「みんなはどうなの。」/ショートストーリー
わたしは知りたい。みんなはわたしと同じなの?
もちろん、みんなそれぞれに特技とか特性とかタイプってあって、誰もが唯一の存在だと今はわかっている。でもね。。。日常レベルの話し、例えば歯磨きの回数やすき焼鍋の材料とかさ。。。
昨夜は上手に眠れなかったらしい。朝起きたら身体がガチガチだ。首もゴキゴキと音がなっている。首だけじゃなかった。あらゆる関節がごゴキゴキと音がなっている。そして、ものすごく重い。
ああ。まずい。
上手に眠れた朝は自分で言うのも何だが。素晴らしい。語彙力がないから素晴らしいとしか言えないのだけど。もう、柔らかいなんてものじゃない。うちのにゃんこもよく流動体か思うような時があるのだけど。まさしくそんな感じで身体の隅々まで緩んで柔らかい。
みんなはどうなの。と考える。知り合い全員に大声で聞いてみたくなったりするのだ。でも、聞いたら「えっ。」と驚かれたり「何を言っているの。」と白い目で見られたりするのは勘弁してほしい。
前に自分だけが悩んでいる事柄が実はみんなも同じだったと思った時があった。ぐるぐると考え込んでしまうとか。人の目が気になって他人に合わせちゃうとか。怖くて新しいことを始められないとか。自分だけ幸せに思えないとか。他人が怖いとか。拒食症とかうつ病とか。結構色々とだ。
それらがなんということだ。いろんなひとのブログやネットのコメントやテレビの特集なんか見ていたら、私だけでなくみんな同じにそれらのことを経験していたのだ。だから自分だけじゃない、あんなに活躍しているひとも尊敬しているひともそうだったのかと安心したのだ。安心してはいけないのかもしれないが。
それで眠りのこともどうなんだろうと考えると夜も眠れない。
私は上手に眠れないと翌朝身体が金属製になるし、反対に上手に眠れたら身体がスライムになっている。それで元に戻るのに30分はかかるから大変。朝からヒーヒー言ってしまう。
それで。
みんなはどうなの。わたしと同じ?