【RTA in Japan Winter 2024】SANABIの走者として参加した日記

はじめに

北別府と申します。この度、RTA in Japan Winter 2024にて、SANABIの走者として参加させて頂きました。応援頂いた皆様、ご視聴頂いた皆様、アーカイブご覧頂いた皆様、ありがとうございました!
主に自分が数年後も見返せるよう、日記にしておきたいと思います。日記と言いつつ、文体としては一応RTA全般・RTA in Japanに関係する方・興味がある方に向けて記載します。

■Twitch(チャットあり)
https://www.twitch.tv/videos/2336061818

■Youtube

■走者:北別府
https://www.twitch.tv/kitabepp
※2025年もほぼ毎日配信、様々なRTAや通常プレイをやっておりますので、仲良くして頂ければ嬉しいです!
■解説:墨酢さん
https://www.twitch.tv/smithp226
※墨酢さんは今回悪魔上ドミナスリレー走者、R4解説も担当しておりました。すごい!!お疲れさまでした!

総括

かなり長くなったので、よほど興味を持って頂ける方以外はこの「総括」だけ読めば大丈夫…という構成にしました。

SANABIはストーリーが注目されがちですが、ワイヤーアクションの挙動、スピード感、基礎動作を極めた先の超人立体起動、動きや演出の格好良さなど、他に類を見ないアクション性で、長く遊んでしまいました。
極論、SANABIにスピードランモードしか実装されていなくても、私は走っていたと思います。

そしてそのアクション性加えて、プレイ済みの皆さんがご存じの通り、
圧倒的に素晴らしいストーリーとドット絵演出がありました(当初私は「常軌を逸した名作」という言葉をよく使っていた気がします)。音楽も好きな方は多いかもしれませんね。非の打ち所がありません。

このような非常に特別なゲームであるとの思いから、RTA解説とのバランスが不自然にならない範囲ではあるものの、RTAイベントにも関わらずゲームの良さを伝えるお時間を多く頂いてしまい、申し訳ございませんでした。

日頃からSANABI初見プレイや感想をSNSで探している中で、SANABIに衝撃を受けたけれど、あまり周りの人はやっていなくて寂しいという方がいるように感じました。
そんな気持ちで過ごしてきたSANABIはいいぞおじさんお兄さんお姉さん達が集結できる場になれば素敵だなと考え、今回のようなSNS事前告知や本番構成を取らせて頂きました。合わせて、未プレイの方にも「何やらSANABIはいいらしいぞ」という空気感を感じ取ってもらえたらと考えていました。
ランの最中、一時トレンド入りもしたそうです!すごい!ありがとうございました!SANABIはいいぞ
https://twitter.com/niconico_escape/status/1872109225255768178

年末年始と、RTA in Japan、またレイドRTAマラソンというオンラインRTAイベントを中心として、新しくSANABI関連の方が仲良くしてくれるようになったり、イベントを見てフォロー頂いたりして、本当にうれしく思います。
今まで仲良くしてくれている方も、引き続き本年もよろしくお願いします。

RiJやレイドRTAマラソンに出場させて頂いたことをきっかけに、走者または配信者として更なる高みを目指す方もいると思います。これは大変素晴らしいことです。
一方北別府は、身の程というかなんというか…変わらず細く長く焦らず、枯れたおじさん配信を続けて参りますので、もしよければ引き続きよろしくお願いします。
RTA走者として活動している中で、一度はRTA in Japanに走者として出場したいとは兼ねてより思っていたことなので、それを達成した今、今後はより肩の力を抜いてRTAを楽しむことができそうです。RiJや他イベントの応募は継続します。

まだまだ長いのでここで一旦終わりです(右のスクロールバーを参照)。
次はエピソード4~7として当落発表、当日、その後までを記載します。
当落発表前までを知りたい方は更にその後にエピソード1~3が続き、
「今後について」で本記事を閉じさせて頂きます。
(一応、補足としてRTAを初めてみたい方向けの私視点のメモを残しています)。
興味があるところだけ読んで頂ければ幸いです。ありがとうございました。


エピソード4:RiJ当落発表

当落発表の日は、SANABI解説の墨酢さんも運営にかかわっているJAWS PLAYERSというRTAイベントの2日目でした。春はオンライン、秋は大阪でオフラインでやる傾向にあるイベントです。
私が2022年1月にRTAを始めてから今回初めてオフライン参加の目途が立ったので思い切って応募し、ROBOBEATというリズムFPSで採用頂きました

毎回「もしかしたら受かるのでは」という気持ちで迎え、2年間4回落ちつづけた状態での5回目でした。「もしかしたら受かるのでは」という気持ちはいつもと同じくらい高かったのですが、ダメだった時諦める際の心の持ちようも慣れてきていたので、何とかなるという思いでした。SANABIはだめでも次回以降も出し続けようという気持ちもありました。
最初はざっとリストを眺めていて、あっだめかなと思ったのですが、
戻ってきたらアルファベットのところにSifuがあって、あっキトさんが受かっていると思いながらその上にSANABIがありました。横にスライドすると北別府とありました(今回もSANABIを出しているのは私だけだとは分かっていたはずですが)。バックアップでもなく、本採用でした。

RiJをきっかけでRTAを始めており、走者であるうちに一度ぐらいは走者参加をしたい、と考えていたイベントです。夏に解説で参加できただけでもありがたかったのですが、やはり走者での本採用は格別です。
実力だけでなく、他の応募状況、作品の話題性、他にも様々な運なども絡んでいるだろうとはいえ、自分の人生の中で久しぶりに大きな何かを成し遂げた気持ちになりました。
その時は、たまたま昔お世話になった人が大阪にいることが判明し、会っている最中に当落発表を迎えており、出先で落ち着いた状況ではなかったですが、きっと世の中に潜んでいるSANABIはいいぞおじさんお兄さんお姉さんたちが喜ぶぞ!と思って、取り急ぎ当選ツイートだけ投下しました。
インディーゲーにしてはそれなりの反響があったのではないかと思います。
https://x.com/niconico_escape/status/1853049020480184811

(余談)以降本日に至るまで、Xで「lang:ja SANABI」を一日一回は検索する日々が始まります。この記事を読んだSANABIはいいぞおじさんの方は、北別府と相互フォローかどうかに関わらず、北別府にいいねされている方がいるかもしれません。怖がらせてしまい申し訳ございません。

RiJ自体は毎回そうですが、自分以外にも、仲良くさせて頂いている走者さんや見たいゲームなどもあり、非常に楽しみになりました。

エピソード5:準備期間

さて、JAWSが終わったので、練習はSANABI一本になります。

(余談)途中、レイドRTAマラソンという大好きなイベントの応募があったのですが、既存の記録で応募できました(SANABIとミラーズエッジカタリストを出しました)。こちらもかなり狭き門なので、次はないかもという気持ちで精一杯楽しみながら走らせて頂きました。採用頂きありがとうございました。

まず、私はRTA in Japanに関わるのは、24夏のNeon White解説が初めてで、走者としては初参加となります。その時の記事です
https://note.com/niconico_escape/n/n00f2171fff33
この中で以下のように偉そうに語っていました。

また、これは個人的な想いですが、いつかRiJに走者か解説で関われた場合は死ぬ気でやってもおかしくないなとは思っていました。

今回はどうだったでしょうか。この後書いていきますが、死ぬ気だったか、と言われると微妙な気もします。一日一回は通しており、頑張ってはいたとは思います。
まあ人間、常に移ろいでいくものです。過去の自分は他人なので気にしてはいけません。今の自分を好きになりましょう。

■走りについて
以下のような流れでやってきました
・当落まではJAWS ROBOBEAT中心だったので、SANABI力を復帰させるために類似の別カテゴリ(スピードランモードを1チャプターごとに競う)を詰める ⇒割と早々に目標タイム(順位を上げる)を達成
・RiJと同じカテゴリである、スピードランモードの5チャプター通しカテゴリの記録狙いを開始 ⇒割と早々に目標タイム(保留していたWR奪還)を達成
・RiJと同じカテゴリを一日一回通し練習
※記録狙いと通し練習の違いは、例えば記録狙いの時はチャプター2までで遅ければリセットして再走、などをします。通し練習は本番を想定して、何があっても最初から最後まで走り切る練習です。

■解説について
万が一受かったら解説は墨酢さんに、というのは配信などでもお伝えはしていました(SANABIはRiJ24夏も応募はしていたので、その応募の頃から)。直前にイベントでSANABIを走ったJAWS春オンラインの方でも墨酢さんにお願いをしていたということもありました。
解説については、今回墨酢さんが超多忙になるのは目に見えていたので(墨酢さんの振り返り記事も公開されているので、良ければ探してみてください)、私の方で過去の台本をベースに、RiJ仕様に書き換えました。台本の方針は「通常アクション、RTAテクニックの説明は最低限」「ストーリーはネタバレ回避どころか一切触れない」「時間がある所でSANABIの"魅力""評価"が分かる話をする」といったところだったでしょうか。
墨酢さんとのSANABIのイベント出走は今回が3度目でしたし、SANABIに対する想いは日頃から把握しているつもりだったので、特に問題はありませんでした。台本を書き始める前に11月中に一度打ち合わせをし、12月になってすぐの頃にお渡ししました。そちらを墨酢さんの方でアップデート頂き、本番数日前にリハーサル、本番という流れでした。

■デバイス周りについて
それまで私は、なんとRTA走者であるにも関わらずデバイスへの拘りが希薄で、マウスパッドなしで机でやっていました。当日に違う環境でも極力同じパフォーマンスを発揮できるように、マウスパッドを購入しました。今まで見向きもしなかったのですが、購入にあたり色々調べて少しだけ詳しくなりました。マウスパッド初心者で検討中の方はきいて頂いても大丈夫です。
それと、キーマウ勢は椅子の肘置きを重宝していることが多いですが、会場にはないことが予想されたので、肘置きなしの練習もしました。(実際なかったので練習して良かったです)

エピソード6:本番

前日入りをしてPCをセットアップするという手もあったのですが、
その同じNo.のPCをまた借りるというあたりで手違いなどが発生する懸念もあったので、当日始発で行ってセットアップをすることにしました。
事前に準備をしていたので、ほぼ自宅の環境に近付けることができました。
モニタは、練習室のモニタが約70Hzだったので、240を借りてプロパティで160Hz設定をして使用しました。

(余談)SANABIですが、フレームレート(fps)周りにやや癖があります。
モニタの周波数は好みで良いのですが(私は通常144Hz)、fpsについてはモニタにピッタリ合わせるのが基本だと思います。しかし、モニタの周波数に関わらず、SANABIではfpsによって操作感が変わります。様々な挙動が変わるのですが、一番わかりやすい所でいえば左右キーで動く1歩の歩幅が変わります。ちょい押しだとはっきりわからないので、マウスホイールに左右キーを割り当てて1つ動かすと分かりやすいです。
しかも通常、「垂直同期」をオフにすることで高いfpsが出ると思いますが、SANABIはここがバグっていて、垂直同期をオンにすることでfpsの上限が外れます。
こうした中で自分好みのfps(私は200-300)にするために、垂直同期をオンにした上で、グラフィックボードの設定側で上限fpsを設定することで、好みのfpsが出るようにします。
自宅の環境だとOBS(配信ソフト)も動かしていて負荷があるので300はでなく、勝手に程よいfpsになるのですが、当日の環境はSANABIのみを動かして、映像端子から別の配信PCに映像を送っているため、性能が出過ぎてしまいます。何もしないと500近くが出て挙動がおかしくなるので、グラフィックボードの設定側で300を設定し、ちょうど300が出続けている状態にしました

本番が始まる前に「作戦0号開始」ってツイートしたかったけどやる暇がなかったです(SANABI本編ネタ)。

直前のセットアップの流れは、夏で解説を担当させて頂いたときに把握していたので戸惑わずにできました。これはありがたかったです。

本番のランに関する裏話としては以下のようなものがあります
・チャプター1で普段落ちないところで速攻落下している(ここで呼吸が止まるw)
・チャプター2のリフトのところで大きなミスをしている
・チャプター5でボタンを押せていない(バグのせいにしかけている)
・上記以外は、まあ及第点といった動きはできている
・チャプター1クリア時に墨酢さんがチャットを打っている
・緊張と集中で、北別府はあまり気の利いたことが話せていない
・からあげは動画の35:42頃。チャプター2そのものではなく、チャプター5のチャプター2エリアにありました(https://youtu.be/-v8mB2K14YE?si=N40vXpnoM9Ur0pBq&t=2142

あと、墨酢さんに触れていただいた「歌っている」の事件はこちらです。墨酢さんも歌っています笑
https://www.twitch.tv/videos/2149764356?t=00h13m11s

それと、解説の中に、私が走っているRTAを紹介頂くところも入れて頂きました。日頃から日本走者一名のようなRTAを好きになって寂しく走っているのですが、思った以上に反響がなく(笑)、引き続き寂しい気持ちです。(RiJの場では特にしょうがないか…w)
インディーゲー、マイナーゲー、FPS、格好良いアクションゲームなどが好きな方は、仲良くして頂ければ嬉しいです。
以下、私が走ったRTA一覧です

詳しくは、振り返り配信も取り急ぎやったので興味がある方はそちらをご覧ください(墨酢さんは年明けまでまだまだ忙しかったので、一旦私一人です。改めて二人でやるかは未定)。
https://www.twitch.tv/videos/2340705733

寄付額投票についても早々に達成しており、ランの後に訓練所を披露できました。ありがとうございました。少しでもチャリティに貢献できればと思って無理やり捻出したアイディアだったのですが、採用頂けて驚きました。また、思ったよりチャット欄では反響があったようでやって良かったですし、後述のRTA道場という企画に同じ内容で参加したので、紹介もできました。
因みに私が観測している最速の記録は、別カテゴリ日本1位の走者さんの14.75です。こちらも興味ある方は探してみてください。

私が宣伝するパートは、少しでも巻いてバックアップが入れればなあと思っていたので、最低限のことしか言わないようにしました。早口になっていたのはその表れですが、聞き取り辛かった点は反省です。

YouTube動画ですが、再生数の割にいいねがやや多い気がします。これは「SANABIはいいぞ」のいいねだと勝手に思っています笑
あと、再生数の割にチャットが多く、ほとんどが「SANABIはいいぞ」なのが面白いです。皆さんも「SANABIはいいぞ」をしていってください。
https://youtu.be/-v8mB2K14YE

エピソード7:本番後

完走した感想としてお伝えさせて頂いたことに尽きます。改めまして本当にありがとうございました。

今回このランを披露するにあたり、お世話になった皆様へ、この場を借りて、感謝をお伝えさせてください。
まずはRiJ運営の皆様、オンラインオフラインボランティアの皆様、オンラインや会場で応援頂いた皆様、
早朝からこちら会場の前の方に集まって頂いたRTA仲間の皆さん、
解説の墨酢さんは、ご自身の出番が30日の悪魔城ドミナスリレーですが、SANABIのために遠方から駆けつけてくださいました。一度帰るそうです。
星花リゼットさんは大変時間をかけて作ったマフィンちゃんのぬいぐるみをワイプにのせてくれました
また、国内外のSANABI走者の皆様。本日のチャートについても大いに参考にさせて頂いて成り立っています。
そして、SANABIを開発してくれたワンダーポーションの皆様
本当にありがとうございました。

マフィンちゃんはリゼちゃんがめちゃくちゃ時間をかけて作った大作です。ちょっとクタっている感じがまた良い

■RTA道場に参加させて頂きました
12/30はRTA道場に参加させて頂きました。こちらの企画は恐らく初回のRiJ23夏の時に、トライアルライジングとプリンスオブペルシャに参加させて頂いていました。まさか自分がレクチャー側で参加させて頂くことになるとは…。人生何が起こるか分かりませんね。
(終了のお礼ツイート)
https://x.com/niconico_escape/status/1873596296617136250
(動画と資料配布)
https://twitter.com/niconico_escape/status/1875183049694179513

■レイドRTAに参加させて頂きました
こちらは配信者のチャンネルをレイドでリレーするRTAイベントです。その配信者のチャンネルということもあり自由にやってよい、則ち他イベントのようにいつも通り真面目にやってもよし、普段の配信の雰囲気や走者の個性を知ってもらうために茶番を入れてもよし、と私は解釈しているイベントなので、解説は呼ばず頑張って自分で好きなことを話しながらやりました。
私は楽しかったですし、このランを楽しんでいただけた方は、きっと気が合うので、今後も仲良くしてくれたら嬉しいです。真面目なRTAはRiJの方をご覧ください笑
(アーカイブ)
https://www.twitch.tv/videos/2341501135
温めていた「一富士二鷹SANABI」については、応募の時点で使用しています。こちらはその後採用タイトル発表の画像にも使っていただき、そちらでも反応があり、ありがとうございました。
https://twitter.com/niconico_escape/status/1873936279978860588

以上で当落発表から本番、その後までを終わります。怒涛の年末年始でしたが、非常に思い出に残る良い経験でした。ありがとうございました。
ここから先は当落発表までです。更に興味がある方のみお進みください。

エピソード1:SANABIとの出会い

そもそもSANABIは2022年頃でしょうか?(詳しく知らない)、アーリーアクセス対象のゲームだったので、早い人ではその頃から注目していたタイトルだったようです。身近な方では墨酢さんやレツさん、そして別で国内走者先駆者がお二人いらっしゃいます。
私はSANABIはフルリリースされた2023年11月にプレイしました。私が好きになるゲームは3DアクションやFPSが多めで、2Dアクションゲームやドット絵のゲームはほとんどやらない傾向にあります。
SANABIは「ワイヤーアクション」というところだけが琴線にかかりました(スパイダーマンのゲームや、サイバーフックというFPSのワイヤーアクションゲームが好きだった)。ウィッシュリストで真ん中辺り、「ラスティッドモス」と同じ位置にいる状態でした。

ある日、いつものように配信を終えた時、墨酢さんの配信タイトルが「SANABI」になっており「あ、このゲーム発売されたんだ」と軽い気持ちでレイドしました(Twitchの機能で、配信終了時に視聴者さんと一緒に他の人の配信に乗り込む)。
墨酢さんはフルリリース直後のプレイを終えて、2周目目をやる直前だったでしょうか。レイドした時に「レイド頂いたところ申し訳ないが、SANABIを少しでもやる予定があるなら絶対に見ないで帰った方が良い」という主旨のことを仰っていました笑
墨酢さんほどの方がそこまでいうのか、ということで、これは次にカジュアルプレイをやる筆頭にしよう、と考えました。
※この時は本当にSANABIのことをよく知らず、墨酢さんがアーリーアクセスの段階で注目していたこと、既にマリちゃんのサムズアップのスタンプがあったことなどは、恥ずかしながら私は把握しておりませんでした…

その頃は、2023年11月のインディースピードランサミット2というイベントにローラードロームというゲームで出場させて頂くことが決まっており、その練習がメインでした。
(これはこれで色々挑戦的なことをやっていたので、ダイジェストを置いておきます)
https://www.twitch.tv/videos/1989698268

それが終わって落ち着いたので、カジュアルプレイを1つずつやって、はまったやつを集中的にプレイしようという期間を設け、1作目にSANABIをプレイしました。
因みに、2Dアクションゲームをキーボード&マウスでプレイするという発想自体がなかったのでゲームパッド(コントローラー)でプレイしました
※後述しますが、SANABIはキーボード&マウスが有利で、覚え直しをしています。
SANABIの感想を書くと長くなってしまうので割愛しますが、結果、初日から平日にかかわらず夢中でプレイし、辞め時がなくて毎日AM2時までプレイし、4日程でクリアしてしまいました。他のゲームをやる予定は全て変更しました笑
翌日には「この物語はしっかり理解して吸収したい」との思いから、自分のアーカイブを見ながら以下の記事を書きました。その当時は日本語翻訳が微妙だったチャプターもあったので整理したい、ということも理由です(現在翻訳は解消されている)。ネタバレがあるのでクリア済みの方のみお願いします

ただ、直ちにRTAをやろう、とはなりませんでした。
どんなにストーリーがよくても「それを広めるためにRTAをやろう」という動機は私の場合はありません。
例えば私が一番好きなゲームは「Outer Wilds」というネタバレ要注意のゲームですが、このゲームはアクションそのものには繰り返し遊びたいという気持ちがなかったので走っていません。

(余談)むしろ、OuterWildsもSANABIも、ネタバレになってしまうのでRTAはやりづらいな、とすら思っていました。SANABIはスピードランモードがなかったら、本編のRTAはネタバレを警戒して走らなかったかもしれません。
ただこれはあくまで私個人の好みです。RTAである以上本来はどのゲームも盛大にネタバレがあります。例えば、OuterWildsのRTAは海外のRTAイベントで何度か登場していますが、ネタバレを回避するのは視聴者側の自己責任となりますので、採用を決めた運営や走者を責めることは一切できないと思っています。

自分にとって「繰り返し遊びたいほど楽しい、カッコイイ、脳汁が出る」、
RTAに置き換えると「練習と計測が楽しい」ゲームのRTAをやることがほとんどです。
SANABIはクリア直後はアクション面でまだ魅力をとらえかねていましたが、
初見プレイ時点でもワイヤーアクションが楽しいし、戦闘が格好いいので、クリア後に解放されたスピードランモードを試しにやってみよう、というところから始めました。

エピソード2:RTA初期

スピードランモードは5つのチャプターがありますが、チャプター1は巻き取りアクションを使えないので、SANABIのRTAの下調べとしてはチャプター2がよいと思い、チャプター2を繰り返し遊んでみる、ということをやりました。
またこの時はまだゲームパットでプレイし、地面に巻き取りアクションを行ってやや高速に移動する程度のことを行っていました。

当初はRTAの記録収集サイト「speedrun.com」のSANABIのページが、フルリリースによりページが一新されたようで、記録がない状態でしたので、地面にフックを撃つ移動法は知らなかったはずです。
少ししてから先駆者の方の記録動画の提出が始まり見始めたのですが、キーマウで異次元の高速移動方法を取っており、これはゲームパッドではとてもできないので、ゲームパッドのカテゴリが分かれたらいいな、、と思いつつ、キーマウも覚えないとだめか…と悩んでいました(現在は私の後発の走者さんが要望を出してくれて、ゲームパッドのカテゴリが分かれています)

ちょうどそんなころRTA in Japan 23冬が、24冬と同じ飯田橋ベルファーレであり、数日観戦者として遊びにいきました。
その帰り道、仲良し走者の八月朔日いなりさんに、飯田橋駅前の歩道橋のあたりで「SANABI走りたいけど、キーマウ覚えないとだめそうでかなりきつそう。でも来週から試しにやってみようかな」といったことを話していました。1年後、しっかりキーマウを覚えて同じ会場で走者として参加させて頂くのは、なかなか感慨深いですね…。

キーマウ矯正の方法は、ゲームパッドで遊んでいたチャプター2のタイムを上回れるか、という点を基準しました。意外にも1週間程度で上回ることができたので、それ以降のチャプターの学習からキーマウで行いました

(余談)少し話がそれますが、私はRTAを始めてしばらくするまで、そもそもゲームはゲーム機でしかやっておらず、PCでゲームをやったことがありませんでした(フラッシュゲームくらいしか)(そもそも当初はグラボすら刺していなかった)。なのでコントローラーしか使ったことがなく、FPSもコントローラーでやっていました。
RTAを初めて1年くらいした時、傾向としてミラーズエッジカタリスト、Neon WhiteというFPSのゲームも覚えてきて、限界も感じていたので、
今後FPSのゲームのRTAを覚たいとなった時のためにキーマウに慣れておこう、もしかしたらその年に発売するスターフィールドを走るかもしれないし(結局走らなかった)、ということでキーマウでカジュアルプレイをはじめ、次に覚えたCyberHookというFPSではキーマウで走れるようにしました。
なので、コントローラーも、キーマウも、ゲーム自体はどちらでもできるという状態ではありました。

因みに厳密には私はあまり類を見ないスタイルでキーマウ操作をしています。どうせ新しく覚えるなら人と違うことをやった方が利点があるかも、と考え、いわゆる「モンゴリアンスタイル」と呼ばれるものを採用しています。左手はWASDではなく「RAZERの左手デバイス」を使って親指でスティック操作をしています。
FPSもSANABIも全て移動は親指スティックを使っています。
そのような経緯(元々キーマウ自体には慣れていた)が功を奏したのか、以外にも矯正から1週間ほどで、ステージ2でゲームパッドのタイムを上回ることができました。
それ以降はキーマウで、各ステージをプレイしていくことになります。

この辺りでもまだ地面フックは習得していませんでしたが、SANABIのワイヤーアクション自体にはハマってきたので、RTAは覚えるんだろうなあという気持ちでした。

ここで、カテゴリの問題が発生します。
アーリーアクセスの頃もスピードランモードはあったようなのですが、チャプター2まででした。そして恐らく公式のスピードランコンテストなるものがあり、「チャプター1とチャプター2のそれぞれの自己ベストの合計」で競っていたようです。スピードランモードのタイトル画面も、今も各チャプターの自己ベストの合計が出るようになっています。
つまりこのルールだと、チャプター1つずつの自己ベストの録画をとっておき、それを編集で繋ぎ合わせて提出するという、いわゆる「Sum of Best」で競われるという特殊な状態でした。

一方で、一般的なスピードランは、「最初から最後まで一貫した録画である」ことが多いです。SANABIスピードランモードに当てはめると、チャプター1から5まで続けてプレイする、というものです。ステージクリア制のゲームだと「マラソン」「フルゲーム」「レベルラッシュ」などと呼ばれます。通しでやることで、後半のミスが響いてきたり、あえて安定を取ったり、といった戦略が生まれます。
私はこのルールで走りたかったのですが、明確にカテゴリが分かれていなかったので、SANABIのモデレーターさんに懇切丁寧に説明し(英語自体は伝わっていたと思うのですが、何故かピンと来ていなかったようで時間がかかった)、カテゴリを分けてもらいました。

エピソード3:RiJ応募まで

SANABIのRTAは本当に難しくて、ご覧頂いた方はお分かりになるかと思いますが、いくつかの箇所のショートカットやグリッジが難しい、という類ではなく、最初から最後まで全編に渡って使用される基礎動作の発展型「超人立体起動」が難しい、という類でした。
これはもう、とにかくやりまくるしかありません。
いつ身につくかの保証がない中、まさに暗中模索の状態でしたが、それでも進められたのは、SANABIのアクションが「自分の練度に関わらず、いつでも楽しくて爽快感があってスタイリッシュ」だったからです。
ワイヤーアクションと聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、その中でもSANABIはかなり親切にできていると思います。
例えば、空中にいるキャラを割と左右キーで動かせたり、ワイヤーが長すぎて地面にこすってもある程度はスイングを継続できたり、壁や天井は張り付いてそのままワイヤーを使わず移動できたり、被弾時に好きな方向にリカバリダッシュが出来たり…
初見プレイの頃でも、スピードランモードを始めたばかりの頃でも、スピードランモードで記録を詰めている頃でも、どの段階でもその段階なりに脳汁が出る作りになっていると感じました。
これはSANABIのワイヤーアクション面の完成度が高いといえるでしょう。

また、きっかけとしては、シカダさんが主催している「Pixel Art Runners
の開催とその時期も、私の中ではSANABI RTAを主軸とするきっかけとして大きかったです。ピクセルアートのイベントにSANABIがあったらとてもいいな…という謎の使命感から、このイベントの応募締め切りに向けて集中的にスピードランモードの通し練習に取り組みました。
応募開始時に一旦提出したESTは、応募期間中の数週間の間に5分単位で縮めることを3回か4回ほど行ったはずです。ここでSANABIを人前で見せられるレベルまで何とか到達させられました。ありがとうございました。
因みにシカダさんもSANABIはいいぞおじさんです。

なおこの時期に、2023年8月に発売して以降、メインでひたすら詰めていた「Bomb Rush Cyberfunk」という大好きなゲームのRTAを封印する決断をします。二兎を追えないと判断したからです。海外人気が非常に高く、RTAコミュニティもめちゃくちゃ盛り上がっている(日本走者はほぼいないけど)だけに、苦しい選択でした。

いつか再開したいと思っているもののなかなか目途が立たず、BRCファンの皆さんは申し訳ありません。再開しても上位ランカーがめちゃくちゃ多いので太刀打ちできない…というのもありますが…

Pixel Art Runnersの参加によって人前で披露できるくらいのレベルに達したのでJAWS春オンラインにも応募し、採用頂きました。
※厳密にはPARの前にRTA BootCampというイベントにも参加させて頂きました。その時の解説はレツさんでした。ありがとうございました。
24夏のRiJにもSANABIを出しましたが、フルリリースの2023年11月からまだ時間が経っていないこともありやや厳しいなとは思っていました(RiJは、発売してから間もないゲームの優先度は下がる傾向にあると、あくまで個人的にですが想像していました)。夏の応募締め切りと冬の応募締め切りは近いので、24冬以降を本命として、走りこみを続けました。

その間、5月にROBOBEAT、8月にリスのゲームが出て、期待していた通り面白かったので、RTAを身に着けるということもやってきましたが、それらと並行してSANABIの走り込みは続け、9月にRiJ24冬応募をしたという流れでした。

今後について

今後についてですが、RiJの出場がきっかけで一段落したり燃え尽きたりして大きく変わる…ということはなく、元々RTAに対する姿勢は整理しているので、それに則って2025年も配信・RTAを続けていくことになります。

RTAに対する姿勢は折角なのでまとめてみたのですが、書いてみてかなりしゃらくさい感じがしたので、別記事の下書きに封印しました笑(多分公開しても、自分も他の誰も得しない文章)。万が一興味がある方は個別にご連絡ください。
要約すると、RTA走者としては全く格好が付かないのですが、私は「競争が苦手」「タイムと順位は必要に迫られて詰めることがあるが、第一優先は綺麗に上手に通した記録動画を残すこと」といったようなことが書いてあります。

また、制約としては「平日休日問わず一日原則約2時間半しか自分だけで自由に使える時間がない(休日長時間などもできない)」「その中で新しいRTAも、カジュアルプレイも、ゲーム以外の趣味も、休憩も、やりくりする必要がある」というものがあります。そのため配信予定と称して、この2時間半の使い方は毎日事前に計画が決まっています。大体常に2ヶ月先までは計画が組まれており、随時見直しています。別に年間の計画も立てています。
更に、自分はそこそこ年齢がいっていることもあるかもですが、今後の人生で予期せぬ何かが発生する可能性も常に懸念しています。そうなるとどうしても優先度付け、取捨選択が必要で、合わないこと、苦手なこと、タイムパフォーマンスが悪いことはすぐに切り捨てていかなければいけません。

この姿勢を踏まえて、具体的にSANABIについては以下のようになります。
・自分としては良い記録が出ている状態で、イベントも終わったのでしばらく走る予定はなし
・実はここ数日前に、イベント出たSANABIカテゴリの1位が17秒抜かれています。頑張れば取り返そうな範囲なので、普通の走者さんだったら取り返すべく走りこむところかもしれませんが、私の場合は追いかけることはしません
・万が一今後SANABIで出させて頂くイベントが決まったら、その練習期間で記録狙いはすると思います。イベントが終わるまでに抜けなかったら、またやめる可能性が高いです ※イベントで地力が上がってあとちょっとってなったらしばらくやるかもですが

そして、今年の活動については
・まだ詰める余地がある、過去のRTAを1-2本詰めます
(リスは確定。もう1つはローラードロームか悩んでいる)
・新しく覚えたいRTAが出てきたら挑戦します
・カジュアルプレイは、イベントが決まっていない間は少し多めに配信して、やりたいゲームを消化します(One Shot、Chants of Sennaar、S.T.A.L.K.E.R. 2など)

以上です。URLリンクを含むものの、16,000字を超える長文になってしまいました。ここまで読んでくれた方は個別にお礼をしたいくらいです。ありがとうございました笑

(補足:RTAを初めてみたい、と思った方へ)

いるかどうかは分かりませんが、RiJを見て何らかのRTAを始めたいと思った方がいるかもしれません。私はRiJ21冬をいつもより多めに見ていて、22年1月から始めました。
私自身が苦労した点やこうしたらよかったという点を踏まえて、簡単に書いてみます。類似の記事もたくさん出てくると思いますが、私の個人的な意見として書いてみました

speedrun.com(SRC)を見る
SRCは世界的なRTAの記録収集サイトです。まずは興味のあるゲームのページを見て、記録をいくつか見ます。上位の記録だけでなく、下位の記録も見てみましょう。実際に真似するのは下位の記録からです。
「ガイド」というタブに情報が集まっていればラッキーですが、これはゲームによって異なるので、なかったら諦めるしかありません。
Google Chromeを使えば右クリックで翻訳もできるのでおすすめです

■Discordで質問をする
何か聞きたいことがあれば、SRCのタイトル横にあるDiscordリンクが各ゲームのコミュニティになっているので、そこで質問をします

英語が苦手でもGoogle翻訳で何とかなります。
私はRTAを始めるまで海外の方とほぼ全くやり取りをしたことがなかったのですが、今は抵抗がなくなりました。ここはやれば慣れる…と思います。
また、Discordを読むことに限ってですが、Google Chromeでどのページでも右クリックできるアドインを入れると、ブラウザで開いたDiscordページを翻訳することもできるのでおすすめです。

■推しの走者を見つける
私はこれをやらなかったので最初の1年はほぼ一人で黙々とRTAをやっていました。
自分が走ろうとしているゲームでも、好きなゲームでも、単純に声やアバターが好きな走者さんでもいいので、Twitchをフォローして応援してみましょう。
そうする中で、普段どんな練習をしているのか、どういう環境でやっているのか、どんなイベントがあるのか、RTA用語、他の走者さんにどんな人がいるのか…などがわかってきます。
RTA界隈…という言葉はいまいちかもしれませんが、そこに身を置くことで分かることも多いので、その取っ掛かりとして、推しの走者を見つけることは良いと思います

■最初から最後まで録画してみる
RTA初心者向け?の言葉として「タイマーを付けたらそれはRTAだ」といったような言葉がありますが、私はもっとハードルは低いと思っています。完走した通しの動画があれば、それはRTAです。
私は最初、PS5の本体録画の機能しか環境がなかったのですが、そちらをYoutubeにアップし、開始と終了の時間を書いて提出したら、モデレーターさんは承認してくれました。
これはSRCのゲームごとのページ(ここを「コミュニティ」と呼ぶこともあるかもですが)によって違いますが、大体は認められると思います。
厳密には、SRCのモデレーションルールにも「タイマーではなく、ビデオの開始と終了で判断する」「ロード時間を除外するタイマーを使用するなどの特別な事情がない場合、タイマーを必須で求めてはならない」といった主旨の記述があります。
なので、タイマーすら要らず、通しの走りを記録する。そんなところから始めてみてもいいと思います。

以上!

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