小学生のインターネット利用に関して
★賛成意見です。
インターネット利用と言いますと、ハッキング、詐欺、アダルトサイト、スパム、ウイルス感染、ゲームの課金トラブル、ダークウェブなど負のイメージが先行してしまいます。よって、そのような先入観から「知識を伴っていない小学生にはインターネット利用の制限は当然だ」という意見が出てきます。確かに大事なお子様を守るためにはそのような「悪」から遠ざけてしまうことが一番の解決策だと感じます。インターネットを「悪」と定義しているということは、インターネットを性悪説という立場で捉え、ルールで縛る必要があるとお考えだと思います。この立場でしたら年齢制限というルールで縛るというのは妥当です。お子様の周囲に「悪」を近づけず、「善」で囲い込む。以下の言い換えが出来ます。虫や不快な有機物、アレルギーの原因は極力排除して、クリーンな環境で生活させる。そして、成長と共に「悪」に対しての寛容度を増した年代を見計らって、もしくは勝手に知識を吸収したであろう年代を見計らって、インターネット利用の制限を解除する。
さて、この寛容度と知識量ですが成長と共に自然と身に付くものなのでしょうか。例えば、小学生から弟若しくは妹のオシメの交換をしていた兄・姉がいたとします。この人物は幼い頃より世間一般では避けられている汚物の交換に慣れているために、汚い物に対しての寛容度が増しています。(幼少期から虫と共に生活していた場合、そこまで虫に拒絶反応を示さないことに類似しています)
成長段階での最適な段階を踏まずに(ここでは一般的な段階の前段階です)感覚トレーニングをしています。そして自らも日頃のオシメ交換を効率化するために様々なアイディアを思いつき、試行錯誤して、オシメ交換の技術を上げている可能性もあります。この強制的な環境と試行錯誤を経て、この人物は成長段階という枠組みに捕らわれずに経験を積んでいます。一方、オシメ交換の経験を小学生時代に経なかった人物が、中学生、高校生になって、成長と共に増すであろう寛容度が小学生よりも高いことを前提にして、オシメ交換をするように指令されたとします。「汚い」「気持ち悪い」「やりたくない」などの感情が小学生の頃よりも少なくなるのでしょうか。(虫の観察をやり始めるでしょうか)
必ず通る道であれば、そして経験を早い段階でさせることが出来るのであれば、インターネットの利用を「勉強」としてに身につけて行くことを推奨します。
「勉強」にはお金がかかります。ノート、ペン、塾代など必要経費が必ずあります。インターネットの勉強にもお金がかかります。そのお金とはデバイス代金や月額基本料金もそうですが、トラブル解決費です。お子様がゲームで課金を勝手にしてしまった。お子様がクレジットカードをこっそり保護者様のお財布から抜き取りネットショッピングをしてしまった等です。では、課金をしてしまった場合で見てみましょう。保護者様は課金代金を支払い、お子様に説教をします。その説教が感情の爆発でないのであれば、お子様は自分が取った行動が「悪」だったと認識します。お子様が懲りずに繰り返し行ってしまったのであれば、また説教をします。ゲーム課金による「保護者様からの説教」が勉強内容で、「ゲーム課金の代金」が勉強代です。つまり、お子様は勝手に課金をすることは良くないという内容を身につけ、保護者様は説教と共にその代金を第3者に支払います。
学校の勉強に置き換えてみます。1回の授業で1単元を理解できる生徒であればどんどん単元を進めることが出来ますので、理解が遅い生徒よりもお金に対する知識代のコスパがよくなります。つまり、同じ金額を使ったにも関わらず、身に付けた知識に差が出ます。課金トラブルにも同じことが言えます。1回の課金トラブルで理解できなかったのであれば、2回、3回と必要になります。1回で課金を止めたお子様もいれば、2回、3回と続くお子様もいると言うことです。これがもし中学生、高校生だったとしたら、保護者様の説教をまともに聞くでしょうか。いささか難しい気が致します。もちろんトラブルを起こさず、インターネットを最大限に活用できることが理想です。塾にも行かずに学業成績が良いのであれば、教育代がかかりませんので家計の負担が減ります。インターネットに関してもデバイスを渡して自ら学んでいくお子様には勉強代がかかりません。
インターネットの犯罪は様々で保護者様の目の届かない範囲でお子様が異次元の空間に身を置き、保護者様の知らない世界で犯罪に巻き込まれてしまっていたらと考えますと、便利と分かっているけれども異次元へ誘うシステムを備えているデバイスを与えることに関して躊躇してしまうのもわかります。
単純に手段を与えるのではなく、「相互作用」のあるルールを作れば良いと思います。インターネットを性悪説と捉えているのであれば、ルールは必須です。では、具体的にどうするのかを見てみます。
保護者様とお子様の「相互作用」を軸に考えます。放任でインターネットの利用を許可するのではなく、「目的」を必ず与えてインターネット利用の許可を与えます。「目的」は何でも良いと思いますが、今回は「ゲームの攻略のためにインターネットを使用する」と設定します。許可と共に与えるのが報告書作成義務です。お子様にインターネットで調べた内容を必ず「報告書」に作成させます。例えば「ゲームタイトル」「何を見たのか」「その動機は」「何がわかったのか」「知らなかった言葉は」「その知らなかった言葉はどういった意味なのか」「その知識はどういった場面で役に立つと思うか」などです。具体的に内容を書いてもらいます。お子様には保護者様を説得させる目的ではなく、ただ単に調べた内容をアウトプットしてもらうだけです。保護者様はその「報告書」をもとに質問を仕返しても良いと思います。保護者様からの質問に答えることが出来なかった場合、お子様はきっともう一度調べると思います。なぜならば、好きなゲーム内容に関してだからです。もし調べなかったのでしたら、お子様のゲームに対しての熱意がそこまではないのかなと判断できます。
また、履歴を確認します。お子様の「報告書」内容と情報源が一致しているのかを念頭に置きます。ゲーム内容と関係のないサイトを見ていたのでしたら、こちらから追求します。「ネットサーフィンなのか」「間違って広告を開いてしまったのか」「はたまた意図的なのか」などです。履歴を消してしまったのであれば、インターネット利用は禁止にします。「証拠を残さない」行動には、何かしらの後ろめたさがあると判断します。即中止、即解約します。お子様が友人関係に亀裂が入ると言い訳をしてきましたら、その友人宅に電話をして保護者様自ら、その友人自身に(友人の保護者様ではなく)解約の旨を伝えます。
インターネットの利用は諸刃の剣であるという考えがあります。しかし、私はそうは思いません。インターネットは草薙剣です。使いこなすことを考え、それに向かって努力をする。学業と同じ感覚で良いのです。間違い、修正し、向上する。英語の小学生必修化と同じように、インターネットもまずは小学生から解禁をしてみて経過観察をし、お子様に良い方向に働いているのか、悪い方向に働いているのかの判断をする。これは大人の仕事です。