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フロレンス・ナイチンゲール「病人の看護と健康を守る看護」その1


病人を守る看護と健康を守る看護(1893年)

フロレンス・ナイチンゲールの『病人を守る看護と健康を守る看護』をシリーズで紹介していきます。

ナイチンゲールはこの書物の冒頭で、次のように言っている。

「新しい芸術であり、新しい科学でもあるものが、最近40年の間に創造されてきた。そして、それとともに新しい専門職業と呼ばれるものー我々は天職と呼んでいるーが生まれてきた。」

ナイチンゲールは書物の冒頭で、天職と言える「新しい芸術」、すなわち「看護」というものの専門的職業が生まれてきた。しかし、これは何か新しい要求、またはある地方特有の要求があって創られたり発見されたりしたものではないとしている。そうではななく、この要求はほとんど世界と同じくらい古く、この世界と同じくらい大きく、我々の生や死に関わるものとして存在していたという。

看護そのものは、講義や書物を通じて教え得るものではない。講義や書物が補助的なものとして使われるのであれば価値があるのだが、そうでなければ書物に書いてあることに役に立たないことをナイチンゲールは強調する。

学校、家族や職場での生活の営みに関する限り、まだその芸術は創り出されている。その芸術は、世界中のどの家族にも関わりがある。また、家庭生活から発信。家庭の中でのみ教えることができるものである。それは、「健康についての芸術」である。
 そして、この芸術は母親、少女、女主人、教師ほぼなど、あらゆる女性が自信的に学ぶものである。この芸術は、健康への看護とか一般看護とか、好きなように呼んでもらいたい。

<参考文献>
〇『ナイチンゲール著作集 第2巻』(現代社)を参照。


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