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神道における言霊について(1)

神道での神様との儀式は、対話形式で行います。

神様の坐す神聖な場所で、神様やその依り代に向けて祝詞の奏上を行い、場合によっては卜(占)や神懸りで返事をいただきます。
そして神楽や祭祀によって対話の成立を喜び表現します。
そういった行事で神様の作用を強めたり弱めたりすることで、調和を保ちます。
それらは清浄を保ちつつ厳粛な正しい作法をもって行います。過ちをもって災禍を生み出さないためです。

日本文化として定着している様々な仕草や言葉は神事が反映されたものが実に多いです。神社仏閣だけでなく日々の生活の中に溶け込んでいます。
言葉でも名称として古来より変わらないものに着眼すると、伝えてきたものの重要性に気付かされるでしょう。

神道において、言葉は「音」「意味」「共有化された概念」「論理的な要素」「霊的な要素」で構成され、霊が宿るものとされ「言霊」と称します。
神名、地名、神社名、苗字、作法、仕草、生き物、生活に密着した数多の物質や概念につけられた名称として、日本語の発音で残っているものすべてに「言霊」が宿っています。
同様の考え方は日本だけではありません。つまり日本語だけでなく世界共通の概念です。

神道では「言霊」は霊的な力を持ち、発した者と受け取った者に「主観的な概念」の働きも加わって霊的な作用を働きかけると考えます。
なので特に神前では、清浄を保ちつつ厳粛な正しい作法で、直き正しい真心のこもった言霊をもって「祝詞」を発することが必要です。なので間違えることは厳禁です。過ちをもって災禍を生み出さないためです。
そして、普段の心がけとして、物事や人に対しても直き正しい言葉を発することが求められます。

物事において言葉を使う、正しく伝えることがいかに大切かということです。

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