ラブソング

僕は何がしたいんだろう
どうなりたいんだろう
何が僕の幸せで 
どうすれば満たされるんだろう

そもそも、自分だけが満たされて
それで幸せなんて有り得るのか

ワンマンライブやったら幸せか?
満たされるのか?
違うだろ 
誰かとの繋がりの中にしか本当の幸福なんてないだろ

だけど僕はまだまだ自分を救う為の歌しか歌えてない 
誰かに向けて歌うなんて、やっぱりまだ綺麗事で嘘っぽいとも思ってしまう

僕の音楽は嘘がない分、重くて暗くてひたすら内側に潜っていくような音楽だから、他人を寄せ付けない雰囲気があるのは分かってる

自分にしか分からない歌詞で、初対面の誰かに自分の醜い本音を曝け出しても、ドン引きされるだけだし、僕を好きでいてくれた人も僕が自虐ばかりの歌を歌い続けたら、きっと悲しいし心は離れて行ってしまう

こうやって、長々と文章を綴ること自体が最早アーティストとしてダサいし重たいし、分かりにくいし、誰も読まない
嫌いな人は僕のことは嫌いだろう

もっとスタイリッシュに
NEXT LIVE
って情報だけ打ってればいいのかもしれない

顔面取り繕って、もっと分かりやすい言葉で煽ったり、手拍子とかコールアンドレスポンスとか楽しそうな事をやるのが、自分じゃなくて誰かに向けて表現をするということなのかもしれない

そう、例えば分かりやすいラブソングとか

昔から、みんなが好きだと言う物が好きになれなかった
芸大という環境もあってか、メジャーなモノはダサいという風潮が僕の固定観念をさらに強固な物にした

ひたすらにアンダーグラウンドで、好かれようとしないマイナーな音楽に心を惹かれたし、チャートインするような音楽はほとんど聞かなくなった

僕もそういう音楽に憧れてバンドをはじめた だけど、いつからか集客や再生数ばかりを意識してしまうようになった

周りが売れたくて頑張っているバンドばかりだったから、次第に僕もずっとこのままではいけないと思うようになった

このままでは、マイナーな音楽が好きな僕のような人間にすら認知してもらえないと不安になった 
何の結果も残せず、年老いて解散して死ぬだけだと想像すると怖くなった

そんな音楽をはじめた頃とは矛盾した心境
のまま、もう10年以上が過ぎてしまった

それでも、あの頃、誰も知らないような音楽に救われた気持ちを思い出さない日はなかった

興味がない人はなくていい
嫌いな人は嫌いでいい
たった1人でも僕の音楽を見つけて、あの頃の僕と同じ気持ちになってくれた人はいただろうか

そんなたった1人に向けて歌う唄が
今の僕に歌える精一杯のラブソングだ

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