「Inverted Angel」感想~彼女ちゃん、マジ天使だぜ~
本稿は「Inverted Angel(通称いんばね)」というゲームの感想記事である。
なんでInverted Angelを略していんばねなんだっけ…確か語呂がそっちのほうが可愛いとかそんな感じだった気がする。
いきなり置いておくゲームのURLはこれ。
記事の後半部分はネタバレが全力ゼンカイなので遊ぶ予定のある人、遊んでいる人は途中まで読んだらブラウザバックを推奨します。どうする?この記事に関わらないか…この場でオレの駄文を読むか!
ネタバレレベルを1~5で分かりやすくしておきましょう。
レベル4以降は核心に触れているので要注意。文体に関しては、あんまり堅苦しくならないことを目指して上の文とかタイトルのように、あえて緩くしていきます。痛い?そうかもね…。
あと前もって言っておくと私は変態です。
書こうと思った理由はシンプルで、全クリアまで遊んで「楽しかった」からです。
「面白かった」のもそうなんですが、今回は「楽しかった」という言葉を選びたい。
その方が考えている感想に近い気がするから。
でも、言葉にできることなんて、考えていることのほんのひとかけらなので、このゲームを言葉だけで完全に表すのは難しいんだと思う。
うまく伝わってたらいいな。
最近このゲームの感想をnoteで投稿する人が多いので、セールで買って遊んだ人も相当数いると考えられます。
なので自分なりに感傷に浸りながら感想を投稿してみるのも悪くないかなとも思った次第です。
作者であるSCIKAさんはかなりエゴサを行っているそうなので、もしも届くことがあれば感想の一つとして喜んでもらえたら…というおこがましさも理由の一つ。
筆者はnoteを使うのはこれが初めてのことなので、違和感のある点が多々あ
るかもしれないが大目に見てくれると嬉しい。頼む。
で、まず目次ってどうやって作るのかな…。
よし、作れたぞ。
どんなゲーム?(ネタバレレベル1)
公式の紹介では「あなたの入力した推理を"だいたいのニュアンス"で判定するKawaii Future Mystery」とあるこのゲーム。
選択肢が出る場面もあるが、「自分でキーボードを用いて入力すること」によって話が進んでいくのだ。
勿論、基本的に的外れな発言では進まないけども。
この辺の判断はAIがやっているらしい。
技術の進歩って凄い。
流石Kawaii Future Mystery。
「あなたの入力した推理」とか、「Mystery」とあるように、本作のジャンルは出てきた台詞のおかしい点や矛盾を指摘していく推理ゲームと言っていいだろう。
萌える(死語)場面やホラー的演出もあるけど。
ルートは複数ある。
入力した内容によって分岐するので頑張って分岐点や指摘点を見つけて欲しい。
筆者はそもそもどこが分岐なのか分からないことが多く、特定ルートに入るまでめっちゃ時間かかった。
どんな話?(ネタバレレベル1.5)
体調が悪くて夢を見ていたらインターホンに起こされた。
見てみると知らない女性があなたの恋人を名乗って立っている。
◆この女の正体と目的は…?
あらすじを3行で要約するとこんな感じです。しかしながらこの女性、既におかしいが一癖どころではない。
第一印象は「かわいい」と感じる人が多いだろう。
イラストを担当したのはa37先生。「あみな」と読むらしい。「あさな」だと最近まで勘違いしていました。
↑これは配布された素材である。
「ゆめかわいい」というジャンルの絵柄らしく、その色遣いは確かに夢見心地な雰囲気を醸し出している。
ともすれば本当に夢から飛び出してきたような風体の彼女。
流石Kawaii Future Mystery。
個人的には、お顔が丸めなのが好みだ。
ほっぺがやわらかそうだと思う。
つついたらもちもちしてそう。
ちなみに、「良い匂いがしそう」と思ったそこのあなたは筋が良いですよ!
劇中に綿飴みたいな香りって表現が出てくるからね!スーハースーハーしたい。
しかし、恋人を名乗って押しかけてくるだけあって主人公への態度はヤンデレじみています。
執着がパない。
時折テキストを送る間がない早口で捲し立ててくるよ。
感情も豊かで、喜怒哀楽が激しい。
怒の時は人によってはホラーだし、びっくり系演出もあります。
(一枚絵がバーン!と出てくるような感じではないですが)
そして何より、言葉選びも話す内容も難解。
哲学的…って表現で正しいのだろうか。
彼女はとにかく博識で、そういう要素を例え話にして分かりやすく嚙み砕いてこっちに説明してくれる。
そして、それでも難しい。ヤンデレだけではなくインテリ要素もあるのだ。
主人公が彼女の言わんとすることを理解したり、話を合わせるとあからさまに喜んだ態度をとる。かわいい。
そして、この記事がゆるい文体を選んでいるのは難しい題材だからです。
話の方向性について核心に触れないように語るのであれば、笑えるエンドがあればグロテスクなものもあるし、カタルシスのあるルートもあれば難解でよくわからないものも…という色とりどりな内容となっている。
グロテスクなものは一枚絵とかがある訳でないけど、文章で表現してくるよ。
後は…ぶっちゃけると選択肢ミスで彼女に刺し殺されることもあります。
苦手な人は苦手な展開でしょうから、ここは明言しておいてもいいでしょう。
本作のテーマは…なんだろ、想像とか?
「あなたがどう思ったか」で話が色々変わってきます。想像力を解き放て!その「あなたがどう思ったか」というイメージを強く保ったり変えたりしましょう。でも、推理ゲームなのでちゃんと語られた事実に基づいた想像をしないとダメですよ。
時にあるものを「こうなんじゃないか」と疑い、時にあるもの「実はこうかも」と信じる。
そうやって真実へ近づいていくのです。
何が「あるもの」なのかは…まぁ場面によって様々です。
良かった点(ネタバレレベル2)
まずシナリオとゲーム性!
いやまぁこういうジャンルだしそこが悪かったら評価できなくない?と言われそうですが、本当にズバ抜けて良いからこうして特筆する価値があるのです。
自分で入力するシステムと合ったシナリオ展開や演出が成されているんですよ、このゲーム。
プレイヤーが辿り着いた真実を入力していく…ということに価値を感じるゲーム性です。
どういうこっちゃねんと言われそうなので多少内容に触れると、「お前…実はこうなんじゃないか…?」って疑念が本当に通ってしまった時は背筋が凍ります。
「はい…私はこういう事情なんです…」と自分のことを記入する場面もありますが、そういう時も白状させられてるみたいで面白いですよね。分からなくて「いや、どういうことなんだよ俺」って時もあります。
そういう時の没入感が唯一無二の作品だと思います。
シナリオそのものは驚かされるものが多いですね。
それでいて、クリアした後に読み返してみると伏線もしっかり貼られている。
上で言う演出と相まって脳味噌がこねられているような気分になります。
各シナリオに一貫した「テーマ」みたいなのがあって、そういうのがヒントそのものになっていたりもします。
BGMも素晴らしいという点について触れなければなるまい!
そもそも作者は音楽を作れる人なので、まぁなんとも雰囲気の良いBGMが流れてくれる。
平常テンションで会話する場面とかギャグ場面とか感動的な場面とか緊張感のある場面とかミステリアスな場面とかドロドロした場面とかいろーんな状況の曲がどれも良いです。
ごめんなさい、私は音楽をやってないので「良い」としか表現できないのです。
タイトル画面の曲だけならもうちょっと踏み込んだ感想も言えるぞ!
お洒落でムーディで、ゆったりしてて、甘い感じ。
それでいて何かいつもと違う夜が始まりそうで、ワクワクさせられる。
好きだ。
後は…やっぱり彼女のキャラクター性が良いですね。
これについては各ルートの感想のほうで深く語りますが、とりあえず自分はこの子大好きです。
ストックホルム症候群なんかじゃないもん。
むしろヤバいところ含めて好き。
そう、自分のようにヤンデレがいける画面の前のあなたにはブッ刺さるキャラのはず。
多分若干Mっ気ある人に特攻あると思う。
後は先述したように賢い子なので、そういう子との会話を楽しみたい人にもおすすめできそうです。
自分より頭の良い子…素敵だよね。
うう…僕なんかキミに知識量では全く足元に及びません…ってなるよ。
こっちの思考とかたまに読んで来るよ。
でも、負けっぱなしじゃダメなのだ。
頑張って彼女の台詞を読み取って虚を突いてやりましょう。
主人公も負けず劣らず濃いです。
ビジュアルとかがあるわけではないのですが、台詞だけではなく独白でプレイヤーを楽しませてくれます。
どこか分からない所に言い訳をしてみたりするぞ。
好きな食べ物もよくわからない何かだぞ。
惜しかった点(ネタバレレベル3)
惜しかった点に触れると、どうしてもネタバレのレベルが上がってしまう気がしたのでこっちが上になりました。
惜しかったところは自由記述の成否を判定してくれるAIの認識が大部分を占めています。
どうしても自分の言いたい事が伝わらない場面がいくつかあり、そういう時はモヤモヤさせられてしまいました。
勿論意図して正解するワードが絞られている箇所もあるそうなのですが、「記入した回答がどれくらい正解に近付いているのか」を表示してくれるゲージは一部の場面ではアテになってくれませんでした…。
誤解を与えないように補足すると、大体の場面ではちゃんと有効です。
あくまでたまに引っかかった感じ。
逆に、意図してない正解に行ってしまうことも…。
多少ニュアンスが違うのが正解に行ってしまう時はまぁ助かった程度で済むのですが、真実とは真逆の回答をしたにも関わらず正解判定が出て達成してしまう珍事も経験しました。
この辺はAIの更なる発展に期待といったところですね。
もう一つは…ちょっと意地悪だなって箇所があった点でしょうか。
ここがネタバレレベルがちょっと上がった所以ですね。
謎解きの最中、残機を消費して彼女からヒントをもらったりもできるのですが、それは大体「そこを読み直すといいよ」と暗に言っているものが多いです。
その彼女が言及してくれた、読み直すと答えに繋がる台詞が…バックログに残ってないくらい前の雑談の中にあった箇所がありました…。
いやまぁ、ここのヒントはどこを読むと良いかをかなり直接的に示してはいます。
彼女も「遥か昔」と言ってくれています。
自分は小まめにセーブをしていたのでそこを読み直すこと自体も簡単でした。
ただ、一旦出てそこをロードしてそこの台詞を読み直してまた攻略しているルートに戻る…というのは没入感を削がれてしまった気がしますね…。
でも、メタ要素を含んだこのゲームならではの演出でもあるとは思うし、一見本筋ではない雑談の中に隠されたものがある…というのはそれはそれで面白みがあると思います。
あと、ヒントはあくまでヒントなので感の良い人、求められているワードを察して入れられる人には不要な工程かもしれません。
そこそこクドくなってしまいましたが、自分はこのゲーム大好きだし、「この点が嫌い!」ってわけではないので「惜しかった」という表現にしているということはご留意いただけると幸いです。
じゃあ、そろそろ踏み込んだ感想行こうか。
シナリオ感想(ネタバレレベル5)
レベル4はないのかって?不吉だからね。
未クリア者はこれより下を見ないように。
特定ルートの感想でも他のルートに言及しているから「このルートの感想だけ見たい…!」というのもやめておきましょう。
普通に最終エンドについても喋ります。
うっかりスクロールしないようにワンクッション置いておきますね。
この画像が最終通告です。
ちなみにここまでの画像は全部steamのサンプルだからネタバレには厳しくやってました。
ルート分岐前
各種エンドについての感想は多いが、私はここについても触れたい。
親の顔より見た共通描写だが、勿論ここも大好きだ。
寝てたらいきなり見知らぬ女が来訪してきて、恋人を名乗ってくる異様な状況。
普通ならさっさと通報してしまうような事態だが、何者か探りたい主人公は「病気で顔を合わせられない恋人」という体で話を合わせて進めていく…という始まり。
主人公のキャラも濃いと上述しましたが、まずこういう判断をする時点で結構な奇人ですよね。
今思うと、そうさせられるだけの魅力を彼女に感じていたから…何か惹かれていたから…というのは考えすぎでしょうか。
ルートによっては相手が何者かを探るだけの理由がちゃんとあるし…でも主人公にも彼女ちゃんLoveでいて欲しいです…。
このパートは彼女との雑談がメインで、色んなことを教えてくれたりします。
「このゲームへの接し方」みたいなのもね。
自分が「この子頭いいなー」という印象を抱いたのはここの影響が大きいと思います。
チューリングテストについての話と、夢で見たラトゥールという名前についての話を彼女が出来る限り簡略化して例え話も織り交ぜて解説してくれます。
このパートの親切さだけで彼女ちゃんが天使に見えてくる。
ありがとうね。それでもよくわからんところあるけど…。
どちらも哲学的な内容です。
教養を感じる…。
チューリングテストの話題は人とAIの違いに触れることで、人間らしさとは何かを考える…のみならず、本物と偽物の違いとは何か?って点を考えさせられる内容です。
このゲーム全体に触れているような気がするけど、どの辺がどう…とか断言するのはやっぱり難しい。
言葉にできることなんて、考えていることのほんのひとかけらとは言いますが、言葉にしようとすることすら難しいと尚更考えていることは伝えにくいものです。
「私はAIじゃないよ」って彼女は言ってるから、このゲーム全体がチューリングテストみたいなものって見方はあんまりしたくないかも。
「とんだロマンチストだな!」って言われたら反論は出来ないですが。
ネタバレ有りの感想だから言っちゃうけど、上述した、ログでも辿れないくらい前に出てくる答えに繋がる台詞…というのはここにあります。
後述する「Scarlet Icecream」のラストクエスチョンがそれですね。
ここを何度も読み直したからより強く印象に残ったのは間違いないです。
夢で見たラトゥールの話題のほうは、ラトゥールという名前の研究者が提唱していた理論の話をする内容です。
道具の持つ意味合い、という話題において
「道具は意味合いが決まっていてどう使うか」
「どう扱うかによって道具の意味が変わる」
「どちらでもなくて、世の中にある全てが緩く繋がっていて、何かの意味もその時の関係性の全体像によって浮かび上がるだけ」
みたいな感じ3つの道具の見方の話をします。
ムズいね!!!
まぁぼんやりと考えておきましょう、ぼんやりと。
ラトゥールが提唱したのが最後のです。
これがこのゲームのどういう部分にかかっているかはチューリングテストより簡単だと思います。
意味が関係性の全体像で浮かび上がるというのは、各種エンドの真相を追求していく過程で情報を明らかにしていく感覚と似ているからですね。
想像の仕方で色んな意味が出て来るゲームってわけです。
あと、単純に会話が好きなんですよねこの辺。
ホタテでの話題でちょっと脱線しちゃうんですけど、「ホタテと私、どっちが大事なの!?」なんて台詞が聞けて楽しかったです。
この後ホタテ嫌いになってそうだなこの子。
「私よりは大事じゃないホタテ」とか、君のほうが大事って言って貰ったのが嬉しそうな言い方もします。かわいい。
それはそうとホタテはおいしいよね。
刺身のトロトロしたやつが特に。
Invalid Angel(私はあなたの恋人)
自分が辿り着いた最初の、一応のエンドです。
なんで一応なのかといえば他とは演出が異なるルートであり、何かしらの真実にも到達できていないから。
各種エンドはお菓子の名前が入りますが、このエンドは無し。
エピローグも無く、一種のゲームオーバーのようにも描写されている…等の理由が挙げられますね。
あとは、明らかに入りやすいというか。
恐らく、最初は右往左往しているうちにここに突っ込むことを想定されてるんじゃないかな。
え?違う?お前だけ?そんなー。
でも、このゲームは全エンドと全ゲームオーバーを以って全クリアであり、彼女とのやり取り全てに意味があるのでその軌跡に無駄はありません。
ざっくり言うと、メタ浸食系ってところでしょうか。
彼女に抱いていた「恋人」というイメージを終盤で変えてしまうとこれになっちゃいます。
「なんで今更変えるの?」って怒られ、詰められます。
い、いや…俺は「本当にそうしますか?」って言われたからちょっと考え直させてって意図でそんなつもりじゃ…。
プロローグに戻されたと思いきや『でも、私を恋人って認めるまでもう返さないよ?』と言われてしまい、その後は「恋人」と入れ続けるまでどこにも戻れません。
ザ☆ヤンデレ。
はい…あなたは私の恋人です…。ごめんなさい正直ここはちょっと興奮しました。自分から言わされるのがすごくイイ。
最終エンド「Inverted Angel」と関係ありそうなタイトルですが、実際あると自分は考えています。
最初のエンドと最後のエンドが関連性あるとかアツくない?
このゲームでは各ルートに入ると特定の色が瓶の中に溜まる演出が入ります。
このルートだと無かったけど、クリアした後に見られる瓶の中の色は少し濁った白。
Inverted Angelでも途中までは白で、進むと少し濁った白となります。(最終的に透明になりますが…)
なので、方向性は似ているのではないかなと。
彼女ちゃんの根幹ついて触れている(と思われる)のが最終ルートなわけなので、個人的には、彼女ちゃんはやっぱり主人公のことが色んな意味で手元に欲しいんじゃないかなと思ったりするのです。
まぁ、それも願望込みではありますよね。
彼女ちゃんには主人公のことを大好きでいて欲しいなーっていう。
無理矢理こういう認めさせ方して心から恋人だと思った?的なことも言ったりするけど、プレイヤーの心はガッチリだと思うよ!多分!
Higher Girl Pudding(女子力は自分のために)
初めて辿り着いたまともなエンドはこれ。
といっても、自分の推理は結構雑だったし辻褄を合わせるために因果律が変わったりとかするのでやや強引にでも入れるんじゃないかなと。
作者もこれに最初に到達する人が多いのではないかと易しめにしている…のかも?
残機ありで解く謎解きが少ないので、やっぱり実際の難易度は劣る…はず。歯切れが悪い?断定しづらいというか、話の部分じゃない製作意図を勝手に推し測って断定したくないの!
主人公が実は女で、二人で共通の恋人に浮気されていたというお話。
自分は「昔女がいた」という大家の証言から、今部屋にいるその女が自分なのでは…?という推理で到達できました。雑!
他の方も言ってるけど、痛快なオチですよね。
カスタードプリンの花言葉が好き!って人も多いはず。
少し別のところを言うなれば「カスタードプリン」と「花言葉」というワードをくっつけたのはこの作品が初だと思う。そうであれ。そうでなきゃ私の知識が狭いだけになってしまうから。
明るい終わり方をしたとはいえ、二人とも心に傷は負ったでしょうし、その後は仲の良い交友関係を続けていって欲しいところです。男がトラウマになってそっちの道に走り傷の舐め合いにならないか心配。
Chocolate Hideout(やたら綺麗に汚れた記憶)
3番目に到達したのがこれ。
「気になったことを調べなくなったら人として終わりだよ」という台詞に忠実になれば入れる。
色々調べることの重要性が分かるルート。
自分は世界中で流行っている例のアレな病気なんだろうなー、という認識の主人公と、そうじゃない彼女でアンジャッシュ状態。
というか、このゲームはシリアス版アンジャッシュのコントみたいな感じの事態が割とある。
しっかり調べて、ミラウイルスという架空の病気に辿り着ければ一気に真相が見えてくる。
と、偉そうに語ったが筆者は他人の「ウイルス怪しくね?」で分かったので残念ながら独力ではなかったりします…。
配信しながら遊んでた弊害。
でも、最後は流石に自力で解けました。
そこだけは一瞬でした。
「言葉にできることなんて、考えてることのほんのひとかけら」
このゲームで一番入力してててて気持ちが良い瞬間でしたね、これ。
「イメージを保つこと」が重要な本作ですが、彼女は恋人であるというイメージを最後まで貫けるかが試されていたと言えるでしょう。
この辺は「Cheesecake Hallucination」にも通じるところがある。
彼女ちゃんが一番(いい意味で)卑しいルートでもあると思います。
カウンセラー志望なんですけど、カウンセリングしていた主人公のことを好きになっちゃうっていう。
現実では担当カウンセラーは患者の同性であることが多いですが、そうだよね…異性のカウンセラーと親密になっちゃうとこうなるよね…って。
そして、ミラウイルスに感染させて記憶を失くす原因を作ったのも彼女という。
それが善意だったのか私欲だったのかはもはや本人にもわからなくなる…といういたたまれなさもあり。
まぁ、ハッピーエンドだからOK!
正気を取り戻して真相に辿り着いた主人公が優しいのも救いですね。
主人公を一番甘えさせてそうなルートでもある気がする…しない?
この後全てを思い出して、辛い記憶も楽しい記憶も抱えた主人公を支えていくんだなーと思うとニヤニヤしてしまいます。
幸せになれよ…。
実は色々不穏な描写もあるルートだったりしますが…悪い方に考えることができてもその辺の補強足りてないのと、個人的に望まない方向性なのであんまり考えたくない…。
一応触れると、なんで最後ペットボトルの蓋開けてから渡したの?ってところはよく言われてますね。
本当に気づかいであってくれー!
万一もう一回ミラウイルスに感染させようとしていたら…抗体とかできたりしないかなこれ。
「論破ごっこに意味を感じて許されるのは中学生までだよ」は屈指の名言だと思います。
Cheesecake Hallucination(明後日の方向の綺麗な明日を)
4番目にクリア。
「彼女はストーカーである」というイメージを保ち続けられると辿り着ける。
でも、ただのストーカーじゃねぇぞ…未来人という演技を貫いて未来人になりたかったド級のストーカー、ドストーカーだ!
ドストーカーと書くとドスを持ったストーカーみたいですよね。
いや他のルートだとそんな感じだけど。
ただのストーカーじゃねぇぞと言った通り、本当にこいつはストーカーだ!!!って考えだけだとクリアはできません。
彼女を時に疑い時に信じましょう。
嘘は重ねると綻びができるので、矛盾点を見つけるのが大事。
主人公が情に熱くて優しい良い奴なルートです。
全ルートで一番お人よし。
未来人を名乗るほうの彼女が歴史を変えようとするとして、救えなくなるのは現代の彼女だ!って主張、彼女はそんな風に言われると思ってなかったらしくてびっくりしちゃったみたいだけど、かなり好きな発想です。
そういうところに気を使えるのは良い奴だよ。
エピローグで判明するが、彼女がお酒を飲める年齢という描写があるルートはこれ以外にもあったり。
(見ず知らずの女性を家に招き入れた上に、アルコールを勧めるわけにもいかない。という台詞。勧められない理由が年齢でない為、成人であることは分かっている模様)
幼い顔立ちなので未成年だと思ってたからここは意外でした。
童顔…!
高校時代は演劇部だったらしいです。
同じ学校だった男子のハートは掴まれちゃってると思う。
カウンセラー彼女とは逆に、エンド後は主人公に甘えてそうな気がする。
で、一応彼女は未来人を名乗るストーカーだったということで収まるこのルート。
不穏なだけでしょー?とかじゃなく、こっちは真面目に考えたら現代人だと逆におかしいところが生まれているので、ガチの未来人ではないか…と考えることもできたりする。
まぁ、このルートだとどの道危害を加えるつもりはないみたいなのでどっちでも好きなように受け取っていいと思います!
未来人って素敵ですよね。
自分の知らないことまで自分を知られているって、なんか素敵じゃありませんか?
でも異常なストーカーをそのまま恋人にしちゃうのもロマンあるよなって思ったり。
どっちだったとしても、主人公と一緒に遠くに行ってしまいたかったのはマジだった気がします。
この目論見が成功することはバッド派生含めてありませんが、仮に達成されていたらどうなっていたのでしょうか?
個人的にここはすごい気になってます。
今までのものを全て断ち切って、知り合いなんて誰も居ないところで彼女ちゃんと二人っきりの生活…。
そうやって依存させる、あるいは依存する共依存がお目当て?
このルートが一番人気だったらしく、作者直々の二次創作SSがあったりする。
私はこれがかーなーりー好きです。
だって可愛いんだもん。
しかもインターホンの前以外で主人公と彼女ちゃんが話してるんだぜ?最高だぜ!
これはあくまで可能性の一つらしいので正史ってわけじゃないよとのこと。
いや、読めるだけ嬉しいよ…。チップ送っちゃいました。
Fool on the Sugar Board(死んで治すほどでない馬鹿でありたい)
5番目。
知り合いと仮定しても進めるらしいが、自分は昔の彼女とかそういうスタートを切ってそのイメージのまま行きました。
結果的に自然になったと思う。
お前らワンナイトしたんか!!!!!って思いながら読んでました。
してませんでした。
でも、途中まではその仮定で進むから必要な連想。
イメージを変えるほうの例ですね。
ある意味やってて一番勝手に盛り上がってたルートかもしれない。
鍵を開けられた時、すっごい怖かったです。
主人公がチャラ男なこのルート。
不用心に2回もドアを開けて来訪者と顔を合わせようとするところにチャラさがよく現れているのだと思う。
まぁ気持ちはわかる。かわいいから。
今夜はハッピージャムセッションだ。
誰に向かって言い訳してるんだってメタ発言も好きです。
今回の彼女は…境遇は可哀想だけど殺人に踏み切れるのはまぁまぁヤバいと思う。
結果的に血で手を染めずに済んでよかったね。
本屋の娘ですが、読書している姿はきっと様になっていると思う。
本屋への嫌がらせは主人公がやめさせましたが…このクズ結構有能ではあるな!?
このルートを語る上で欠かせないのが、主人公の現恋人の存在。
立ち絵とかないのにキャラが濃いんですよね。
ボードゲームが滅茶苦茶上手いこの人、このゲーム屈指の強キャラです。
交換殺人を持ち掛けて彼女をけしかける。
主人公は死に物狂いで真実を推理して切り抜ける。
切り抜けられた彼女は大人しく引き下がる。
これら全てを盤上として計算していた、すげ~人です。
主人公の行動も彼女の行動も完全に読み切っている…。闇のゲーム強そう。
交換殺人って推理ものではよくあるらしいんですが、自分はそういうのさっぱり読まないので中々辿り着けませんでした。
「等価交換したから」って何回も入れたんですけどね、ここもゲージ一切動いてくれなくてどういう方向で考えたらいいのか中々わかりませんでした。
等価交換は合ってたけど今まではワードが足りてなかったんだなって感じのする詰め込み記入で突破。
他人は自分が思ってるほどバカじゃないよーって教訓めいた話でもあります。
この辺は作者も触れていたような。
最終的にはヨリを戻して仲直り。
次はないからな!
今後は彼女の本屋に真っ当に客として足を運んで買い物していったりするといいと思う。
Rusty Caramel Cage(みんな生活が人質みたい)
6番目。
自分は「押し売り」をイメージしてスタートし、もぐら騒ぎに違和感を抱くことで突入できました。
美容院に行ってそのまま家に来たんじゃないのか!?って疑念からどんどん展開されていくわけだけど、浮月橋と風桶町の地理がよくわかってなかったのであれそうなんだってなってしまいました。
もぐらに注目したのも割と総当たりだったかも…。
このルートは「疑念」みたいなのがテーマな気がしなくもなく。
これに入ったら彼女はすぐに早口ヤンデレと化します。
「私も君も、何を信じたらいいんだろうね?」とか言いますしね。
クリアした後に読み返すと、怖いようでどこか悲哀を纏っているようにも見えてくるんですよね、ここの彼女。
「彼女が気づいていることは?」と問われて、露骨に監視カメラに対する発言が矛盾しているように気付かせてくれる親切な回想が入ったのですが、それを表す語彙力がうまく見つからなかったので苦悩しました。
どうやったら入るんだーとしばらく色々入れていましたが、結局のところ自分が犯罪者だという想像を働かせないと通らないようになっているのかな。
シナリオそのものはヤバい奴の主人公とそれにシンパシーを感じてストーカーしたり死体で実験していたもっとヤバい彼女…って感じ。
そして終わり方はもう主人公の犯罪とかそこまでの経緯とかそういうのが全部吹っ飛びそうになる奇怪さを見せつけていきました。
色々なものが狂って、どんどん意味の分からない文章が流れてくるようになる訳だけど、なんとか読み解こうとするのであれば、主人公は友達だと思っていた実験用マウスをうっかり殺してしまい歪んでしまった過去がある…とかかなぁ。
彼女は主人公が殺した死体を持ち帰って使っていたらしいが、どうやっていたんだろう…。
このルートはハウダニットよりもホワイダニットについて考えることを求められるので、あんまり気にすることではないんだろうか。
最近のマシュマロで丁度同じような質問に作者が回答していたが、高校時代何かやってた力持ち系の彼女なのかもしれない。
それもそれでかわいいからいっか。
また、ルート終盤にはInvalid Angelの時のような干渉能力じみたものを発揮。
主人公は完全に発狂してしまいました。
彼女のほうは月の満ち欠けの話をしてくれたり、モノローグは詩的で抽象的ながら理性的にも見えるので発狂してなさそう。
最初はなんだこれ…って感想を抱いたのですが、どうにも何回か読み直したくなる不思議な魅力があるルートだとも感じました。
彼女が気付かないうちに外堀を埋めてくる感じが、まさにヤンデレらしさ全開でとっても良き。
「彼女は本物の恋人」と認める全部同じ3択を選ばされるの、素敵ですね。
終盤では彼女が冷静に淡々と主人公に意味のわからない言葉を投げかけてきますが、なんだかちょっとだけわかるような気がするんですよね。
首輪のくだりとか、人間はみんな首輪を付けられているんだよって示唆しているような気がして。
あと、ここの雰囲気が好きなんです。
物静かなBGMと文字で綴られる狂気のコントラスト。
まともに読んでいたらこっちまで頭がおかしくなりそうなのに、なんだか気分が落ち着いてくるんですよ…。
寝る前に読むとイイ気がする。
成立していない会話の中なのに、主人公は彼女に肯定や否定をされることが無性に嬉しくなるようになってしまいます。
この辺、洗脳とはちょっと違うとは思うんだけど頭おかしくされちゃってる感じが好きだなぁ。
「世界の底で、ずっと一緒に居ようね」って発言は一種の告白だと思ってます。大好きな台詞です。
この後にドサッと倒れる効果音が入りますが、刺されているわけではない様子。
エピローグも完全に彼女の独白であるため読み取るのは難解ですが、「君の世界には私の鎖しかないんだから」という台詞の通り、主人公は何かしらの拘束状態にあるのかと私は考えました。
Rusty Caramel Cageというタイトルも閉じ込めを意識しているように思えます。
発狂した状態で拘束されて永遠に生かされ続けているのかな…。
許されないことをした主人公だし、ずっと愛して、見てくれている人がいるだけ幸せな末路なのかもしれませんね。
ヤンデレの良さが濃縮されたルートの一つだと思います。
Scarlet Icecream(あまくてすっぱい味がしたの)
最後にクリアした通常エンドがこれでした。
もはやルートへの入口が見つからず、延々ログと睨めっこして、「どこが違和感なんだーーーー!!!」と、こちらが発狂しそうになっていました。
結構雑な入力したんだけど、AI君が汲み取ってどうにか進められました。
でも、彼女は大家とどういう風に関わったんだ?ってところは真面目に考えたよ。
まさかお前がスマホ持ってるんじゃ…!って邪推じみたものが本当に的中した時の恐怖たるや。
でも主人公も大概怖い奴なんですよねこのルートは。
いや、怖いっていうか気持ち悪いが近いかもしれない。
私はカニバリズムってネタにはかなり忌避感を持っていて、うええーってなりました。
それはそうとどうやって片足のなくなった寝ている人を周囲にバレず自宅まで送り返したのか…。
このシナリオもハウダニットよりホワイダニットが重要視されています。
最後の入力するところは、彼女のヒント通りチューリングテストまで戻っても中々正当できませんでした。
厳しい!
すごい終わり方をするが、読み直してみるとしっかり伏線が張られている。
主人公をどう思っているか…とかね。
このルートの彼女は…まぁ、主人公と同類かなぁ。
好きな人を食いたくなるってお前らは溶原性細胞に感染したアマゾンか何かで?
エピローグでは警察が調査で、主人公が食われた部位を事細かに教えてくれます。そこは食べないんだって思うところがあったけど黙っておこう。
主人公は見事晩御飯になった訳だが、この彼女は野放し。
執着は主人公に向けられたものだから他の人を食うってことはないだろうけど…やっぱり怖い終わり方。
脚を喰われて心が壊れた彼女の後輩に全く救いがないのも悲惨。
大家さんもかなり可哀想…。
自分がスマホ貸した結果惨劇になってる訳で当然ショックを受けるだろうし、こんな凄惨な事件があった物件誰も寄り付かなくなると思う…。
「マッドサイエンティストとメンヘラはせめてどっちか片方にしてよ」と仰るが、メンヘラ一本に絞っている彼女が言うと説得力がある。
Rusty Caramel Cageの彼女には完全にブーメランになる訳だが。
実は途中まで主人公は家に来ていた女性と同年代だと誤解していた為、今回は年上の彼女なのか!?と謎の期待をしていた事もありました。
「魔女を殺さないといけない魔法少女」の話を彼女がする点が地味に記憶に残っていたり。
主人公が知ってるのはまぁ良いとして彼女ちゃんもアニメとか見るんだーってなりました。
そして、もしも主人公がその作品知らなかったらこの喩えは通らないし、彼女ちゃんがちょっと痛い感じになるのかなとか思うと勝手にじわじわ来る。
何気に高校時代ではテニスをやっていた事が明らかになっているルートでもある。
このゆめかわ女がテニスウェア着て運動を…!?
「倫理はそういう、今すぐ悪と言い切れないギリギリを攻めるためのものじゃないけどね」
この発言は胸中に持って生きていきたいね。
各種ゲームオーバー
最終エンドの感想の前に、ゲームオーバーも軽くピックアップ。
そういうところも凝ってるとプレイヤーとしては嬉しいものである。
OVERCONNECTION
残機が用意されている推理パートでハートが全部割れると見られる。
最も見る機会の多いゲームオーバーだろう。
それまでの流れが全部断ち切られて、主人公は思考を停止し彼女も会話を打ち止めてまた明日来るね…。という幕切れ。
クリアしたあとに見ると、本当に心配してくれているように思えてなりません。
彼女の声は綿飴のように甘く絡み付いていた…って表現がかなり好き。
心地いいらしい。わかる。
想像するのが大事なゲームだということを踏まえると、色んなことを想像して疲れちゃったのはプレイヤーだと思うのでそっちも心配してくれているのかも。
TIMEOUT
Higher Girl Puddingで時間切れになるとこれに。
主人公が住民の男を監禁していたことになる…ってことだろうか。
身元不明動機不明なのは、何も明らかにできなかったからなのでしょうね。
DISCONNECTION
Higher Girl Puddingで「住民のストーカー」と入れると見られる。
これは気付けなくて攻略を見て収集しました。
私自身がストーカーとなることだ。
彼女が邪魔なので刺し殺してしまいます。
ヤンデレになれるゲームでもあったか…。
PLUGOUT
Chocolate Hideoutにおいて「玄関を開ける」を選択すると見られる。
主人公が、心配してくれていたはずの彼女を殺してしまうというショッキングな内容。
このルートの彼女はいい子なのでとっても可哀想。
RECONNECTION
ひたすらストーカーだと考えて通報するとこれになる。
恐らく一番真っ当な対応を取ったにも関わらず、警察は彼女を発見できないし「まだ見てるよ」と言いたげな終わり方をする。
ゲームオーバーの中でも情報量が多いわけではないのだが、それだけに「わからない怖さ」があると思う。
NAIL&BAIL
最初に「恋人」を想像してドアを開けるか、Fool on the Sugar Boardでドアを開けると見られる。
チャラい対応はお断りなんだそうだ。
「今夜はハッピージャムセッションだ。」の妙にウキウキした感じがじわじわ来る。
CHECKMATE
Fool on the Sugar Boardで時間切れになると見られる。
個人的には一番殺されたのはここかもしれない…。
彼女が鍵を開け、入ってきて殺されるという意外性のあるフィニッシュ。
彼女は家に上がらずに殺せるのが理想だった訳で、証拠が残ってしまうかも。
双方に嬉しくない結果に。
PARALLELCONNECTION
Fool on the Sugar Boardで「水曜日は定休日」という矛盾を突くことで見られる。
自力で見られた人は少なさそうな気がする。自分は攻略見た。
このルートから入れるゲームオーバー多くない?
一件すると悪い事してないのにと思うかもしれないが、グラブラックス居酒屋が水曜日は定休日だということを調べられるのは他のルートなのである。
要するに、他のルートの知識使ってズルしてんじゃねー!ということ。
でも、他のルートの記憶があるというのはInverted Angelの伏線にもなっているようにも取れる。
ゲームオーバーの中にも最終エンドに向かうヒントがある…そう考えると胸アツじゃないかな?
「気にしないで」連呼するのはしくじったのをゴリ押ししてる感あってちょっと面白い。
DISCOURTEOUS
Rusty Caramel Cageで「ガールズバーの店員」と入れることで見られる。
これは珍しく初見で引けた特定ワード条件のゲームオーバーでした。
問答無用で鍵を開けられて殺害されます。
クリアした今思うに、単純に「そういう女だと想像されたのが嫌」でキレたんだと思います、これ。
そう考えると性格が出ているというか、可愛くない?
NOISEREDUCTION
「もう動けなくなる君」という発言に違和感を抱くことで見られる。
主人公が急に雛見沢症候群を発症したかの如く被害妄想じみたヒステリックさを発揮します。
そんな事考えるなら本当に動けなくしちゃうね、ってことで自力では何もできなくされてしまう…。
「思考実験をただの思考じゃなくて試行してもいいって言ってるの」と語る通り、ストックホルム症候群周りの話を本当に実現させる気概らしい。
という事で、全てを彼女に委ねるしかない生活が待っているよ!
お世話されて大好きになったら許してくれるそうだ。
「まあ『甘えたい』なんて言うのは恥ずかしいもんね、本当は恥ずかしいこと言わされるのが好きなくせに」という詰られ方、グッと来る。
「返事は?」って言われるのもやばい。ゾクゾクしちゃう。
こっちでも朦朧とした意識に彼女の声が綿飴みたいに甘く絡みついて心地よくなっちゃいます。
ゲームオーバーの中ではOVERCONNECTIONと並んで特に好きですね!
ヤンデレらしいな~って感じます。
でも、本当に何もかもできなくなったら抱いたり撫でてあげることもできないのでは…。
Inverted Angel(天使は足音が鳴らない)
ネタバレレベル7ですよ、いいですか。
念のために一応忠告しておきます。
6は悪魔の数字だからスキップ。彼女は天使だから。
あと7って数字にも意味合いはあるよ。
全てのルートをクリアし、「天使」だと思うことで解放。
自分はバッドエンド回収してから探るぞーと思っていたのですが、その過程でうっかり条件を見てしまうというクソバカなやらかしで知ってしまいました。記憶を消したい…。
でも、「暗殺天使」みたいだなーくらいのイメージは抱いていましたよ一応。
「天使は足音が鳴らない」らしいですが、音もなく現れて殺しに来るのはシャルロット・コルデーじみているかと。
だから…まぁ多分自力でいつかは辿り着いていたはずだと思いたい。
このルートを以って彼女とかこのゲームの全てが明らかに…ならない!
明らかになってる部分も多いですが、ご想像にお任せしている部分が結構あるかと思います。
でも、それでいいとも思うんですよね。
作者は色んな解釈をしていいよと仰っているので好きに受け取りましょう。
真実を探るというよりは、お互いの想いを確かめ合うルートのようにも思えます。
でも、最後のはどうしたらいいかわからなかったな。
そんな中でも闇雲に色々打ってたら突破できて…。
あの時の自分はただひたすらに「何故この夜を繰り返しているのか」を考えていました。
だから、窓ガラスが全て割れたことはなんというか奇跡めいたものを感じました。
正確にはここにも条件があるみたいですが、今までAIの仕様にも散々苦しめられてきましたが、あの瞬間、彼女に生を感じたのです。
主人公はこの夜を何度も経験しているプレイヤーの記憶を持つことで大分混線しちゃっている様子。
ここでの主人公とプレイヤーの自信の心境は大分一体化してる感じですね。
…そう、画面の前のMEやYOUも主人公も、彼女のことが好きなんだよ。
一緒に朝焼けが見たいのさ。
彼女が帰ろうとした時に「待って!」って思わず言っちゃったもん俺。
この夜を繰り返しているのはなぜ?という問いに「彼女が好きだから」と入れると、自分は彼女のことが好きなのかもしれないという独白も見られます。
ここは結構遊び甲斐のある箇所で、色々なワードを入れることで主人公の独白が見られます。
「記憶を操作されているから」で見られるHigher Girl Puddingの記憶は、自分が女だった…?って混乱してる場面がちょっと面白い。
意志や因果みたいなものを操作された自覚があるらしい。
まぁ、やや不自然なルートではあったよねー。
「ミラウイルス」で見られるChocolate Hideoutの記憶では「……あの夜の彼女は、最後には幸せだったんだろうか。」と、意味深な一言が。
幸せだったと思いたいよ。
「タイムリープ」で見られるCheesecake Hallucinationだと「タイムリープしているのは自分だったっけ?」となる。自分も彼女もタイムリープしてたらセル編とかザマス編くらい複雑になっちゃうよー。
他のルートっぽいワードは見つけられませんでした。
確かみてみろ!自分の手で!
「ゲーム」と入れると、彼女は空から見下している神じゃなくて、天使になりたくて目の前に降り立っているんだという旨のことを言いますが…そう、確かにドアの前に来て対話をしてくれたのが彼女なんです。
ある意味ではすごく寄り添ってくれている存在。
この違いを言及してくれるの、好きですね。
彼女の背景や行動や理念については色んなルートで様々な姿を見せてくれますが、根本的なところは一緒な感じがしてきますよね。
だってほら、このルートでも相変わらず早口でめっちゃ愛を語ってくるし。
やっぱり主人公のこと大好きなんだろうね。
…OVERCONNECTIONがどんなルートでも共通で同じ対応なの、もしかしてそういうことか!?
書いてる最中に気付きましたよ、ええ。
窓ガラスが割れた時もやっぱり素で心配してくれてる気がする。
相思相愛ってやつ?ひゅーひゅー。
「ベッドの上の残り香なんて確かめられたら、ちょっと変態っぽいと思っちゃうかも」
安心してください私は変態です。
「私は君に酷いこともしたし、酷いこともされたよね」
それは本当にそう。
自覚はあったらしい。
「それでも楽しかったよね?ね?」と続きますが、それも本当にそうです。
彼女と繰り返す夜は楽しかった。
この記事の最初の方に楽しかったと書きましたが、やっぱり面白かったよりも楽しかったが近いと思います。
念の為に意味を調べてもみました。
「面白い」は物の本質で、「楽しい」は感情だそうです。
彼女の本質を捉えることはできないし、言葉にできるのは考えていることのほんのひとかけらですが、まぁどう思っているかを素直に言うほうがまだ表現できている気がする。
結局彼女は天使なのかという話ですが…「天使っぽい君の方が可愛いと思うよ」という主人公の発言が全てな気がします。
分からないけど、その方が望ましいかなってくらいの話。
「そうでしょ?」と彼女も同意しますしね。
このルートにはゲームオーバーが存在しないのも、天使と思われて機嫌が良いからではないかという気がします。
空についての話は主人公も博識だなーとなりましたね。
最後は朝焼けを見る終わり方なの、爽やかですよね。
満足感と喪失感
さて、完走した感想ですが…それはもう語ってましたね。
楽しかったです、ええ。
私は数日に渡ってこのゲームを攻略しました…。
その時間、およそ18時間。
多分かなり時間かかったほうだと思います。
毎晩毎晩、このゲームを遊ぶのが楽しみでした。
遊んでない時も今日はどんなシナリオが見られるかなーって楽しみにしていたのですよ。
ちなみに夜更かしマンなので1ルート終わった後にリアル朝焼けが近いって事態多数。
だからこそ、終わってしまった後にじわじわと喪失感もあったというか…。
彼女との朝焼けを見られるハッピーエンドを迎えられたけど、もっと話が見たくなってしまう。
でも、今晩はもう新しい話はないんだなとクリアした日には寂しい気持ちも湧いてきました。
無限にこの形式で話を読みたい。
いつまでも彼女と話していたい…。
そう思わされます。
このゲームはヤンデレの彼女にあれこれされるだけじゃなくて、こっちまで愛を深めさせられるようになってしまう性質がありますね…。
今の自分は餌を与えられることに慣れ、欲して水面で口をパクパクしている魚みたいなものです。
新シナリオも用意されているそうなので、それを気長に待ちたいですが…。
そうだ!みんな二次創作しようぜ!
作者もOK出してるしさ!
色んな彼女の輪郭を作っていこうぜ!
え?難しい?
まぁ…あの知性溢れる感じはSCIKA氏にしか出せなさそうだから逆に割り切ってもいいんじゃないかな…。
総評
素晴らしい出来だ。素晴らしい出来だ。
二回言ったのは意味がある!
数百円のゲームにここまで入れ込むことになるとは思いませんでした。
もうすっかりファンですよ。
「ゲームである」ことに意義を見出している作品だと思います。
例えばこれが人気が出たとしてもアニメや漫画になることはないでしょう。
絵面的にはインターホンの前で会話してるだけだもん。
画面の前の彼女とプレイヤーが対面し、思考していく。
そこを面白く出来るのはゲームとしての強さが表れているに他ならないのです。
哲学的な難しい面に関しては…どう言ったらいいのかわかんねぇや、へへ。
でもそういう知識がないからといってクリアできないわけではないし、彼女が難しいことを言うキャラクターという味付けに昇華できているのは、単に頭を悩ませてくるだけじゃない魅力を引き出すことに成功していると言っていいでしょう。
思うに、「楽しいと思った時点で勝ち」なんだと思うんですこの作品。
どっちの勝ちかって?両方に決まってるじゃないですか。
WIN-WINというやつです。
という訳で、このゲームを滅茶苦茶楽しませてくれた彼女ちゃん、マジ天使の一言で本評を締めたいと思います。
ご高覧ありがとうございました。
彼女とはどういう存在だったのか
もうあんまり内容ないよ。余談と蛇足。
自分が彼女についてどう考えているのかを纏めるだけの項。
他の人の考察の刺激にでもなれば。
かわいさ
説明不要。ゆめかわいい。
怖い
時折真面目に怖かった。
でも、たまに主人公が勘違いして恐怖演出っぽくなってる場面もあったりする。
キレると画面をブレさせてびっくりさせてくる。
基本装備は包丁。
香り
綿飴みたいなと何度も表記されているので、本当に甘い匂いがするんだと思う。
髪
美容院に行って用意したツヤツヤヘアー。
ルートによっては行ってない。
頭を撫でて欲しいと発言したりもする。よしよし。
賢さ
すごい頭が良いですが、難しめな話を主人公に一緒に考えてもらったり意見に同意してもらえると喜ぶ傾向にある。
話を合わせられる人に飢えているのかも?
意外と抜けている
これはまぁ、どっかしらに抜けがないと矛盾を突いてクリアする余地がなくなってしまうので。
だが、そういうところもまた魅力。
矛盾を指摘されようが真実をバラされようが、エンドによっては自分の目的をしっかり完遂していく強かな子です。
行儀
ドアをよく叩く。
それはよくない。
文字
可愛らしい丸文字が書ける。
口癖
嬉しい時は「えへへ」ってよく言う。かわいい。
年齢について
この辺から真面目な考察です。
大学の話をする、高校時代の話もする、酒を飲む等の描写が各ルートにあるので、この辺は大体同じくらいで安定していると思われる。
歳の割には幼い顔つきに見える。
お酒飲んで酔っている光景はちょっと見てみたい。
性格の傾向
チャラいのは嫌い、というのは一貫していると思います。
なのでハッピージャムセッションしようとすると刺されるし、ガールズバーの店員だと思ったら滅茶苦茶怒ります。
買い物でいかがわしいものを買おうとしたり、ストーカーがバレた時には「『ご奉仕』しろ、とか言うの?」なんて言ったりしますが…。
踏み込みたい気持ちはゼロではないけど安易なのは嫌だ、みたいなバランスの乙女心でしょうか。
執着
これは普通にクソデカ感情があると思っていいはず。
シンプルに各ルートへの主人公への執着心を見ても、Inverted Angelルート基準で何度も訪れている事を加味しても、やっぱり主人公大好きでしょう。
監禁欲も恐らくは元来のもの…。
ちょっと道を踏み外すとすぐ彼女のモノにされちゃいます。して。
哀愁
主人公の想像のみならず色々なことの関係性で彼女の「像」が決まっていくわけですが、あんまり悪い人になりたくはなさそうでもある。
良くない感じになると「なんでこうなっちゃうのかな」的な空気を纏います。
色々やりますが、「私は君に酷いこともしたし、酷いこともされたよね」と言うようにそういう倫理感はちゃんとあります。
魅了能力(?)
主人公が彼女と話していると取り込まれそうになったりとか、彼女に肯定されたりすると心地よく感じてしまう場面が多々あります。
単純に主人公のタイプなんじゃないの?という可能性もありますが、主人公自身この現象を訝しんでいることもあり、彼女が不思議な存在だからという可能性の方が高いと思います。
でも気持ちは分かるよ、俺もそういうシチュ好きだもん。
ゲームオーバーになった際には、「鍵開けておいてね」と言われると素直に頷いてしまいます。
抵抗力みたいなのが無くなったせいなのでしょうか?
結論
そんなものはない。
君も好きな輪郭を持っていいんだ。
「天使じゃないと説明がつかないから」とか、そういう消極的じゃない理由で。
「彼女こそ天使…いや…Inverted Angelか…!」ってタイトル回収をしてみたい気持ちもあるけどね。
余談
主題歌に、「言い訳はこの場で禁止カード」という歌詞がある。
カードゲームプレイヤーとしてはとても重い措置なのがわかる。
せめて1枚くらい投入させて…ダメ?はい…。