何これ面白い!壮大な物語の開幕【風の谷のナウシカ1(ANIMAGE COMICSワイド判)】
こんなに重厚な物語だったとは!映画は、原作の2巻までの内容でやってるって聞いたことあったんですけど。細かい設定とか、結構ガッツリ落としてるんですね。筆者は今更ながら原作にめちゃくちゃハマりました。全7巻。
このシーンよかった!
ナウシカかっけ~!ここの、トルメキア兵に自国を侵されまいとするナウシカの戦士っぷりがグっとくるんですよね。続けて
「汚れた蟲つかいをともない他国を汚染させるとは何事だ!」
「たとえ王の親衛兵といえども守るべき作法があろう!!」
と小気味いいセリフがどんどん出てくる。さらに、自分が埋葬したラステルの墓が暴かれたのに気づき、怒りはピークへ。近寄る蟲たちを吹き飛ばし、トルメキア兵と果し合いへ。
この果し合いになっちゃったのは、ナウシカの悪手なんですよね。ナウシカが勝てばトルメキアに侵攻の動機を与えちゃうし、ナウシカが負けても風の谷が立ち上がってしまう。でも、このナウシカの堂々とした立ち振る舞いに、まずグっと読者は掴まれてしまうんですよねー。
この後のジルとユパの会話シーンも好きです。
「相手は単独行動の小戦隊なのだ。証拠などすぐ消せる。ガンシップで皆殺しにすべきであった。」
→ジルもきっと名君だったんだろうな~。
「兵を殺されながらも形勢をみてすぐ兵をひく。その女の戦上手。おそらくヴ王の第四皇女クシャナだろう」
→あ、クシャナって強キャラなんだ、っていう。冷静に分析しているジルもかっこいい。
ここのくだりが、一番最初にグっときたところでした。
「トルメキア戦役」と「腐海の謎」の二軸
ナウシカが属している「風の谷」は大国「トルメキア」の同盟国であり、「トルメキア」は同じく大国の「ドルク」に戦争をしかける。そのための召集を「風の谷」は受けており、ナウシカが出陣する。物語の現実的な問題としてナウシカは「戦争」と向き合い続ける。
一方で、この世界には「腐海」という存在がある。人間に有毒な「瘴気」をまき散らすその森は人間にとって脅威であるが、ナウシカは直感的に「腐海」が悪ではない、「腐海」にはなんらかの意味がある、と見抜いている。が、今の時点ではそれが何かまではわかっていない。
この二軸が絡みつつ物語が進んでいくんだけど、どんどん展開していくから、早く先が読みたくなっちゃうマンガです。もう最終巻まで読んでるんですけど、なんとなく『進撃の巨人』っぽい(『進撃の巨人』が『ナウシカ』っぽいなんだろうけど)かなと思いました。