7月のこと(フジロック参加15回目の全くロックじゃない持ち物リスト)
「今年初めてフジロックに行きます。靴は何を履いていけばいいですか?」
ここ数年、そんな質問をSNSで見かけるようになった。そういえば私も17年前、mixiで同じような質問をしたことがある。兄も含め、フェス歴ウン年の先輩方が懇切丁寧に教えてくれたものだった。
参加者もまた次の世代に変わってきたのかもしれない。私がしてもらったように、先人の知恵を後世にも伝えたい。でも140文字じゃ足りない。
というわけで7月はフジロックのことを書こうと思う。
9年前にフジの持ち物リストをまとめたブログをアップしたところ結構な反響があり、更新しなくなってからも毎年7月にはチラホラと誰かが来てくれていた。
もうそのブログは閉じてしまっているので、そのときのテキストをベースに2024年版にアップデートしたものを書く。
6月までの記事とテーマの差が激しすぎて同じブログとは思えないが、もう人生の半分ほどの年数は行っているイベントだ。
7月はコレを書くしかない。
2007年、ハタチのときに初めて参加してから、コロナ禍での参加を控えつつ今年で15年目になるフジロック。
初めて野外フェスというものを体験したのは19歳のとき、2006年の朝霧JAMだった。まわりの野外慣れした大人たちに甘えて、何もかもおまかせの優雅なフェス。
靴なんてペラペラのコンバースだったし、運よく天気にも恵まれて服装はTシャツにパーカーにデニム。今思うと凍死しなくてよかったなと思う。
そんで次の年に意気込んで行ったフジロックでは、当然のように洗礼を受けた。
大学生らしく深夜バスで行ったけど全く寝られなくて、宅急便があるなんて知らなかったからテント一式手持ちで行って、ぬるい設営のお陰で夜中にテントが潰れて、くまなく準備したのに失敗ばっかりで、昔から登山もキャンプも好きだったけど、ソレらとは何もかもが違った。もう散々。
こんなにつらくて楽しいことがあんのかよ、なんで今まで知らなかったんだよ、って衝撃を受けた。
その年に観た、ビースティもイギーポップもMIKAも、!!!もBATTLESも、全部忘れられない。
フェスなんて全然興味がない友達を無理やり連れて行って、帰りに「俺、来年も行くよ、フジロック!」って言ったそいつの顔も忘れられない。
案の定次の年も、そのあともずっと、その友達と一緒に行くことになるんだけど。
そんなこんなで長いこと行ってるわりに、毎年この時期になると新しく持ち物リストを作って何度も見直している自分が情けないなと思ったりもする。
「豪雨なんてなんのその、俺はゴミ袋かぶっときゃOKだぜ」という人たちにも憧れるけど(本当にいる)、そんな風にはいまだになれない。
もう歳も歳だし、ちゃんと準備して、なるべくつらい思いをしたくない。疲れるのも嫌だ。
つまるところ全然ロックンロールじゃないんだけど、自分なりの楽しみ方を見つけられるようになってきたから、まぁいいかと思ったりもする。
「フジロック 持ち物」「FUJI ROCK 準備」で検索せずにはいられない方と、いまだにそのワードで毎年検索してしまう37歳の自分のためにも、最近の持ち物リストを備忘録的に残しておこうと思う。
ちなみに宿利用、交通手段は車、性別は女の持ち物リストです。
歳を取り、キャンプメインのフェスでしかテントを張らなくなってしまいました。
リンクがあるものは貼っておきます。
【そうび】
■ウェア、シューズ
防水アイテムはケチらない。個人的にはこれが最重要。
濡れると寒いし体力がぐんぐん吸い取られるので、お金の力でなるべく快適に。
最近はゴアテックスじゃなくても優秀な撥水アイテムがたくさん出ているので、アウトドアショップで相談するのもいいかも。色とデザインが気に入って、予算が合えば正直何でもいいと思う。
ちなみに私のレインウェアはコロンビア→ノースフェイスを経て、現在はマムート。
あまりに雨がひどいときはその上からノースフェイスの薄手の袖ありポンチョを羽織っている。
足元はノースフェイス→メレル→野鳥の会→ハンターと色々変遷してきて、ダナーのマウンテンライトに落ち着いた。
少し重みはあるが、自分の足に合っているのか、全く疲れない。登山にも使えるし、フジ以外でも活躍している。
「コレにしてから何度か大雨を体験したけど、一度も染みたことはなかった」と2015年の時点では書いていたが、2019年のSIAのとんでもない大豪雨により上からの浸水を防げず大洪水に。
でも染みてはいないからセーフ。
しかし長靴ほどの丈はないので、雨続きで地面が田んぼ状態になったらゲイターを装着。
以上の全てに、出発前に死ぬほど防水スプレーをぶっかけてから出発します。
ちなみにフェスの服装にも色んな変化があって、私が行き始めた2006年あたりはカラフルなヒッピーファッションが主流だったように思う。
フジにも朝霧にも「普段は何のお仕事なさってるんですか?」と聞きたくなるような”本職・ヒッピー”みたいな人がたくさんいて、ヘブンなど奥地の方でひたすらポイをまわしていた。
ここ最近はエッジの効いたシンプルなコーディネートが多く、花冠を巻いたワンレンロングヘアの女性もめっきり見かけなくなった。
海外のフェススナップを見ても、似たような変化を辿っているのが面白い。
かくいう私も昔はこの世の全ての色を使ったようなとんでもない色のマキシワンピを着て頭に花冠を巻いていた。現在はノースリーブの無地のトップスにパタゴニアのショートパンツと動きやすいスタイルに。
レギンスは天気によって履いたり履かなかったり。最近マダニの被害聞かないけど、いるのかな?虫が気になる方は履いた方がいいかも。
ちなみにここ何年かフジロックとファミマのコラボアイテムが開催近くになると発売されていて、デザインが可愛いので靴下やタオルは購入している。
ただ靴下は昨年フジで履いたところトレッキングブーツには少し薄く、足が少々疲れてしまった。
やはり靴下は登山用の厚手のものに限るなと。気にならない人はなんでもいいと思います。
■バッグ
とにかく荷物の取り出しやすさ&体に密着すること重視で、2015年時点ではショルダー派だった。
そこから9年、肩凝りのバランスを考えて最近は小ぶりのリュック(20Lくらい)+サコッシュに落ち着いている。
おそらく当時はとにかく前の方でガンガン踊っていたのでリュックが邪魔だったのだ。
アラフォーとなった今は大体後ろの方で牧歌的に過ごしているので、当然優先されるべきは肩。
凝らない方がいい、絶対に。
雨天時にバッグの上からウェアやポンチョを羽織っても、すぐに必要なものはサコッシュに入れているので問題ない。
念のため防水のザックカバーも入れている。
【どうぐ】
①基本的な持ち物
チケット(現地で忘れたことに気づいて東京まで戻った友人がいた)
お金(2015年は「500円貯金してたっぷり持っていくと現地で飯・酒を買うのに便利。3日間で5万もあれば充分かと」と書いていたが世はキャッシュレス時代に。ただ昨年は完全キャッシュレス化を謳いながら電波問題で電子マネーが使えなくなり現場は大混乱、現金派が大勝利していたので、多少は持っていくと安心。1000円札多めが吉)
免許証、保険証
日数分+アルファの服、下着、靴下類(レインウェアが役に立たないくらい土砂降りになると多めの着替えが必須。あと帰りに着ていく楽チン服。意外と忘れる)
パーカー、薄いフリースなど軽い防寒着、カイロ(あまり使わないけど、一応。夜が極寒だった年もあったので要注意。死ぬかと思った)
アミノバイタル、ビタミンC、ミラグレーン、五苓散(体力回復、二日酔い、むくみ防止)、その他常飲しているサプリ
休足時間、メディキュット(ダブル装着して寝ると、翌日の足の軽さが全然違う)+マッサージガン、湿布など
メイク落とし、シャンプーリンスなどお風呂用具、化粧水や乳液などスキンケア用品(日焼けと疲れで肌がしおしおに。シートマスク必須)
サンダル(宿内や近所歩き用。意外と重要)
ハンガー、物干し紐(宿にない場合)
衣類消臭スプレー
イヤホン
キズパワーパッド(靴ずれにも使える)、常備薬、マキロンなどの救急アイテム
充電器
虫よけスプレー(いい匂いのやつ)
②会場内持ち物
財布(とにかくコレが使いやすく、二代目に突入)
折りたたみイス(こまめに座る。少しずつ体力を回復しておかないと、気がついたとき手遅れに。雨が降っても座れる場所があるって素晴らしい。小ぶりで背もたれアリのものを。現在はヘリノックスなど組み立て式の椅子は禁止。最近は首までもたれられないのがしんどくなってきて、デカい椅子を新調しようか悩み中)
帽子、タオルなどの日除けアイテム
ジップロック大小を複数枚(雨天時の電子機器の保護や、食べかけのおやつを入れたり色々使える)
水筒(テキーラやウイスキーを入れる。ビールはトイレが近くなるので朝に一杯飲むだけ。ぬるくても飲めて、少量ですぐに酔える通称ゴキゲン酒を携帯)
モバイルバッテリー(ケーブル内蔵マジ便利)
日焼け止め(昨年はコレのお陰であまり焼けず)
腕時計(Gショック、スントなどの防水仕様を)
除菌ウエットティッシュ、アルコールスプレー、おしりセレブ
トイレットペーパー(芯を抜いて潰して携帯。紙切れの緊急時に)
ミニライト(夜の移動がスムーズに。ヘブンあたりは真っ暗なので)
おつまみ類(なんか買うには面倒だし、でも酒は飲みたいし、というときにあると嬉しい。ミックスナッツとか小分けのスナックとか。魚肉ソーセージすすめてる人もいたな。あと、飴。晴れて粉塵がひどかったとき助かった)
こんなモンですかね。
昔に比べて酷暑のレベルが違うので、冷え冷え系アイテムも忘れずに。あとは細かいことだけど、行く前に爪を切っておくのも大切。
昨年はコロナ禍を経て数年ぶりの参加だったので、フジに向けて数ヶ月前から筋トレを始めたり、開催中は早めに宿に戻って就寝したりと年齢に合わせた楽しみ方ができて3日間とても元気だった。
でも本当は、空が明るくなるまで踊り狂ったり、飲んで飲まれて帰る頃には友達が増えていたり、ぐちゃぐちゃになって楽しんだ3日間も懐かしく恋しい。
6月くらいからフジロックのことばっかり考えて、終わったら抜け殻になって、また一年このために働こうって思いながら20代を過ごした。
これから初めて参加する方には、精一杯の準備をしていただきつつ、想定外のこともめちゃくちゃに楽しんでほしい。
私の人生を彩ってくれた一大イベント。ずっと続いてほしいな。
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