2024年度 心電図検定1級受験への道~②~
前回に続き心電図検定ネタ第2弾である。
私としては宙ぶらりんになった自宅買う問題を先に進めたいのだが
沖縄県の不動産高すぎ問題や、そもそも転職1年経ってないから
ローンの為の収入証明し辛い問題など諸々の問題が重なり
今じゃない感が出てきたため、ひとまず年明けまでコッチは保留である。
とりあえず心電図検定が終わるまではみっちりこっちに集中していきたい
というのももう試験日まで(12月21日)2ヵ月を切ってしまったが
当初予定していた2ヵ月前にはほぼ合格間違いなしの水準まで持っていき
あとの2ヵ月はウィニングランの見込みがややずれこんでいる為である。
ただそこまでの水準にないにしろ進捗としてはまずまず悪くない方だと思う
少なくとも学生時代のように
前日の徹夜に全体重を預け乗り切ってきた数多もの試験たちの
完成度に比べればよほどマシである。
今でも覚えているのが、我が大学名物の神経解剖の試験の思い出である。
学年の半数超が追試になり、我が医学部創設以来最も多くの留年生を生み出してきたと思しき悪名高き試験である。
その伝説については散々聞かされていたので、本来は前日から試験対策をするのが常だった私も1週間前から準備を始めたのだが
そもそもが前日詰め込めばいいやのマインドでやっていた私である。
1週間前から真面目にやるはずもなく、結局前日になってようやく
勉強しだしたものの間に合うはずもない。
深夜3時頃になって、あと1週間あれば、、いやあと1日でもあれば、、
と願ったことを覚えている。その時間は1日前にちゃんとあったのだが。
結局もう間に合わねーとなり、やけくそになって朝7時頃から
台風が来るように加持祈祷を始めたのだった。
台風が来て暴風雨警報が発令されると学校が休校になるので
試験が流れるのである。
我が最後の望みはそれにかけるのみであった。
果せるかな、なんと試験が始まる30分前に台風が間に合い、試験が中止になったのである。平成最後の神風である。
そして私は本来存在しえなかった試験勉強時間をもう1週間手に入れたのだった。あと1日でもあれば、、と願った先に訪れた奇跡である。
時をかける医学生よろしくさながら1週間前にタイムリープした私は
当然その1週間をみっちり勉強して試験に合格したのである、、
ハズもなく台風で学校が休みになったぞ~!
と友人に連絡して1週間地球防衛軍4をやっていたらフツーに追試になった。
地球は救ったが我が単位は助からなかった。
時をかける少女やシュタインズ・ゲートでもそうだが
1回タイムリープしたくらいで中々未来は変えられないのである。
とはいえその1件は私の心に深く教訓として刻まれ
・もう試験前日に魂を削って徹夜する事はやめよう
・試験は必ず1週間前にはもう合格ラインまでもっていく様にしよう
というスタイルを生み出すに至ったのだった。
お陰様でそれ以降の試験に関しては全く追試がない訳ではなかったが
前日無茶をするような事は無くなり
医師国家試験に関しても夏の段階で合格水準に達する事を目標に
まずまずの状態で仕上げていた為、比較的試験前も心穏やかに
過ごすことができていたことを覚えている。
有名なコピペに以下のものがある
前置きが長くなったが何が言いたいかと言えば
2ヵ月後の試験日直前に2ヵ月前にもっと勉強しておけば、、
と思わない様に今、2ヵ月後から戻ってきたと思って
あともうひと踏ん張りしたいという話である。
たったこれだけの事を言うためにやたら冗長な前置きになってしまった。
さて、心電図検定対策についてだが
それなりに進歩している感覚はある。
実際に前回の記事で書いたこの問題のナゾなどは無事解決した。
これについて
①完全房室ブロック+慢性心房細動+補充調律
②洞停止+補充調律
の2パターン考えられるんじゃないのという話をしていたが
やはり流石というべきか偉大なる心電図マイスターチャンネル様殿の
動画に的確な鑑別ポイントを記したモノがあった。
それがコチラである。
さて、この両者の心電図は非常に似たような見た目をしている。
どちらもRR間隔整の徐脈のnarrow QRSではっきりとしたP波が無い。
が、明確な鑑別点が存在する。
それこそが、QRSの後に存在する逆行性P波の存在である。
補充収縮である限り逆行性P波は大なり小なり見られるものだが
1番目の心電図にはそれが見られず、2番目の心電図では
2誘導などを見るとそれらしい陰性P波がある。
なぜこのような違いが生まれるのだろうか??
ここからは私の推測になるが(というのも心電図マイスターチャンネルでは
ここについては逆行性Pがあるので、洞不全と補充調律ですくらいな説明で終わっていたので。)
心房細動が慢性化すると、f波が見えないくらいにフラットになるため
あたかもP波が存在しない様に見えてしまう。
この状態で波を起こそうとしても波が出るほど心房の伝導路が
機能している訳ではないので波が出てこないのだと思う。
一方で洞停止などで一時的にP波が消失した状態であれば
伝導路そのものはちゃんと生きているので、逆行性Pが出れば
ちゃんとそれが視覚的にも表れてくるのだろう。
とりあえず正確かどうかはともかくとして
納得はできるのでそんな感じで理解している。
さて、そんな感じで少しずつ分からない問題をつぶしつつあるが
今一番頭を悩ませているのが心房粗動、心房頻拍問題と
Blocked PACと2:1房室ブロック問題である。
ここら辺の何が腹立たしいって
理屈では完全にわかっているのにいざ心電図を目の前にすると
非常に悩ましいという点である。
とりわけBlocked PAC問題で間違えたら心底癪に障る。
理屈で言えば2:1房室ブロックはPP間隔が整で
Blocked PACはPP間隔が不正でかつ、P波の形が
通常のP波と異なるという鑑別点がある。が
紛らわしいものだとこれがひじょーに紛らわしい。
特にPP間隔がほぼ整のものだとどっちかホントに分からない。
P波の形も明らかに陰転化したものならわかりやすいが
大体にしてそもそもPACのP波はT波に埋もれる事が殆どなので
それがまた頭を抱えさせる。
そして更に悩ましいのが心房粗動の野郎である。
まず今混乱しているのが、私は
P波が概ね250回以上であれば粗動波が無くても
心房粗動で、250回以下であれば基本的に心房頻拍と認識していたのだが
なんかそれが本によって心房粗動だったり頻拍でよー分からんのである
結局フラッター波があるかが決め手らしいが、フラッター波も
非通常型だとなんかわかりにくくて、ほんとに悩ましい。
ここら辺はもう正直、アジア人の顔を出して
誰が日本人ですかクイズをしている感覚になる。
以前水曜日のダウンタウンでヨーロッパ人なら
どこの国のヨーロッパ人かわかる説を出していたが
それってもう個人差の範囲結構ありませんかね??
我が友人(栃木県出身、純正日本人)も
一緒に函館旅行に行ったときに、売店のおばちゃんから
中国語で話しかけられまくっていたが
中国人に見える日本人もいれば
Blocked PACに見える2:1ブロックもあるというものである。
心房粗動も時に心房細動か??と思うほどP波が乱れているものもあるし
非通常型のものだと、Pがあるのかないのかわからんのもあったりして
非常に紛らわしい。
ここら辺もヨーロッパ人であれば(循環器医であれば)感覚的にわかる世界なのかもしれないが、それが分かるようになるにはもー少し経験が必要になりそうである。
さて色々勉強して思うのが
勉強すればするほど更に深みが現れてきて終わりが見えない感覚である。
アキレスと亀の寓話のようである。
勉強したての頃など
心室期外収縮の存在が分かればマシであった。
そしてある程度勉強すると心室期外収縮の波形で起源が分かることを知った。
そして今、心室期外収縮の期限もⅡ、Ⅲ、aVFでR波が高いから
右室の中でも流出路やな、、とかまでわかるようになった。
これでゴールかと思えば
どうやら流出路の中でも心外膜期限か自由壁起源か(自由壁で言えばさらにどこらへんなのか)の鑑別があるらしい。
このドラゴンボールみたく、スーパーサイヤ人になれたと思ったらそれだけじゃ勝てない完全体セルが出てくる感じ感じ何なんですかね??
それを思うと不整脈専門医ってすごすぎません???
と思わせられる。
今私がいるところなど遥かに通り過ぎて更に細かく起源を1枚を心電図から読み取り(むろん心房粗動や心房頻拍の鑑別で迷うこともないだろう)
そこにアブレーションを行う技術を持っているのだから感嘆の溜息が出るばかりである。
とりあえずまだまだ更に深みに潜らなければ試験対策としては
十分といえないので更に突き詰めていきたいところである。
最近読んだお勧めの本を紹介して終わりにする。
まずはこの2冊である。
これは2冊ともめちゃめちゃ良かった。
2冊とも問題が100問近くついているが
100問と言わず無限に出してくれないかなと思ったくらいである。
1級合格まではこのレベルの問題を無限に解いていけば十分と思う。
惜しむらくは、丁度このレベルの問題を集めている問題集が
私の知る限りはないという事である。
ここがマジで1級受験には丁度いい。
公式問題集は優しすぎで、心電図専門の本はやや1級レベルを逸脱した
更に高みへだったりして、中々適正レベルの本と出合うのは難しい所なのだが、この2冊は2冊ともひじょーに丁度いいまさに1級受験にマッチした本だった様に思える。ひじょーにオススメである。
これも最近買って読んだがムズすぎませんかね??
心電図検定対策としてはオーバーではあるが本としては読みやすい。
ただ難易度的な問題なだけで。
解説は丁寧だし、網羅的に各心電図の深い所の話が纏められてて
おすすめではあるが、1級レベルをかなり高い水準で満たして更に+αという印象の本である。
序盤から左房負荷と左心性P波の違いを聞かれたりして
??・・?????一緒じゃないの???
と出鼻をくじかれるようならこの本はまだ難しいかもしれない
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