見出し画像

田中樹の誕生日

今日は、推しの誕生日だ。
もうすぐ日を跨いでしまうが。

私は高校生の頃、よくEテレを観ていた。5時過ぎくらいから、ずっと。
入学早々いじめにあったからだ。友達がいない、誰かと放課後遊ぶ予定なんて勿論できない。
そんな時、ある番組で気になる人を見つけた。
顔がタイプだし、なにより何かホッとする様な、丁度良く冷めてきた香りの良い紅茶を飲んだ時の感覚がした。
すぐにその人が胸元に付けている名前を検索した。
私はジャニーズが好きだったが、曲が出ている人たちしか知らなかった。

ここからが私の喫茶店生活が始まった。学校以外の時間は、彼が出ている番組や、今までの動画、写真のチェックの嵐だった。癒しでしかなかった。
その中で、バカレア組を知った。どんどん彼らにハマっていった。そして、憧れだった。だって、彼らを観ている時以外は確実にひとりぼっちなのだから。楽しくて、羨ましくて、悲しくて、不安で、でもやっぱり楽しくて。

高校2年生にあがり、先生のご協力でいじめをしてきた人たちとは違うクラスになった。それでも私はまだひとりだ。声を出すのが怖い。話しかけられるのが怖い。ずっとこのままな自分も怖い。自分のことを話せなくなっていた。
そんな日々で、少しずつ勇気を出せる様になった頃、ある人が話してくれた。
「私もバカレア組が好きやで」
この一言で私の生活が変わった。毎日一緒に喫茶店に行っている気持ちだった。いや、ファミレスとかの、賑やかな音が似合う場所の方かもしれない。確かに私たちは友達になっていた。

卒業まで、たくさんのジャニーズの話をした。他のJr.のライブに行ったりもした。
あの頃にタイムスリップしたとしたら、見違えるくらい笑顔の自分が見れるだろう。

SixTONESがいなかったら、私は今も笑えていただろうか。
田中樹がいなかったら、私はずっと心を閉ざしたまま過ごしていたかもしれない。

今年私は26歳。
まだあの頃のトラウマが残ったまま、情けない自分が続いているが、
それでも今の私が、今私がこの文字を打つことができている理由は、彼の人生があるからに決まっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?