おとなの宇宙の学校(1)
第一回 2025年1月25日 国分寺市ひかりプラザにて
講師:竹前俊昭先生
糸川英夫氏が国分寺で初めてペンシルロケットの水平発射を成功させてから、今年で70年になります。
国分寺市は糸川氏の業績を称え、様々な宇宙関連のイベントを開催していますが、今回の「おとなの宇宙の学校」もその一つ。
https://www.ku-ma.or.jp/spaceschool/otona/2024otona.pdf
講師の竹前先生は、JAXA宇宙研に所属していて、KU-MA(子ども・未来・宇宙の会)という子どもたちに宇宙教育を推進する機関の講師であり、はやぶさ2のプロジェクトチームの一員でもあります。
あの「はやぶさ2」です!
リュウグウから石の欠片を持ち帰ったはやぶさ2のプロジェクトチーム、と聞くだけでワクワクしてきますね。
今回はロケットについてのお話でした。
まずはロケット推進の物理学的解説から。といっても難しいものではなく、要するに「作用・反作用」の法則でロケットは空に飛ぶ、というごく初歩のお話から始まり、次第に固体燃料と液体燃料の違い、個体燃料ロケットの歴史へと移っていきました。
例えば、種子島で打ち上げられる大型ロケットは液体燃料を搭載し(去年成功したH3ロケットがそれです)、また、鹿児島県内之浦で打ち上げられる小型ロケットは個体燃料を搭載しています。
小型ロケットはもっぱら観測用ロケットで、上空100~1000㎞の高度まで上がり、超高層大気の観測をしているそうです。
地球の大気領域は高度80~300㎞で、高度100㎞以上を宇宙と呼びます。
人工衛星は上空1000㎞くらいのところで地球を周回していますが、観測ロケットは1000㎞くらいまで上昇して下降する間に観測をします。
ロケットの構造についても図解で説明してくれました。また、打ち上げる時の角度により到達高度が違うこと、落下地点を予測して、その地点付近を航行する船舶や飛行機などの関係者に連絡すること。小型ロケットの場合は姿勢制御装置が乗せられないので無線誘導をし、レーダーで追いかける・・等々。
小型ロケットの場合、30秒で加速して高度を上げ10分ほどで落ちてくる、その間に様々な観測をするそうです。
ノルウェーで飛ばしたオーロラの観測や、世界最小の小型人工衛星の打ち上げのことなど、かなり専門的な話題でしたが、わかりやすく解説していただき、ワクワクしました。
休憩をはさんで次の時間は、実際に私たち自身で小型ロケットを飛ばす実験をやりました。
参加者一人ひとりに空のフィルムケースと台所用スポンジを小さく切ったもの、ビニルテープやハサミなどの実験セットが手渡され、各自自分のロケットを制作する、というものです。
フィルムケースの内側にエタノールを塗って電極を取り付け、エタノールに点火して、その勢いでフィルムケースのロケットが勢いよく飛び出すという実験です。前方に置いてある、火星、木星、土星・・などの惑星模型に向かって、ポン!という音と共にロケットが勢いよく飛び出していくのは爽快で、とても楽しかったです。
こうして、ワクワク楽しい2時間があっという間に過ぎていきました。
次回は2月。相模原にあるJAXAを見学します!!
楽しみだなぁ~