人は生涯学び続けるからこそ手厚いサポートをすべきと思う。
人は生まれてから死ぬまで学び続ける。
学び得たものを形にし、日々の生活に反映していく。
一つのものが手元に届くまで、たくさんの人の力を借りている。
それは、過去の人たちから伝えられてきた知恵や、築き上げられた環境も含めると、今現在のすべては膨大な人々の恩恵を受けている。さらに言うと、人間だけでなく、たくさんの生命の恩恵を受けている。
100円均一ショップで手に入る工業製品の一つを手に取ってみよう。あなた一人のみの力で、全く同じものを、ゼロから作り上げることを想像してほしい。
例えば袋があったとして、原料が分かってもそれを数ミクロンの厚さで薄く延ばすには、機械がいる。その機械も作ることになる。
原料調達のために海や川を渡って移動するなら舟もいる。
道具も含めて、原料調達から何から何まで、一体どれだけの発見と労力と年月が必要だろうか。
人の生涯で発見し成し遂げて、何世代にも渡りのちの世につないだ知恵は、積み上げられて知識となり、現代の技術の糧となった。
生活習慣も同様であり、一生をかけて試行や吟味を繰り返し修練し、自らの身体に適した生活習慣もまた子孫に受け継がれる。
さて、生涯に渡って修練を続け学習し続けるという人の性質や営みに沿った社会の仕組みは実現できているのだろうか。
大事なことは、人は生まれてから死ぬまで学び続ける。そして人間の営みの本質は「経済」よりも「産業」あるということだ。
現在の日本での学習においてサポート体制が充実しているものと、そうでないものが層で分けれられていると思う。
○ 充実している
基礎学習:小中高基礎教育
就業学習:就業訓練・資格制度
養老学習:高齢者向け地域サービス
△ あるにはあるが、情報弱者や経済弱者には敷居が高い
個人特性学習:特技・技術修練・大学・哲学・発明発見
心体術学習:スポーツ・武道・体育・瞑想・精神鍛錬
情報処理学習:情報入手・タスク管理・情報処理・リテラシー
構造学習:行政・司法・システムモデル・ビジネスモデル・法律
運用化学習:経営・行政・資産運用
実務学習:技術習得、技術修練、実務知識・ノウハウ
時事社会学習:政治・経済・国際情勢・多様性(寛容と取捨選択)
× 充実していない:
交流学習:社会交流・業務連携
養育期学習:育児教育、養育者教育、情緒知識
継承学習:歴史・伝統・後継者教育
日本の強みや特性は、個人特性学習にあると考えている。つまりはアマチュア職人だ。
個人のポテンシャルが高い。
だからこそ、中小企業が強いともいえる。
ベンチャーに可能性があるはずの日本が、その強みを活かし育てないことはおかしいしもったいない。
就業学習についても課題がある。企業に就業することを前提にしているからだ。
厚生年金や雇用保険など企業に就職することに対してのフォロー待遇と、個人事業主や起業に対するフォロー待遇に差がある。特に情報面や経済面において。
職を失ったときに生活に不安なく、特技や実務経験を次にどう活かすか。就職も起業も選択肢に入れることができるように考慮するべきではないかと思う。
なので、雇用にではなく失業に対して保険をかけるべきだと思う。
資格制度には成功時補助金を設け、周知したらどうだろうかとも思う。
発明・発見・研究に対してスムーズに記録や評価できるようにフォローアップ体制もあったらよいと思う。
あと、技術を集約させ可能性を上げるということを目的とするならば良いが、上前をはねるための投機目的や他陣営足止めのための企業買収がなんと多いことか。
企業を投資家が買いたたくことは、混乱を生み、実は本質的には人の営みから外れた考え方だと思う。
流通のツールだったはずの金銭が、支配のためのツールになったということなのだが、まあそのことはさておいて、
学習において大事なことは、学びたいと思ったときに、学べる環境を作っておくことだと思う。
そして、その学習を生活を保ちつつ、社会にどう活かすかのヒントを見つけやすいようにすればよいと思う。そうすれば挑戦しやすくなり、新しい生業が生まれやすくなると思う。
国や地域が学習をサポートする明確な指針と体制をつくり、実効的に運用できれば、そして学習と修練と表現と成果の循環をスムーズにして軌道に乗せれば未来は明るいと思う。