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2/22出演者紹介①

いよいよ今月となりました。
レコ発自主企画「あの日の続き」
これから毎週、ブログで出演者の紹介と、個人的な出演者とのエピソードを綴っていこうかと思っています。

まずトップバッターは7年前の自主企画にも出ていただいた3人組ロックバンド

「モケーレムベンベ」19:00〜

あの頃の忘れてしまった感情や郷愁を思い起こさせるような文学的な歌詞。だけど感傷的になるだけじゃなく、ライブが終わった後には笑顔でしっかり前を向けるような気持ちになるのは、3人のユーモラスなキャラクターと圧倒的な曲のキャッチーさ故。あの日の続きを歌い続ける、長い長いエンドロールを僕は席を立たずに最後まで見ていたい。


とまぁ、Twitterで簡潔に紹介するなら、こんな感じなのですが、この程度でモケーレムベンベの魅力を全て伝え切れるはずもなく、、
ここからは、あけっぴろげに、僕がどれだけモケーレムベンベが大好きかを語っていきたいと思います


まず、モケーレムベンベとの出会いは、大学一回生の頃。当時、所属していた軽音サークルの先輩がリードギターとドラムを担当しているバンドが学内のイベントに出るとのことで、見に行ったのが最初だった。
そう、その時に見たのが4ピース時代のモケーレムベンベである。

他の学内のバンドが、けっこうノリの良いバンドが多い中、外バン(学外で結成されたバンド)であるモケーレはやはり異質というか、スローテンポの鬱屈とした雰囲気の曲が多く、そういうのが大好物の僕は一気にファンになった。
特にそのライブの最後に演奏された「六畳の夜景」という曲は衝撃的で、曲のテンポが早くなるにつれて夜明けが近づいていく情景がありありと浮かび上がって、気付けば鳥肌が立っていた。

その後、サークルの先輩が脱退し、3ピースになってからも、個人的に寝屋川のライブなんかによく足を運んだ。おそらく、僕が人生で1番多くライブを見たバンドはモケーレムベンベである。知人だからとかではなく、本気で毎回ライブが楽しみで行っていた。

僕も大学を卒業し、バンド活動を本格的に初め、ついに2016年の「それでも世界が続くなら爆破大作戦」にてモケーレとの初の対バンを果たす。この日は、僕の人生においての一つのハイライトで、憧れのバンド2組と同時に共演するという夢のような日だった。

そして、2年後の2018年に再び憧れのバンド2組と友達2組と僕らアサモドキの計5組を呼んで共演したのが、7年前の「あの日」ということになる。
その日に共演したバンドの中で、今回2025年2月22日の「あの日の続き」で唯一メンバーや体制が変わっていないのがモケーレムベンベだ。

「それでも世界が続くなら」は昨年活動休止し、篠塚さんのソロでの出演となった。「こうなったのは誰のせい」は解散し、「ごん」も活動していないようだ。そして、僕もひとりぼっちになってしまった。

モケーレムベンベも、その後ドラムのえなりさんが活休をしていた時期があったが、あくまでバンドを続ける意思のもと、井澤さんと原田さんは走り続けていた。そんな中、サポートドラムを迎えてリリースされた音源が「ロングエンドロール」だ。

このMVはモケーレムベンベの「これまで」が懐かしい写真と共にエンドロールのように流れていくという物で、そこには元ギターの僕の先輩のことや、それでも世界が続くならのことも書かれていて、嬉しくなったのだけど、この曲を聞いていると自然と涙が出てくるというか、明るい曲調なのに胸がグッと締め付けられるような気持ちにもなる。そして、最後に3人が「これから」を見据える構図もお見事である。

ここで少し、自分の話をしよう。

僕自身はもう「終わった人間」だという意識が常にあって、7年前のレコ発で映画の本編が終了してしまったような感覚で今日まで生きて来た。バンドは解散はしていないものの、がむしゃらに夢を追ってもがき苦しんでいた青春の青さみたいな物は、もうあの日、失われてしまったような気がした。あれが、ラストシーン。あとは趣味として音楽を楽しくゆっくり続けられたらいいと思っていた。

音楽をやればやるほど、現実の厳しさに心は打ち砕かれた。弟が死んで結婚もして、普通に生きることの尊さも身に染みて分かった。これで、僕の音楽人生は終了。あとは、ひたすら退屈なエンドロールが続いていくだけだと、俯瞰しきった目で人生の着地地点を見つめるようになった。
だけど、「ロングエンドロール」を聞いて思った。

エンドロールにこそ、人生の本質があるんじゃないのだろうか。


現在。僕が想像していた退屈なエンドロールとは少し違った今がある。結婚したら子供が出来てバンドは辞めるものだと思っていたのに、まだ僕はソロになってまでバンドを続けている。
そのために滋賀の田舎から、わざわざ転職してまで大阪に来て、もう二度とやらないと思っていた自主企画ライブが来月に控えている。

映画のワンシーンのような劇的な展開があるわけではない。日々の生活が中心の穏やかな背景のエンドロール。しかし、そこに刻まれていく名前は歳を重ねるごとに未だに増え続けている。

長い長いエンドロール。

それは、きっと今まで生きて来た人生の答え合わせであり、青春の延長戦であり、死へのカウントダウンでもある。

言ってしまえば、僕らは生まれた時から長い長いエンドロールを生きているとも言える。だから、何歳までが本編だとか、30過ぎたらエンドロールだとか、区切る必要なんてないのかもしれない。

最近、初めて井澤さんのソロを見に行って、終演後にお話をさせてもらった時、プライベートでの生活の転換期にあると言っておられた。

転職や引越し。
出会い、別れ。
挫折、飽き。

真っ直ぐ歩くことは難しい。ふらふら道中。

僕にとってはヒーローのような存在であるモケーレムベンベも、もしかしたら僕らと同じなのかもしれないと思った。
いや、だからこそ僕らのヒーローなんだろう。
飾らない等身大を抱えつつ、それでもステージに立てばめちゃくちゃ格好いい。
だから、愛されているんだろう。このバンドは。

これからも、彼らの長い長いエンドロールには、多くの人の名前が刻まれていくだろう。そして、その音楽を聞いた人達の人生のエンドロールの中にも、モケーレムベンベの名前があるだろう。
それは、とても素敵なことじゃないだろうか。



ミニアルバム配信中

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