ニコスケッチ#5-1 構図の話、近景 中景 遠景 2023
★ 風景画はなにが大切?
★ それは… 空間を表す
いろんな考え方があるからこれが絶対とは言わない。でも空間…広がり、奥行き、距離感…などが描かれている風景画は魅力的。
立体感と空間表現は反するモノではないが、風景画では立体感よりも空間表現が要となることもある。さらに空気感を描くことができると、そこに情感も生まれるのではないか。
空間を現す構図
一般的に風景画は、遠景、中景、近景の3つ揃うとイイ…と言われています。
遠景、中景、近景
遠景、中景、近景が揃った画像、実際に現地で描いたことあります。
そして近景から中景へとシームレスに続く道や川があるのもイイです。
上のような整備されたまっすぐな道路よりも…
下のようにカーブした道や、
自然のガタガタした水路…
S字のようにうねった道…
ジグザグに折れ曲がった道…
…のような変化があると絵になりやすいです。
次の画像では、まっすぐな水路の途中にある電柱が、いいアクセントになってます。
ポイントはリズム、シンプルで単調なリズムは全体をまとめやすく一見簡単そうにみえますが、画力、表現力がないと退屈な絵になりがちです。
立体感と空間
建物などの構造物を正面からの構図です。レトロ調のタイル貼り、中央の入り口と左右にある青いとテントとシャッター、均斉あるシンメトリーの美しさがあります。ただ、立体感や奥行きなどの空間を感じさせるには難しい構図です。
同じ建物を角度を変えてみると、立体感、奥行きが生まれます。
正面からの構図に比べるて角度をつけた構図は、消失点、パースなど透視図法をもとに作画しなくてはなりません。正面より描くのは難しくなります。
でも描きやすい構図と、表現しやすい=観る人に伝えやすい構図は、同じとはかぎりません。正面からだと描きやすくても立体感や空間を表現するのは難しい。角度のある構図は描くのが難しいが、立体感や空間は表現しやすいのです。
ここでカン違いしないで欲しいのは正面構図がダメとは言ってません。作者が何を表現したいかで構図を考えたらイイ…ってことです。
正面構図で奥行きを表現する
正面からでも、重なりがあると奥行きを表現することができます。
上の画像は平城宮跡の朱雀門です。角度があると立体的に見えます。
下の画像は同じ朱雀門をま横からの構図です。樹木などの重なりで奥行きが生まれています。
重なりを透明水彩で描き分けるのは難しいです。でも空間を表現するのには有効なツールでもあります。
変化を生む構図
高低差のある構図
変化が生まれやすい構図をいくつか紹介します。ひとつは高低差のある構図です。
坂道や石段を見上げたり見下ろしたり…高低差がある構図もイイでしょう。下のような俯瞰構図もそのひとつです。
トンネル構図
門の向こうに見える景観です。トンネルから向こうを覗くような構図は観る人の視線を惹きつける効果があります。トンネル構図、ガクブチ効果…なんて言い方をします。
上下左右全てが、囲まれる必要はありません。下のような構図でも十分トンネル効果が現れます。
自然の中では木々の緑がトンネル効果を産むこともあります。