10年働いて看護師は心を殺せる人しか続けれないと気づくやるせなさ

noteを読んでいると看護学生さんや新人さんの悩みをよく見かけます
私が10年前に感じたことと同じだなぁとも思います

本当に正直な言葉で言ってしまうと

看護師は向き不向きがあると思います

そして向いてない人はさっさと辞めちゃった方がいい

と思います　これはいい意味でです
体を壊してまで続ける必要なんてありません
1番大切なのは自分です
無理し続けてもいつかガタが来て辞めることになります
そして残るのはボロボロの体と削られた心
特に心がダメージを負うというのは一生ひきずる可能性があるので
そんな負債を抱える前に逃げちゃうのがいいに決まってると思います

私は同期が10人ほどいましたが10年経って2人になりました　私が残る方だと思ってなかったのでびっくりですが身を任せていたらこうなりました…私的には後悔はありませんが…

毎年新人さんは10人に1人ほど辞めていきます
うちの病院は少ない方ですが2年目で2-3人はやめることが多いです

どんな人が辞めていくかというと

優しくて繊細な良い子

という印象です

きっと辛さや悲しさや不甲斐なさを人一倍感じれる素直な人が耐えきれずに辞めざるをえないんだと思います
心の中で「この暗黒から早く抜け出して正解だよー！」と応援したい思いもあります

実習で、就職先で苦しくて辛くて向いてなくてもうやめてしまおうかと98パーくらいの人が思ったことあるんじゃないでしょうか
私も100回は思ってます

そんな私が言うのもなんですが「向いてない、辛い、未来が見えない」と思ったらすっぱりやめるのも良いと思います

「資格が勿体無いから、ここまで勉強したのが無駄になる…」そういう気持ちは痛いほど分かります

ただ背が高い人が高いところの物がとりやすい、みたいに元々の性質みたいなもので向いてる向いてないがはっきり分かれるのが看護師だと思います

看護師向いてないな…と思う人は
「私は向いてない方の人間だったんだ！」
と良い言い訳に使ってほしいです
看護師に向いてないけど別にそれ以外に無限に可能性があるし…と開き直ってほしい
心が再起不能になる前に逃げてほしい

私は80パーくらい看護師に向いてたと思います
INFJは繊細で理想主義ですが矛盾するように現実主義でもあります
私はこの現実主義が上手く働いたんだと思います
理想はあるのに思ったようにいかない、でもこれが社会の現実だと諦めもあります

例えば何度も自殺未遂で運ばれてくる患者さん
手を尽くして退院してもまた自殺未遂で帰ってくる
おそらくこの人は体だけ治しても意味ないんです
この人を死にたいと思わせる人間関係や環境から救わなければ意味がない　またこの人が生まれてきてから経験したトラウマや考えるクセまで見つめ直さなければまた同じことが起きるんです

でもそう思っていても医療と看護には限界がある
対症療法みたいなことしかできない
カンファレンスで福祉の専門員に繋ぎますが、退院した後はその人がどうなったのか知る手段がありません

こういった「ここまでしてあげるべき理想」と「ここまでしかできない現実」の折り合いを何処かでつけないといけない
自分の力では解決できないことがほとんどだと諦めなければいけない　
これは心を殺すことだと思っています

また看護師は特に人間関係が大変です

どこにいっても意地悪なお局はいる
部署全体がねちっこかったりもしますよね全国の看護師が同じような経験があるのか悲しい…3Kの現場だからかな…

私も意地悪で理不尽な経験を何度もしました
これは医療者の目で偏見なく見ていると思ってほしいのですが、アスペルガー気質がグレーな人も多かったです
何を言っても話が通じない、一方的に怒ったり周りを振り回す　教育の名目で後輩を徹底的にいびる　
患者には優しくするのにスタッフに無茶苦茶な人って多いですよね…学生時代から看護師でもそんなことあるんだ…って思いました　

【人間関係のゴタゴタから抜け出した分岐点】

これはまさに「一人前になる」が1番手っ取り早い気がします
そして「時間と立場」が解決してくれます

具体的にいうと仕事ができれば文句が言いにくいので、私はリーダーとして自立し始めてから理不尽なことを言われる回数がかなり減りました
大体5年目くらいですかね…

ここからは少し自分語りです、すみません

5-6年目だと教える方の立場に差し掛かってくるので「ここで私がこの腐った部署の体制を変えてやる！！！！」と意気込んでいました
同期たちと大改革したのを覚えています
私は部署でもこの分野は誰にも負けないというところを作ったり、システムやドクターやPTや福祉士にも仲良い人を作りながら信頼を獲得して外部にも働きかけてました　
INFJの表面上の人間関係構築能力で内外から支持してくれるような味方を増やしていきました　これはほんとめちゃくちゃ大変でした…ここでも心を殺してます…
そして自分たちが先輩として後輩を守ったり道を正すことで後輩も先輩から学ぶようになり、人間関係の風通しが良くなりました　
昭和の風潮をぶっ壊して令和式に変えていきました　INFJのやるときやるのパワーすごいですよね

でもこれは本当に運が良かったのもあります　
私1人の力では無理だったので…

私の例は特異ですが、6-7年目になると自分に役職がついて周りの人が「あの人はグループの重要な人」という見方になってきます
お局も私をいびり続けていると立場が危うくなると思ったのか手のひらを返して仲良くしようとしてきたり、逆に教えてと言われることも増えました　そういえば新人の時に私が辞めようと悩む原因になってた意地悪な先輩がいたんですが人が変わったように私に気を遣い始めて、この人は敵に回しちゃいけないと思ってる感じでした…
この時には病院の救急総括リーダーをやるくらい知識も経験も豊富になってたので逆にシステムや機械について聞かれたりしました…
私は「この恨み忘れてないけどな…」と思いながらもそういう時は己を殺して部署全体がいい雰囲気で仕事ができるように自分の力を使っていました　
この頃は環境と自分の技術などがそろってきたので仕事に対するコントロール感を持てて楽しかったです　
あらゆる問題にぶち当たってきたので理不尽なことがおきても自分の力である程度なんとかできるという自信を持てたからです


「時間」と「立場」についてですが一応今の肩書きは「主任」でこれは長く続けてきた年功序列的に自動的にそうなったので何も思わなかったのですが、昭和世代くらいからは役職は主任なんだと舐められないという結構な効果があり驚きました…1-3年目でもがいて抜け出せなかった理不尽さがこんな肩書き１つでころっと対応が変わるなんてやるせないですね…人間とは…と思ってしまいます

まとめるとここまでくるのに7-10年くらいかかっているのでこれをできそうだなという人くらいしか正直おすすめできません…ＩＮＦＪは大器晩成型といってもあまりに長くて壮絶じゃないですか…？看護師ってこんなことしないと続けていけないなんて大変すぎます
私は病棟の経験に基づいて話しているのでクリニックなどはまだ全然違うと思いますが…

私が看護師を続けれた理由を分析してみると、HSS型HSPで繊細だけど刺激を求める　INFJ-Aで繊細だけどポジティブ　というラッキーな性質がこうさせたんだろうなと思っています　
自分でもメンタルは繊細だけど立ち直りやポジティブな意味づけの能力が抜群に高いと思います

それでも毎日のように泣いていたし、辞めたいとずっと思ったり、適応障害もなりました

だから繊細で辛い思いをしている人の気持ちも痛いほどわかるので「早く逃げて…自分を大切にして！」と思ったりもしています


今看護学生や新人で悩んでる方
あなたは悩めるほど真剣に取り組めるすごい人です
だからこそいつでも引き返したり違う道をいけると思っていてほしいです
もちろんそれでも踏ん張ったり頑張る人も応援したいですが、向き不向きって自分ではどうしようもないことです

自分を大切にしてあげてください

ここまで読んでくれてありがとうございました
看護や医療に携わる方からコメントいただけたらとてもうれしいです