2024 蟹座の言葉 塩野七生┃大切なのはどの職業に就くのかではない、どう働き、どう全うするか
心理占星術家nicoが選んだ蟹座・太陽の言葉は…
ジョルジュサンドやフリーダ・カーロしかり、またはメルケル元首相や上野千鶴子、小池百合子しかり、蟹座の女性は自立した強い女性が目立つ。塩野七生もその一人だろうか。相手がどれだけ大きかろうが、恐れることなくハサミを振りかざし戦う姿勢は、まさに彼女たちの生き様にも通じるものがある。
塩野七生のインタビュー記事を読んでいると蟹座の歯に衣着せぬ物言いや堂々とした明るい生き様に、女性である私でも圧倒される。女でもこんなに強く生られるものなのだ、強く生きてもいいのだという期待も満ちる。
こういった女性たちが道を切り開いてくれたのだ。彼女たちの活躍が、女性の立場、地位を確立してくれたことは間違いない。
蟹座の構造は、活動サインで水エレメントだが、この二つの構造の結びつきが蟹座に環境を切り開いていく強さ、そして自立という自由に生きるための強さを与えたのだと分析できる。
職業占星術講座の中で「生き方、働き方を知るための26の質問を考える」という学びがある。その中で蟹座・月に該当する質問は
「今の仕事や活動を選んだ理由を自分なりに説明することはできますか?」
塩野七生は、はっきりと答えを述べている。
そして、こう続ける。
私たちは時に、このようなシンプルな欲望を忘れがちである。
まず活動サインとは、他の誰かに気兼ねすることなく、自分の力の及ぶ限りでの生きる場=活動をつくっていく。まさに「日々の糧を自分で獲得」するのが活動サインの最初の目標となる。ここを人任せにしていると、人はだんだん無力感に襲われ、劣等感を抱くようになり、自尊心を育てることができなくなってしまう。
もし、ネイタルチャートに活動サイン(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)が強く表示されている場合は、よりこの実感が必要になってくるだろう。その際、肩書などはどうでもいいのだ。立派な肩書が必要なのではなく、自分が立派だと思える生き方が必要なのだ。それが自分を誇り高く、自由でいさせてくれるということだ。
女性にとって蟹座・月は非常に大切なテーマであるから、自分がある程度、このような自由を獲得し、そして自尊心のもとに生活できていることは何よりも大事な生き様になることがわかるだろう。
塩野七生はインタビューの中でこのようなことも言っている。
これぞまさにホロスコープで言うMC=社会から最も遠いサインである蟹座が目指す生き様ではないだろうか。分厚い甲羅で身を包み、やーや―とハサミを振りかざし、とんがって生きて行くのが「蟹らしさ」なのだ。にもかかわらず、その辺にころがっている小石のようにつるっとまあるくなるなんて、これではまるで面白くない。
蟹座・月は非常に私的なものなのだ。心というのはびっくりするくらい外界の刺激に敏感なのだ。蟹に甲羅が必要なのはそのためだ。外界は自分を脅かすものであふれているのだから。
社会に「なぜ?」「どうして?」を問わなくなるなんて、まるで自分の心がなくなってしまったみたいではないか?
コミュニティとか共生とかケア社会といった言葉を耳にすることが増えた。占星術では、これらの象徴を蟹座と結びつけることが多いが、おそらくこれは蟹座の象徴ではない。むしろ反対側の山羊座の特徴と考えることもできるだろう。
個人サインである蟹座が目指すのは、まずは自分が自尊心を持って生きる場=活動をつくり上げ、そして違和感のあるものに「NO!」を突き付ける勇気を育てることだ。つまり蟹座が目指すべきは、自分の心を豊かに育てることに他ならない。
人との違いを明確にし、しっかり甲羅をつくり上げ、その生き方が自分にとって気持ちいいのか、そうでないのかを見極め、もしそうでないなら、どのような疑問をそこで抱いたのか、どうしたらそれを解消できるのか、そういった心の動きを丁寧に理解することだ。
そのために、まずはシンプルな生きる理由を持つことから始めてみるといいかもしれない。「仲間と美味しいものを食べるため」「静かな夜を過ごすため」「安らかな寝顔を見るため」ごくごく日常的なシンプルな、「生きるために生きる」ための理由を、必死に生きるために。
ということで、2024年の蟹座期は、心がグッとシンプルになるような、そんなことを意識しながら過ごしてみてほしい。
塩野 七生(しおの ななみ)
1937年7月7日、東京生まれ。蟹座に太陽、水星、冥王星を持つ。
歴史小説家、評論家。
学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006 年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与。2007年、文化功労者に選ばれる。
これまでの太陽・蟹座の言葉
12サイン4番目のサイン蟹座で、牡羊座から続いた火・地・風・水の個人的体験はひとつの完成を迎える。
双子座までで広げた「私」の体験を、この蟹座で一度しっかり自分の中に閉じ込めることになる。双子座で得た体験とは能動的、積極的なものだ。外界に向けて好奇心を育て、人や知性と出会い、交流や学びといった活動に刺激を求めていく。そこで採集したものが、「私」の個性となり、アイデンティティの輪郭を作る。
その外向きの体験に対し、内的世界によって自己を完成させていく。その時 に行われるのが記憶のコラージュである。
蟹座の段階では、双子座が行った外向きの体験に対し、残しておきたい記憶をコラージュする。
あの時一緒に過ごした仲間、来ていた服、大笑いした出来事…
たとえ誰かとともに同じ体験をしていようが、記憶のコラージュだけは完全に「私的」なものなのだ。
つまり記憶とは、個人の私的創造物なのである。
記憶にこそ、個人の個性、世界観があふれているといえるだろう。
それらが血肉となるまで、何度も何度も繰り返し記憶の中の体験を反芻し、私的世界を純化させる。それが蟹座にとってのあらゆるものの受け皿となる。
その記憶と感情で作り上げられる「私」の世界とはどんなものだろう。
蟹座の人物の言葉から、どのような体験が人生のモチーフとなっていくのか。その人物が見て、育んだ心の世界とはどんなものなのか、垣間見てほしい。
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