買ったバージョンには、『失恋のすゝめ』と銘打たれた、KANA-BOONの楽曲の多くを占める“失恋ソング”がまとめられたCDが付属している。


先日、日比谷野音でのライブに行ってきたけど、その時に大盛りあがりした曲も入っていて、「これも失恋ソングだったんだ!」と驚いた。

『1.2. step to you』はテンポも速くて自転車をめいっぱい漕ぎたくなるような大好きな曲で、ライブでも飛び跳ねていた。


『桜の詩』は若干テンポは緩やかになるけど、ドラムのリズムパターンが相まって手を左右に振りたくなる曲。

どちらも歌詞をよく聴くと、過去を悔やむ失恋の曲だった。


悲しく辛いはずの失恋から生み出された曲で楽しく踊る私(≒観客)がちょっとだけおかしくて笑える。

でも、一人と一人の間から生まれた感情が、何百人、何千人の心を弾ませているのは興味深い。


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『失恋のすゝめ』のブックレットには、歌詞以外にも、思わずニコニコしてしまうメンバーの様子と、彼らへのプチアンケートが載っている。

中身は言えない…けど、彼らの青春が詰まっているような気がした。

すごくいいので手に入れてほしい!





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鮪さんは、自分の失恋から生まれた曲たちだ、というようなことをおっしゃっていて、恋愛の(…言い方が難しいけど)生々しい時間経過を経て生まれたものたちなんだな、と思った。


かくいう私は人並みに出逢って別れてきたけど、恋愛の曲を聴いて特定の誰かを思い出すことはない。

むしろMVの映像とか、曲を作った人がどんなだったかの想像、今見ている風景を重ね合わせる。

もはや私は過去の相手の顔すら思い出せない。

声も、どんな声だったっけって。


もう終わったことなので感謝はしている。自分も未熟だったと反省の機会になったし。

でもそんな未熟だった自分すら忘れている。


今一緒にいたい、好きな人たちのことしか頭にない!


でももう恋愛の終わりには立ち会いたくない。

絶対ずっと一緒に…いられたら…嬉しいな…(だんだん弱気になる)
精進します。