米よし子

1986年生まれ。東京在住。1年12ヶ月、その月ごとに、自分で撮った写真と共に、家のこ…

米よし子

1986年生まれ。東京在住。1年12ヶ月、その月ごとに、自分で撮った写真と共に、家のことや自分のことをたくさん思い出してみる。5月からスタート。

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5月のこと(もし一日だけ過去に戻れるなら?)

先日、一緒に夕食をとっていた友人から突拍子もない質問が飛んできた。 「人生で、どこか一日だけ過去に戻れるとしたらいつがいい?」 そんなこと、考えたこともなかった。 こういう質問の相場は大抵「人生をやり直せるならいつからがいい?」で、各々がそれぞれの回答でやいやい盛り上がる。そんなとき私はいつも「どこからもやり直したくはないなぁ」と思っていることが多い。 “いつだって今がベスト”を自訓としている身としては、自らの辞書に「やり直し」の文字はない(と思いたい)。単純に同じこと

    • 10月のこと(西田敏行さんを偲んで)

      18歳まで、福島県の会津地方で育った。方言はかなり強めのエリアで、他の地方の人には祖母世代の言葉は聞き取れないかもしれない。 たまにドラマなどで東北出身ではない人が東北弁を話していることがあるが、少し違和感を覚える。 いわゆる全国的な東北弁のイメージは、「だべ」や「だっぺ」などの語尾。だが、本当はそれだけではない。 東北でも県によって違いはあるが、濁点が多いのはもちろん、独特のイントネーションだったり、「し」と「す」、「ち」と「つ」の発音に区別がなかったり、一文字だけで通

      • 9月のこと(オハラ☆ブレイクに行ってきた)

        私が生まれ育った町から車で15分くらいのところに、猪苗代湖という大きな湖がある。子どもの頃から、マァしょっちゅう遊びに行っていた。 春は湖畔の桜が満開、夏は澄んだ水で泳ぎ放題、秋は紅葉、そして冬はシベリアから白鳥が山ほどやってきて湖水に浮かんでいる。 磐梯山の四季折々の姿を楽しめる素晴らしい湖だ。 あまりに雄大なので、小さい頃は「これが海なんだ」と思い込んでいた。そんなバカなと思うかもしれないが、そのくらい綺麗な湖なのである。 のどかで美しく、穏やかな場所。大自然を喜ぶ人も

        • 8月のこと(お盆は一大イベント)

          「お盆休みはどこか行くの?」 「映画見たり本読んだりしてダラダラしますかね」 「えっ?実家には帰らないの?」 「そうですね、特に予定もないんで」 都会育ちの後輩との会話。上京して20年、ほうぼうで何度も聞いた「お盆は実家に帰らない」という言葉にはいまだに慣れない。 私が育ったところでは、お盆はご先祖様をお迎えする“一大イベント”だからだ。 子どもの頃から慌ただしいお盆の空気が好きだった。8月に入ると、父は仏壇の大掃除と墓の草むしりを始める。天ぷらをお供えする風習があるので

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        5月のこと(もし一日だけ過去に戻れるなら?)

          7月のこと(フジロック参加15回目の全くロックじゃない持ち物リスト)

          「今年初めてフジロックに行きます。靴は何を履いていけばいいですか?」   ここ数年、そんな質問をSNSで見かけるようになった。そういえば私も17年前、mixiで同じような質問をしたことがある。兄も含め、フェス歴ウン年の先輩方が懇切丁寧に教えてくれたものだった。 参加者もまた次の世代に変わってきたのかもしれない。私がしてもらったように、先人の知恵を後世にも伝えたい。でも140文字じゃ足りない。   というわけで7月はフジロックのことを書こうと思う。 9年前にフジの持ち物リスト

          7月のこと(フジロック参加15回目の全くロックじゃない持ち物リスト)

          6月のこと(曖昧な記憶と、鮮明な記憶)

          雨の日よりも晴れた日が好きだ。太陽の日差しは気持ちがいいし、天気を気にせず好きな服が着られる。梅雨明けが待ち遠しい。なんとなくフジロックの準備を始める。夏がやってくるワクワク感までもう一歩届かない、もどかしさを感じる時期。身近な誰かの誕生日がある訳でもない。 6月は私にとって、特別思い入れのある月ではなかった。 それが16年前、ガラリと変わってしまった。その報せを聞いたとき、私は当時のアルバイト先にいた。就職活動も本格的になってきた2008年の6月。 いつものように放課後

          6月のこと(曖昧な記憶と、鮮明な記憶)